2013/12/31

Look back 2013 ゆく年来る年

さて今年も関西に帰っての大晦日、元旦を迎える。
まったく個人的なマイニュース2013を振り返ってみる。
今年もビッグ・ニュース盛りだくだんな1年だった。みなさん、ありがとうございました。
ベスト3をあげるとなると、こんな感じ。

1.娘が喋りだす

2.アーツ前橋グランド・オープン

3.ポール・マッカートニーを観る(すいません。こればかりで。。。)

以上です。

さて、2014年が始まる。

まずまず前進あるのみ。
来年もよろしくお願いします。

では、よいお年を。
(TM)

2013/12/30

Look back 2013 その2

 全く個人的なマイベスト、音楽編。これを今日届いたばかりのVampire Weekend『Modern Vampires Of The City』のアナログ盤を聞きながら書いている。アナログ盤を購入したら全然配達されずにものすごく時間がかかってしまい、この年末ギリギリになってしまった。封を切るとなんとドーナツ盤が白色だった。カッコイイ!と遅く届いたということも思わず吹き飛ぶ。さて、内容はと言うと、さすがに各方面で今年No.1アルバムの評価を受けているように素晴らしいと思う。特にA面がいい(って懐かしい響きでしょ)。と、いう訳で今届いたばかりなので、Vampire Weekendはランキングに入れてません(でも間違いなく5本の指に入るね)。
さて、話を戻して、相変わらずアナログレコードとCDを購入している。ネットのダウンロードはいまだかつてしたことがない。こんな時代にあえて、アナログに逆行しているここ数年である。今年は全部で、都合77枚(ライ・クーダーのBox Set11枚も含んでいるので厳密に言うと87枚)。
さて、順番はこんな感じかな。

1.New /Paul McCartney
2.The Last Ship /Sting
3.Liquid Spirit / Gregory Porter
4.Tooth&Nail /Billy Bragg
5.Wise Up Ghost /Elvis Costello&The Roots
番外Spirityouall/Bobby McFerrin

今年はやはりポール・マッカートニー御大に。もちろんライブは涙もの。で、話題性ばかりが先行している感があるがこの新作は素晴らしかった。最近死滅化している骨太のロック・アルバムとしても評価されるべきだと個人的には思うところ。スティングは10年ぶりのアルバムで10年間アルバムをつくることができなかった、という事実がこのアルバムの精神に表れている。ミュージカルのサウンドトラックなので厳密なオリジナルアルバムという感じではないかと思うが楽曲郡は素晴らしく、スティングのここ10年を思い苦悩あふれるライナーノーツを読みながら聴いていると思わず涙なくしては聴くことができない。グレゴリー・ポーターは本当に素晴らしい。もうベテランだがこれからも楽しみ。ビリー・ブラッグも秀作。日本盤が出ないのが信じられないね。後はコステロ御大。いつもながらの健在ぶりに脱帽。カヴァー作も含めたアルバムなので番外としたがボビー・マクファーリンの新譜もグレゴリー・ポーターと同様よかった。デヴィッド・ボウイ、ダフト・パンク、ホセ・ジェイムスなどもよかったが外させてもらった。
後、余談だが、2012年発売物で遅ればせながら購入したもので、Andy Alloの『Superconductor』(プリンスの彼女?、ということでプリンス節炸裂)、Pet Shop Boysの『Elysium』(こちらも健在ぶりはさすがの脱帽)は昨年のランキングには入れられなかったが素晴らしかった。
そしてシングルとしては何といっても(このブログでも書いたが)、ジャスティン・ティンバーレイクfeat.ジェイZの『Suit&Tie』。これぞ、まさにポップ・ミュージックの醍醐味。
2013年もいい音楽満載でした。さて2014年はいかに。(TM)

2013/12/29

Look back 2013 その1

あっという間に2013も、もう終わりです。
毎年恒例の、全く個人的なマイ・ベスト2013をふりかえり。例年は書籍編、映画編、音楽編と3話(日)構成ですが、今年もあまりに余裕のない1年だったということもあり(猛然と反省。。。はい。)、書くヴォリュームがそれ程ないので、書籍編と映画編をまとめておこないます。
で、この1年思い返してみましたが、昨年に引き続き、本も映画もほとんど語る資格なし、という感じ。泣。
書籍に関しては建築系以外の書籍はほとんど軽いのを斜め読み状態の連続。毎年書いている感じですが、僕は常時4冊の本を並行して読み進める、という読書スタイル。他人からは「よくそんなんで4つの話がグチャグチャにならないねぇ。」と言われるが慣れてしまうと意外といいもんですよ。ちなみにその4つのスタイルはこんな感じ(例年書いてますが。もう様式美になってます)。
①じっくりと腰を落ち着けて読む本:これは1階の本棚に
②アート、建築系の専門をパラパラ読み齧る用の本:これは2階の食卓近くに。
③カバンに持ち歩いて電車の中等の移動中に読む本:もちろんカバンの中
④寝る前に気軽に読む本:これは3階のベッド枕元に
が、今年は(も)この4スタイルが全く機能しない有様。ちなみに、今現在もグチャグチャで、フィッツジェラルド『冬の夢』、菊地成孔『服は何故音楽を必要とするのか?』、山崎努『俳優のノート』、糸井重里『イチローに糸井重里が聞く』、森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』、村上春樹『夢を見るために毎朝目覚めるのです』を並行かつランダムに目についたら読んでいる、という状況。来年はじっくりと腰を落ち着けて大作を読もうと思います。ハイ。

さて、そして、映画ですが、今年は昨年よりは少しまともに観ました。ということでベスト3はこんな感じ。
1.『クラウド・アトラス』/ラナ&アンディ・ウォシャウスキー+トム・ティクヴァ
2.『ホーリー・モーターズ』/レオ・カラックス
3.『フライト』/ロバート・ゼメキス
何といっても、レオ・カラックス13年ぶりが鮮烈だった。ウォシャウスキーの作品とテイストが好対照で、片やさまざまな要素が同時並行でランダムに展開していくかたちで、片やさまざまな要素が断続的でシークエシャルな展開をみせるかたち。最近設計時に考えている「ゆるやかな不統一な連続章」という概念とつながるところがあって観ていていろいろと考えさせられた。
ということで、明日は音楽編。もう少しまともなコメントにしたいと思います。(TM)

2013/12/18

設計演習雑感

武蔵野大学3年生の設計演習が終了。武蔵野大は4年次に設計演習の授業がないので授業としてはこれがラストの設計演習となる訳だ。後は、卒業設計しかない。今年度の水谷スタジオの課題は例年通り、小劇場(タイトル:『新吉祥寺バウスシアター』)。今年度はこれにギャラリーの機能を盛り込んだものにした。
履修者は4名。これは史上最少人数。うちのスタジオだけが少ないのではなく、全体の履修者が年々漸減してきて今年度はついに30名を割り込んだ。指導教員としては、少人数のスタジオで密な指導ができるのでいい感じなのだが、学科の学生にとってこの授業とらないのは本当にもったいないなぁ、と思う。来年度は履修者が増えることを望む限りである。設計は楽しいのに。
さて、今年度の水谷スタジオの4人だが、結果的にはよくがんばったと思う。4人それぞれアプローチが異なり、4人とも自分なりの設計のこたえを自分なりに持っていた。と、思っている(!)。これが重要。4人はおつかれさまでした。
今年度は特にそういう指導をした覚えはないが、きちんと劇場建築をつくる流れにのっかっていた。例年数名、劇場ではない劇場づくりを目指す学生がいて(そして、結果はたいていは玉砕するのだが)、それはそれで設計の思考(或いは試行)としてはアリな訳だが、やはり3年生のこの時期なのできちんと建築計画もふまえて設計をおこなうことも大切なことなのである。プレゼンの精度を含め、計画のツメはまだまだ未達なところが見られるが、気付いたところをすぐにブラッシュアップしてきちんと成果として残して欲しいと思う。
講評会は7時間超。例年のことだがこの長時間に最後はしびれてくる。講評会後の懇親会では終わった学生たちの開放感(解放感)がこちらも心地よい。懇親会後は大塚先生、末光先生、宮口先生とハモニカ横丁へ出て一杯。例年学生もそこそこついて来るが今年は2人だけ。飲みに行く学生も例年漸減の一途を辿っている。これも由々しき事態なり。まあ、どうのこうの言っても仕方ないんだけど。
さて、これで年内の授業は終了。いよいよ年末が近づいてくる。吉祥寺の夜も更けていく。今夜はポール・マッカートニーの『Pipes Of Peace』を聴く。冬の夜の心に染みる。(TM)

2013/12/08

食卓の灯り展


 木工デザイナーの渡邉浩幸さんの個展が、オカズデザインさんのスタジオ「カモシカ」で開催されているので見に行く。渡邉さんとは今年の2月に会って以来なので、本当にご無沙汰しておりました。

  先週撮影にお越しいただいた、キッチンさんがこのオカズデザインさんの2階に事務所を借りられていたこともあり、なんか先週の今週でつながるなぁ、と思いながら、渡邉さんと雑談していたら、なんと渡邉さんとキッチンさんがお知り合いだということが今更ながら判明。いやはや、世間は狭い!っていう話で静かに盛り上がる。
  渡邉さんの作品は変わらず味のある質感を持っておりとてもいい感じで、新作のお皿とキャンドルホルダーを購入させていただく。また、オカズデザインさんの料理も堪能させていただき、場の空気感と相俟ってまったりとした素敵な時間を過ごさせていただき、これまたとてもいい感じ。
  それにしても、来場されているお客さんは女性の方々ばかりで(2時間くらい滞在して、男性は本当に僕だけだった)、「いったい世の中の男性は何してんでしょ~ねぇ?」という話に華が咲く。渡邉さん2月のイスの講評会はよろしくお願いします。そして、渡邉さん&キッチンさんのダブルクリティークの企画を画策するのでした。学生諸君は乞うご期待。(TM)

2013/11/30

撮影会@石神井台




写真家のキッチン・ミノルさんにお願いして、毎年恒例の撮影会。石神井台の家までお越しいただく。
朝からスタートし、昼過ぎまでじっくりと撮影いただく。
昼過ぎに終了。
その後、雑談をしながら、個人で作品を創り続けることの話で静かに盛り上がる。話をしながら、やはり、結果だけがいくらよくても、そのプロセスに中味がなければまったく意味がない、ということ。つくりつづけることの大切さ。そして何より、好きなことをやってないと、これまたやはり意味がない、ということを思い起こされてしまう。
まあ、至極当たり前のことなんだけど。うむ。
キッチンさん、ありがとうございました。
さて、写真の出来上がりが楽しみです。(TM)

2013/11/20

ポール・マッカートニーをみる

 

 いよいよポール・マッカートニーを観に行く。東京公演の2日目。

 もう、言葉では言い表せない。本当に何て言っていいのか分からなくて陳腐な表現になってしまうが、とても素晴らしいものだった。ライブをみて本当に感動したのは学生時代に見た、ピーター・ガブリエル以来だし、40を過ぎて涙腺が弱くなってきている自分がいるのは分かっているのだが、ライブをみて感動で本気で泣いてしまったのは、まさに初めての経験だった。

   もうさんざんメディアでもいろいろと情報が流れていると思うが、そんな中できるだけ情報をシャッタウトしてライブに臨んだ訳だが、ビートルズの曲が多いのは知っていた。しかし、1曲目、『Eight Days a Week』が始まった頃から、ちょっとヤバい気配、ウルウル感があった。僕個人的には前半の『Maybe I’m Amazed』で完全に泣きが入ってしまい、ポールがひとりで弾き語った『Blackbird』で完全にボロボロになってしまった。でも、会場の8割くらいがあの瞬間泣いたと思うな。中盤の『Something』はジョージに捧げられ、ウクレレの弾き語りで始まるという秀逸な演出で、ここでもまたウルっときてしまう。
  本編は『Hey Jude』で締め、アンコール1弾目に『Daytripper』、『I Saw Her Standing There』などでクライマックスは加速し、最後のアンコールで『Yesterday』、『Helter Skelter』(個人的にはここで昇天!)、そして最後にアビィ・ロードメロディ『Golden Slumbers』~『Carry That Weight』~『The End』で幕を下ろした。
  約40曲、3時間弱、ビートルズの曲が3分の2という圧倒的なセットリスト。2日目は『Jet』が聴けた。新曲群も非常に素晴らしかったし、音楽評論家の渋谷陽一さんもブログで書かれているが最後のエンディングの構成も非常に意味深く、まさにポール・マッカートニーの総集大成のような夢のような時間だった。
  来場者の年齢層の幅も以上に広く、上は歩くのも不自由されている年配の方から、下は高校生くらいの若者まで。ポール自身が71歳なので同年代のうちの母親を少し想い浮かべたが、来場されていたお年寄りの方々は、寿命が5歳くらいは延びたんじゃないかと思う。
  会場にいた誰もが幸せになり、この時間は永遠に続けばいいのに、と感じたと思う。
  ものづくりの観点から言うと、「そんな、みんながみんな幸せになるような状況をつくるというのは本当にあり得ない。。。」、という先入観を、持っていた自分を若干内省しながら、そんな考えを打ち破った奇跡のような時に感謝をしつつ、ビッグエッグの夜は流れる。
  当分興奮は続きそうだ。さて、11月も終盤に向かいますね。元気にいきますよ。(TM)





2013/11/04

連休の素敵な時間



  編集者の松井晴子さんからお声掛けいただいて、我が家「石神井台の家」にお越しいただく。かわいいお孫さんとご一緒に。
  松井さんには、「石神井台の家」を扶桑社の雑誌『住まいの設計』の「家を愉しむ人々」という特集の、光栄ながら連載第1回目でとりあげていただいたのが御縁で、なにかとお世話になっております。
松井さんに「ヘンな家」という愛すべき形容詞をいただき、それ以来いろんな取材がある度に、みなさんその「ヘンさ」を堪能してくださっている、という感じ。お孫さんも、我が家の「ヘンさ」を喜んでいただき、いろいろな場所で楽しんで遊んでいる様子がうれしい限りである。うちの娘が生まれてからお会いできる機会がなかったということもあり、娘に素敵な木のおもちゃのプレゼントをいただく。娘は大喜び。お孫さんにも娘は遊んでもらい、とても素敵なひと時を過ごせました。本当にありがとうございました。(TM)

2013/10/26

アーツ前橋グランドオープン

設計に携わっていました前橋市の美術館、アーツ前橋がいよいよグランドオープンとなりました。
施設に大勢の来館者が来てくださっている様子をみて、万感の思い。設計者としてはこのシーンが一番の感動の瞬間というのは言うまでもないことです。
設計チーム一同も前日のレセプションから参加させていただき、施設内のカフェで集合写真をパシャリ。
アーツ前橋の今後の成長を楽しみにしています。(TM)

2013/10/23

ザ・ビートルズのいえ

武蔵野大学3年生の設計演習の後期第1課題の講評会。
水谷スタジオは例年のスーパースターの家シリーズを今年度も継続しており、今年度は何と『ザ・ビートルズのいえ』。
本当は来年の課題10周年にビートルズを持ってこようかと思っていただ、もうすぐポール・マッカートニーが来日ということもあり今年度ドロップした。
こういったコンセプチャルな課題が、あまり見られなくなったので学生も非常にロング・アンド・ワインディング・ロードな世界に入り込み頭を悩ますことになるのだが、今年度もなかなか苦しんだ。
全体的なイメージとしては非常に内省的なテイストばかりになってしまった、という感想。講評会でも他の先生方から、「ビートルズという(存在も含めた)祝祭性はないのだろうか?」という批評をされたが、そのあたりも含め学生の作品群には、もう少しバリエーションがあった方が、僕としては楽しかったなぁ、というのが正直なところ。
学生のアプローチが正しいか、先生方の批評が正しいかは、何とも言えないところで、その正解のなさがこの課題の醍醐味なのだが、学生諸君はどう感じただろうか。いずれにせよお疲れさまでした。第2課題もLet It Beの精神で頑張りましょう。(TM)

2013/10/09

久方ぶりの、ほんとうに。。。

本当に久しぶりの友人と対面。なんと、24年ぶり!
予備校時代の友人のケイシ君が岡山から上京することになり、急遽、連絡をいただいたので、吉祥寺までお越しいただく。
何せ24年ぶりなので、顔が分からんだろう、と思い、糸居重里仕様のペンギンTシャツを着て駅前で待ち合わせ。Tシャツ効果もあり(ホントかいな。。。)無事に対面を果たす。
いや、なつかしい。予備校出てから会ってないからね。
駅前のハモニカ横丁の行きつけの店に行き、いろいろと近況(まで)報告。ちょっと喋っただけで、昔の空気感を思い出し会話ができるのが気持ちいい。
ケイシ君は岡山で医師をされているので、いろいろと異文化の話が聞けて面白い。
22:30過ぎに、東京在住のもう一人の予備校時代の友人、カツ君も合流。ちなみにカツ君は化学のエキスパートで現在海外をまたにかけて専門技術家として活躍中。僕はカツ君とは5年振りくらいだが、ケイシ君はやはり24年振りなので、また懐かし話に花がさき、24年前へのフラッシュバック感は加速していく。
いや、でも、時は流れております。
そうこうしている間にあっという間に終電の時間。名残惜しい。
そして、お互いに健闘を祈りつつ帰途につく。
なかなか、なつ~かしくも興奮の一夜でありました。(TM)

2013/10/01

ゼミ旅行@長崎

「軍艦島に行きたい。」とゼミ生に言ってしまったため、今年度のゼミ旅行は長崎へ2泊3日。ここ数年、年度末に本当に1泊のみバタバタと行ってたので、久しぶりにガッツリと腰を下ろしてのゼミ旅行。概要は、ゼミ生のブログ(学生活動クロニクル)参照頂ければと思いますが、
http://www.musashino-u.ac.jp/environment/design/M_lab/index.html
、感想をちょっと。
軍艦島はもちろんなのだが、今井兼次の日本二十六聖人教会を一度見てみたかったので真っ先に観に行く。やはり、圧倒的だ。この手作り感は現代の建築では絶対に出せないので、本当に建築の力というものを感じさせられる空間になっている。これを観ただけでも価値があったというところ。
さて、お目当ての軍艦島はやはり船でアプローチしていくプロセスが一番感動する(個人的に、ですが)。ちょっと、『スカイフォール』も意識して、ジェームス・ボンドの気分に入ってみようと思ったが、所詮は無理なこと。しかしこの島に圧倒的な人口密度で人々が生活していたという事実は、色々と考えさせられる。島が無人島になったのは僕が生まれた後なので(1974年)、その暮らしている光景を観て体感したかった、と思いを馳せてみる。
そんなこんなで、時の流れを感じさせられる、長崎3daysでありました。(TM)

2013/09/26

ダーティ・フォーティ・スリー

まったく私事ながら43になりました。
もう「アラフォー」とさえ言えなくなってしまう、そんな年齢になってしまった自分に半ば呆然としながらも、今後もまたまた精進していく所存であります。
研究室のゼミ生、卒業生から各々、事務所のスタッフ、そして家族と、各場面でお祝いをいただき、感謝感激である。まあ、いくつになっても祝っていただくのはうれしいことだなぁ、と改めて感じ入る。
さて、43歳はどんな歳なのかと自分にとって影響のある人に置き換えてみてみる。
小説家の村上春樹氏は丁度『国境の南、太陽の西』を出した歳。『ダンス・ダンス・ダンス』の次の作品であり、この後、『ねじまき鳥クロニクル』を出す流れにある。
映画監督のデヴィッド・リンチは『ワイルド・アット・ハート』を出す直前。そうか、既に『ブルー・ベルベット』はつくっていた訳だ。
建築家でみてみると、御師匠の一人である内井昭蔵先生が身延山をつくられた歳にあたる。
う~む。いずれにせよ、もう、ウカウカとしていられないなぁ、と思いながらも、焦ってもしょうがないので、何とかマイペースに前進あるのみ。と、思いながらダーティ・フォーティ・スリー、スタートいたします。(TM)

2013/09/02

アーツ前橋掲載

雑誌「新建築」の9月号に『アーツ前橋』が掲載されました。
グランドオープン前ということもあり、外観や1階のまちと直接つながる交流スペースがフューチャーされています。先進のリノベーションの特集ですので是非ご覧ください。
いよいよ、グランドオープン(10/26)が近づいてきました。
展示室の内部詳細も、是非、グランドオープン後、実際の建築をご覧いただきお楽しみください。(TM)

2013/09/01

風立ちぬ

映画『風立ちぬ』を観る。
ジブリものは『紅の豚』を観たくらいで、後はまったく見たことがない、というちょっと非国民的な立ち位置にいる自分なのだが、『風立ちぬ』は賛否両論ある感じなので、そこが面白いんじゃないかと気になり観てみることに。
本当に力作だ。いろいろなことが積み込まれ過ぎてる感があるが、そこがまた物語をあまりに語らないことによりうまれる、人の心の機微のようなものを感じる風情を助長しているような気がする。そして、宮崎駿監督が自らコメントしているように、昭和初期の日本の景色の美しさが、これでもかというくらい繊細に描かれていて非常に観ているものの心を揺さぶられる。
そうしてたら、宮崎監督引退のニュースにびっくり。
時は流れています。(TM)

2013/08/31

圧倒的なスケール感と恍惚の気持ちの相関性

所用があり、北海道の札幌まで赴く。
札幌は15年振りだろうか。
東京のバカ暑さとはうって変わっての涼しさ。。。というか、ちょっと寒い。
なぜか僕が札幌に来る時は、天気が悪く、それがなかなかさびしさ、というか切ない気分を助長してくれてしまう。15年前もそんな感じだったな、とふと想い出す。
村上春樹の『羊をめぐる冒険』のような感じ。
所用のついでに建築をいくつか見てまわる。
札幌ドーム。今更だが、実際に見ると素晴らしい。久しぶりに建築をみて感動した。ちょっと本質とはズレてしまうかもしれないが、ドームの建築そのものもいいのだが、それよりもドームに隣接してある移動サッカーフィールドを備えた屋外の広場の景観が圧倒 
的だ。本当に大らかなスケール、そしてすり鉢状を形成するの地形の全体のアンジュレーションと地表面の勾配設定のあり方など、ランドスケープの神髄はこんな感じなんじゃないか、と思わされた。
その後、モエレ沼公園に。これは、、、すごすぎる。人間の領域を超えているような気がする。でも、実際人間がつくってるんだけど。雨の中のせいか、そんな感覚にとらわれつつ、建築をつくることのちっぽけさ(もちろんいい意味での、ということす。はい。)を痛感してしまう。
札幌市街地に戻り、夜、ギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』を観る。これは、、、すさまじかった。これでとどめをさされる。映画は、日本の昔の巨大ロボットアニメを実写化した、ある意味B級ものだが、その都市や建築の映像の描き方はすさまじく圧巻だった。それらが、怪獣や巨大ロボットに粉砕されていく。その映像の洪水は恍惚とさせられてしまう。
いろいろとスケール感を激しくゆさぶられ、札幌を堪能する。(TM)

2013/08/20

アーツ前橋掲載



  夏休み中もありUPが遅くなりました。
雑誌、『日経アーキテクチュア』の8/10号にアーツ前橋の記事を掲載いただきました。
なんと表紙に採用いただいています。
関係者一同非常にうれしい限りです。
掲載いただいた特集も現在の公共建築の旬なトピックですので、ぜひご覧ください。

2013/08/01

住居アメニティ論終演



















本日9年間続いた武蔵野大学の授業『住居アメニティ論』が、その9年間の歴史に幕を下ろした。先日(7/16)のブログの続きになるが、今シーズンで終わるトピックが、何故か続いている。住居アメニティ論という授業は授業名が非常に抽象的な所から分かるように、非常に何をやっていいかよく分からない授業な訳だが、逆に言えば、何やってもいい授業、という風に開き直ってこの9年間やってきた。武蔵野大学の授業に建築計画学の範囲の授業がないので、その辺りをさらっとフォローしながらも、後は、本当に自分の思うがままに、アメニティという言葉に無理やり関連付けながら、どちらかと言うと建築以外の分野からもいろいろな視点を交えながら建築の話をしてきた。。。つもりである。
朝一番の授業(9:00スタート)のためか、ここ数年は10名前後の履修者だったが(4年くらい前までは50名程度が履修していたのですが。。。)、履修した学生諸君には少しでも刺激を与えられていれば、と切に思う次第である。今年度はある回の授業で、デヴィット・リンチの『ロスト・ハイウェイ』の一部を見せたのだが(この映画の中で、主人公のビル・プルマン演じるジャズ・ミュージシャンの男が、自宅の暗く長く続く廊下(本当に真っ暗な空間)に入ると人格が変わってしまう、という設定なのだが、その廊下の空間構成とそこを通過する人の精神的構造が何らかのかたちでコネクトする、というあたりが非常に住居のアメニティ的な側面を語る上で面白いのです。)、ある学生が授業後に、「あまりの映像の有様に、ものすごく、強烈に、気分が悪くなった。。。!」、という感想を述べていた。まあ、朝の9:00からデヴィット・リンチを観るべきではない、というのがそこから導き出される考察結果になるのかもしれない、が、でも、そう感じるということは、その学生本人にとってはおそらく学生時代の授業の中でも忘れられない記憶(?想い出。且つ、悪しき)のひとつとなるのだろうから、そうなったとしたら、やはり僕としては授業をやった意味があったなぁ、と思う次第である。
そんなこんなで、またひとつの時代が終わってしまった。
授業の最後に、ジャミロクワイとフー・ファイターズとレッチリのショートフィルム(監督はそれぞれ、ジョナサン・グレイザー、ミシェル・ゴンドレー、マーク・ロマネック)を朝一ながら、爆音で流して終わる。
これまで9年間授業を履修した歴代の学生さんたちは、おつかれさまでした。
もう、デヴィット・リンチが朝の教室で流れることはない。(TM)

2013/07/31

TO YOU

 嬉しいやら、嬉しくないやら、今年も誕生日を迎えました。
 事務所スタッフ2人からはランチタイムにお祝いを頂き、関西にいる家族からはおめでとうメールが続々と届き、友人からお祝いが届き、夜は自宅で家族に祝ってもらって、大変幸せな一日でした。みなさんこの場を借りてもう一度、「ありがとう。」

 タイムリーなことにここ2ヶ月ほど娘の遊びの一つに「トゥーユー」というのがあって、これがHappy Birthday to You! を歌うこと。すっかり歌をマスターした娘に、歌って祝ってもらい嬉しく楽しい夕べでした。まさか1歳の娘から歌のプレゼントをもらえるとは1年前には想像もしなかったことで、子供の成長は本当に大きな喜びです。娘も本物のバースデーケーキとロウソクが嬉しかったよう。「もう一回!」のアンコールリクエストが出ました。

 その「トゥーユー」という遊びが楽しい!初めのうちは絵本の♪Happy Birthdayページを開いて歌うだけで楽しめていたのが、どうやらバースデーケーキの絵が気に入ったらしくて遊びが発展し始めました。身近にあるもの、例えばおままごとのお皿の上に切ったニンジンのへたを立てて、それをバースデーケーキに見立てて「トゥーユー」「トゥーユー」と言うのですが、最高だったのはお風呂場でスツールの上にシャンプーやボディーソープのポンプボトルを並べて、バースデーケーキを作った時。この発見によほど満足したのか、それ以来お風呂場に行くと「トゥーユーする」と言ってボトルを並べて、歌うようになりました。お風呂場なので、声がよく響くのがまた楽しいのかも。その時にお祝いされるのは、お友達だったり、家族だったり、時には自分だったり、締めくくりは「おめでと~」の拍手もあって、手抜きしません。そんなわけでほぼ毎日、お誕生日祝いの我が家はにぎやかです。

 今月4日にめでたくプレオープンしたアーツ前橋は今年がお誕生の年。おめでとうございます!10月のグランドオープンまであと3ヵ月を切りました。大勢の方に訪れてもらって、施設を育ててもらえることを願っています。

 誕生日が2日違いの父と「また歳とったね」と言い合うのが恒例のこの暑い季節!
プレゼントのバカラのグラスに美味しいウイスキーを注いで、乾杯!これからが夏本番、頑張りますか!

2013/07/17

The Best Of Time:空間造形クロニクル

武蔵野大学の設計演習(空間造形3、3年生対象授業)の講評会。前期の総決算的なイベントである。あえて、イベントといっているのは、この講評会の場はある意味「お祭り」であり、「ハレの場」であるから、学生諸君にも(今までの設計作業の生みの苦しみを越えて)思う存分楽しんで欲しいと思っている。と、いう訳で例年学生には、発表に何らかの一工夫を考えてくるようにガイダンスをしている。7~8年前の学生はいろいろと積極的に仕掛けてきて、例えば、かぶりモノで攻めるとか、5人くらいで演劇風に発表するとか、意味もないのに野球のユニホーム&金属バット姿で喋るとか、留学生がわざと通訳付きの2ヶ国語発表をおこなうとか、まあ、良いか悪いかは置いといて、非常に活気のある講評会だった記憶がある。年々その傾向も下火になってきて、今の学生たちはあまり何もしなくなってきてしまった。でも、何人かはその努力をしようとしていて、やはりそのプレゼンは印象に残る。改めて、自分にも省みてプレゼンテーションのあり方の意味を考えさせられたなぁ。ただ機械的にしゃべっているだけだと、伝えたいこともなかなか伝わらないのかもしれないなぁ、と再認識してしまう。
そんなこんなで学生に発破をかけながらやっているが、学生に一方的にやらせるのも申し訳なく思い(まあ、そんなこと思う必要もないのだが。。)、僕たちもパフォーマンスを披露している。見本というにはクオリティはあまりに充足していないが、講評会始まりに一発、学生たちにブチかますのである。
何をかというと、これもベタベタで「コント」である。一緒に設計演習を運営していただいている、建築家の大塚聡さん。後、大学スタッフの手塚愛さんと3人でミニライブを披露。コントのテーマは「コンセプト」ということで、建築にはコンセプトがつきまとう訳だけど、本当にコンセプトというものは、建築にとって不可欠なものなのだろうか?というアンチテーゼ的なメッセージも裏に忍ばせている。。。とは、いえ、まあ、所詮、超D級コントなので偉そうなことは言えないんだけど。
そして、何やかんやと9年間も続いたこのコントも、大塚さんと思う所があり、今年度で最終公演にしようということになった。まさにラスト・ライブ。すべてには終わる時がある、ということをまた感じ入る。
学生の発表はそれなりに出来ている作品も数点あり、それなりに刺激的ではあった。でも、「それなりなんだよなぁ、何故なんだろう」と考え、やはり、発表する学生の情熱が感じられないという、非常に当たり前でプリミティブな思考に落ち着いてしまう。やっぱりそうなんだよな。それが少し(というか、あまりに)感じられない。ので、ひっかかりがなくてこちらとしては消化不良で終わってしまう。評価なんか気にせず、思い切り自分の思いをぶつけて欲しい。正解はないのだから。と、いつもと同じ感想をもってしまう。
セレクションした学生の発表が終わった後、発表チャレンジを受けて立つ(いわば敗者復活)機会を一緒に担当していただいている伊藤先生が学生に投げかけるが、希望者はゼロ。う~ん。その後、僕が2回目を投げかけるが、手を挙げる学生は再びなくズッこける。作品への愛がないのかなぁ。という寂莫感を持ちながら吉祥寺へ出て懇親会へ。
懇親会では学生は講評会とはうって変わって解放感に満たされながら、にぎやかに楽しんでいる。その元気を講評会にぶつければいいのに、、と思いながらも、学生の充実感を感じている姿を見ると、こっちもほほえましくなる。後期の設計演習もがんばってもらいたい。
家路につき、なぜかスティックスが猛烈に聴きたくなる。『The Best Of Time』。これはラブソングみたいだけど、9年間パフォーマンスにお付き合いいただいたミース大塚氏、無理やり引き込んでしまったザハ手塚氏、そして我が分身ライト水谷の3者に捧げたいと思う。ありがとうございました。(TM)

2013/07/16

設計講評会@生田

明治大学の2年生の設計演習の講評会に招待され生田キャンパスへ。
大学の先輩である青井先生にお声掛けいただき、講評をさせていただくことに。課題はキャンパス内にランドスケープも含めた交流スペースを設計するという課題。ランドスケープ系のゲスト講師の方にも声掛けを、との依頼があったため武蔵野大学でもランドスケープの授業をお世話になっている近藤卓さんにお願いをして、一緒に講評をさせていただくことになる。
明治の2年生の設計演習は必修のため約160名が履修していることに。原則全員発表ということで、全160人規模の講評会が製図室のそこかしこで、班に分かれて繰り広げられているのは圧巻である。今回僕がみさせていただいたのは青井先生の班の20名。14時にスタート。青井先生のガイダンスに始まり、4人毎の発表で全20名に対して発表&講評。最後に総括をして19時前に終了。久しぶりに全員発表の場を体験したので、やはり体力を使う。2年生ということもあり、設計に対する姿勢が新鮮な感じがするので、非常に面白い。作品に関しては、全体的にしっかりと建築計画やプログラムを考えて、きちんとまとめているという作品群が揃っていた。例えば50mくらい地下に掘ってみるような、度肝を抜くような設定提案も少し期待してみたが、まあ、そんなのは今の時代の若い人たちには流行らないんだろうな、と思ってみる。今後2~4年間でどんどん成長していくんだろう、と思いつつ、学生さんたちにはこの純粋な心持ちを忘れずに更なる飛躍を期待したい。
講評会後の懇親会も参加させていただき、いろいろと刺激的なお話をうかがう。
明日はいよいよ武蔵野大学も3年生の講評会。どんな成果が生まれるか楽しみだ。(TM)



2013/06/21

I’ll Wait








『1984』と聞いて何を連想するか?、というトピックをスタッフのharuと話していて、間髪を入れず「ヴァン・ヘイレン」と答えたところ、「え~!何でですかっ?(信じられない!!)」ってリアクションがあったのを想い出す(おそらく彼女はオーソン・ウェルズや村上春樹、といったところなんだろうが。。。)。
そしてその数ヶ月後前橋の現場でそれと全く同じトピックの話になった時に、周りは僕と同年代の人ばかりしかいなく、みな異口同音に「ヴァン・ヘイレンしかありえへんやろ!」と言われ、彼女は沈黙するしかないといったこともあったなぁ、ということも想い出しながら、東京ドームへ。
ついにこの日が来たかという万感の思い。会場は、おそらく僕と同じ気持ちの人ばかり。それにしてもすごい人だ。しかも年齢層はかなり上、男性比率が圧倒的に高い、という熱(苦し)過ぎる会場の盛り上がりをみせていた。

ライブは、ほとんどMCもなくひたすら演奏をし続けるという構成で、そこがしびれる。後、当たり前の話だが、サミー・ヘイガー以降のヴァン・ヘイレンの曲は一切演奏しないし、デイヴ・リー・ロスのソロも全く演奏しない、という潔いセット・リスト。そしてアンコールはなく全て本編に納めてオーラスを迎えるというライブ構成も気持ちいいくらいシンプルなものだった。
音楽評論家の渋谷陽一さんが、ライブのレヴューでヴァン・ヘイレンの魅力を「ハードロックバンドでありながら、ハードロックの最大の武器である、暗さとセンチメンタリズムというふたつの要素を持たずにこれだけ歴史に残るバンドとしてのキャリアを重ねてきたのは驚異的なこと。」と表現しているのにとても納得。
エディ・ヴァンヘイレンの、あの抒情性を全く排除したギター奏法がそれを如実に物語っているが、だからこそある意味ユニバーサルな普遍の魅力があるのだと思う。ライブでも「Eruption」のギターインストを演奏し始めた瞬間、モニターに映しだされるエディの無邪気な笑顔満載の姿とその超絶演奏に口がポカンと空き、空いたままもう閉じることがないんじゃないか、と思わせるその恍惚感は文章ではもう表現しきれない。おそらく会場にいた1万人がそんな状況だったんじゃないかな、と思う。そしてそれとミックスされるデイブ・リー・ロスの超楽天的なヴォーカリストとしての存在感は、まさにヴァンヘイレンの真骨頂と言えると、あらためて感じさせられたライブだった。
1984から約30年。
”I’ll Wait”(from『1984』)はプレイされた。
その瞬間意味もなくちょっと泣きそうになった。
時はあまりに早く流れる。 (TM)

2013/06/06

10人が集って住む空間

 

 武蔵野大学3年生の設計演習、前期の第2課題がスタート。 1週間遅れだが第1課題について少々。実はその第1課題「10人が集って住む空間」は、この学科が始まったときからの鉄板の課題。9年ずっと続いたことになる。
  来年度から授業開催キャンパスが有明に移転する予定のため、この長らく続いた課題も先週をもって終焉を迎えた。非常勤で担当いただいている建築家の大塚聡さんと一緒にこの授業を立ち上げた時のことが頭をよぎり、感慨深いものがある(まあ、学生にとっては関係のない話なのだが)。すべては始まるときがあれば、終わるときがある、ということか。
  講評は教員とTAが票を投じた16人が発表。圧倒的にパワーがある作品がある訳ではないが、未発表の作品も含めて粒ぞろいの作品群、といった感。年々加速するその感じは、まあしょうがない。最後ということもあり珍しくセレクションされなかった学生の発表挑戦も受けて立ったが、希望者は(何と!)ゼロで、まことに痛恨の思い。
  最後のコメントで、「それぞれ個々の色彩をもつよう(村上春樹に掛けてますよ。もちろん)、それこそ貪欲にいろいろと吸収するよう」に激励する。丁度、吉祥寺バウスシアターで爆音映画祭、そしてそれが終わったらカラックスの『ホーリー・モーターズ』が来るので、観るように発破をかける。まあ、建築とは関係ないけど、いろいろ感じて眼から鱗をボロボロ落として欲しい。と、いう思い。
  第2課題もスタート。はじけろ!学生。The Kids Are Allight!
。。。と、いいつつ全くの蛇足ですが、はじけるつながりで。普段まったく炭酸系のジュースを飲まないのですが、急に飲みたくなって三ツ矢サイダーの梅サイダーを衝動的に購入。これいいですね。パッケージデザインもレトロな感じをおさえつつイカしてる。ちなみに、ソーダの横に写ってるのはボビー・マクファーリンの新譜。これもいい。自分のルーツ音楽に沿った内容で、懐かしさとともにまだ健在なのが嬉しい限り。まあ、関係のないところに話が脱線してすみません。しかもオチはありません。はい。 (TM)

2013/05/30

ネクスト・デイ




デヴィッド・ボウイが10年ぶりのアルバム、『ザ・ネクスト・デイ』をリリース。あまりの復活に感動してしまい、わざわざアナログ・レコードを購入(もちろん輸入盤。そして2枚組。)。さすがにチャレンジングな出来栄えで素晴らしいと思うが、巷の評判がよく、というか、あまりに良すぎるので。。。その分をどうしても差し引いてしまう。う~ん、ちょっと天の邪鬼なのかもしれないけど、それにしてもあまりにいろんな人が飛びついてる感がするので食傷気味になるわな~、という感じ。そのあたりおそらくデヴィッド・ボウイも感じてるんだろう。今回のリリースは事前のニュースリリースはまったくなく、突然の発表だった。無理だろうけど、ライブをみてみたい、と思う今日この頃。。。
 さて、久方ぶりつながり、という訳で、先日は何と高校(淳心学院)時代の同級生との飲み会。関西で演劇関係の仕事をしているオニシ君が仕事で上京するので、それに合わせて在京のメンバー4人で集まることに。オニシ君は高円寺まで来るということもあり、事務所まで遊びに来ていただいて一通り近況報告。4年前の同窓会で会った以来なので、非常に懐かしい。あっという間に時間が過ぎて行き、みんなと落ち合う新宿へ二人であわてて向かう。駅でテラニシ君と落ち合い3丁目方面のいつもの居酒屋へ。店へ入ってしばらくするともう一人のフジモト君が登場。これで全員集合。いや~、懐かしい。オニシ君は5年ぶりだが、後の二人は高校卒業以来の再会。なんと、25年ぶり!!時はあまりにも早く流れる。。。いやはや。
 本当に久しぶりな訳だが、話し出すと、もうみんな面白くて、25年のブランクもあっさりと忘れてしまう。それぞれ、演劇関係、船舶関係、マスコミ関係、そして建築関係とみな現在活躍しているフィールドが違うので、普段とは違う刺激がある。さすがに、関西人のノリ、そして淳心生らしいほんわかとしながらもエッジのきいた会話など、懐かしさと新鮮さとで、とても楽しい時間を過ごすことができた。あっという間に4時間ほど。
 新宿泊のオニシ君を見送って、JR新宿駅で散会。本当に長い時間を経た久しぶりの再会に、新宿の懐の深さを少し噛みしめながら帰途に就く。さて、僕たちの、ザ・ネクスト・デイはいかに。(TM)

2013/05/29

新体制

 連休明けから、事務所に新スタッフ1名を迎えて新体制です。
ちょっぴり若返りました。
 私だってまだまだ気持ちは若くいるつもりですが、実年齢の若さに敵わないものはあります。若い力と一緒になって頑張りたいと思います。

 ところで、新スタッフの加入によって事務所のデスクを再レイアウトしました。あきらかに以前と事務所内のコミュニケーションが変わりました。ちょっとしたことですが、影響はなかなか力があります。体験してみると、面白いものです。

 そんなことを感じながらの5月、朝、出勤して来た時に、挨拶をする相手が増えたのは嬉しいです。今日も一日頑張ろうって。

2013/05/09

ウエスタン∞DM


  大学時代の同級生ウエスタン君が来所。
ウエスタンは現在、竹中工務店で企画開発の仕事をしていて、今回は出張の合間をみての訪問。じっくりと飲むのは、1年半ぶりくらいだったので、楽しかった。

 
 西荻窪の駅前に繰り出して、建築や仕事や家族やどうでもいい思い出話などで、約5時間くらい。久しぶりの気持ちいい痛飲。でも、歳とってくると、何か飲みの話題も重みがでてきますね。何となく考えさせられる。いい意味でも、悪い意味でも。そこが若い時とは違う所か。それにしても、最後の方は西荻の雑然さとシンクロしてきて錯綜感が満々で不思議な面白さがあった。
  例えるなら、デペッシュ・モードの新作『デルタ・マシーン』のような感じ。変わらないデカダンスといったような。。。そう言えば、ウエスタンは学生時代の課題でアルチュール・ランボーをモチーフにしてた作品があったなぁ、と、勝手に納得。盟友ウエスタンにひとまず、デペッシュ・モードを(勝手に)捧げた西荻の夜でありました。
P.S.
今年度5年ぶりに予定されていましたバルセロナプロジェクトはウエスタン氏と私二人の都合により来年度に延期されました。内輪なネタですみません。          (TM)

2013/04/30

直感の精度を考えてみる(いや、みたい!、、かな。。。)

 木工デザイナーの渡邊浩幸さんから久々に御連絡をいただく。

 何やら、先日ビビッときたことがあったのでメールをお送りいただいた模様。
 渡邉さんは、2011年度まで武蔵野大学で椅子の制作をおこなう授業を一緒にやっていただいていたということもあり、学生のデザインプロセスに関して思う所あり、とのこと。(渡邉さん、ありがとうございます!)
 糸井重里さんの「ほぼ日」で(すみません、このネタが偶然ですが続きます)、美術家の山口晃さんの「絵描きの美術論」というインタビュー特集があり、その中の記事について。
 渡邉さんによると、「武蔵野大学の学生のエスキースを見てきて毎年不思議に思っていた事が、かたちの絵を描くのではなくて、エスキース帳には文章がびっちり!!!かたちを考えるのに何で文章なのでしょう?とずっと不思議でした。」ということでした。
 確かに、この山口晃さんの特集で、デザインプロセスにおける文章化への問題点が非常に分かりやすく、身をもって感じることができるので、学生のみなさんにも是非読んでもらいたい。
 大学でも設計演習の授業が始まったが、いつも「とにかく手を動かせ!」と叱咤しているのが、何故か?ということが多少は分かるのではないかと思う。そして渡邉さん御指摘の通り、文字化一辺倒の弊害が少しでもなくなれば進歩かな、と思ってみる。
 僕個人的には山口さんが言われている「明快でありながら、わけがわからない」デザインというものに非常に共感をしてしまった。前橋でも少し同じようなことを考えていたので、なるほど、なるほど、と思ってしまう。
 山口さんが言っているように、自分でも、はっきり答えられない、ということが、良い作品というものにつながっている、と。作品の意図を一つ一つ答えられるようなものは、「やがて、その「つまらなさ」に気づきます。そうじゃなくて、描いた自分でも困っちゃうくらいのほうが見るほうの人もいろいろな「読み解き」ができるんですね。」と。
 ただ、建築はアートとはまた別の説明責任もあり、これは避けては通れないので、全てが当てはまるかどうかは何ともいえない所。僕自身も改めて建築のデザインについて考えさせられる。うむ。全てを言葉にはできない、ということの良さをどう伝えるか?もちろん現物を見てもらえれば、って話になるけど、、、なにか表現の仕方でできないかな、と思ってしまいます。
 うむ、そこが難しいんですよね。。。
 考える日々が続きます。。。(TM)

やきゅう。

 
 建築に関係ない話題ばかりが続いていますが、(ちょっと気にしながらも)続けます。 

 嬉しいことに、本当に嬉しいことに、トラ党のパパ友から「野球観戦に行きましょう!」ってお誘いを頂いて、横浜までDeNA vs 阪神戦を観に行ってきました。
 パパ友の家族3人とうちの家族3人、それぞれ1歳の子供を連れて。普段なら子連れで横浜まで出かけるだけでもずいぶんと気合いのいることなのですが、この日は知人のご厚意でボックス席で観戦させていただけることになっていたので、子連れには助かりました。感謝です。

 し。か。も。藤浪先発。
 DeNAは三浦先発。
 見応えありすぎて浮足立ってしまいます。

 その期待に応えてくれて試合展開は華やかで、ホームランあり、藤浪のプロ初安打あり、中村紀の活躍あり(DeNAですが、いいんです。活躍している往年の選手は無条件で応援!)・・・で、ビールやワインを片手に、メガホンを持って賑やかに応援。
 この日の娘にとってのストライクは、DeNAのマスコットがグラウンドに現れた時!身を乗り出してマスコットを目で追っていました。なんで、あ~ゆう着ぐるみが好きなんかなあ。テレビ見てても大喜びしてるもんねえ。

 この日、ゲームと同じぐらいに面白かったのが、両家のお父さん。長椅子の両端に座った二人が口をそろえて、テレビやラジオの解説者よろしく、プレーに解説をつけてくれたり、選手の経歴を教えてくれたり、プロ野球記録を教えてくれたり・・・・。二人は絶対に野球に関しては同じ部類の人だわ。こんな野球好きはうちの夫だけのことと思っていたら、まだいました(笑)。私も興味あることは覚えていて、このことでたまに夫を驚かせたりもしますが、圧倒的に知識量は違います。その記憶力が全方面にあればなあ~。
 子供もいることだし、試合途中で切り上げようかなんて言っていましたが、結局子供たちも楽しんでいたこともあって、藤浪のヒーローインタビューまできっちり聞きました。それにしても、藤浪選手は落ち着いていてすごい。とても高卒には見えない。すでに十分なプロ意識があるし。
 この調子でどんどん活躍して、いい試合をたくさん見せてくれると嬉しいな。

 野球観戦後の夕食はもちろん大変気分がよろしく、お酒もすすんだわけで。。。。帰りはちょこっと大変でした。
 付き合ってくれた子供たちにも感謝。

2013/04/25

撮影@アーツ前橋

  アーツ前橋に出かける。施設内のメインの家具備品工事もおおよそかたちが見えてきたので、まだ未済だった竣工写真の撮影。

  写真家の淺川敏さんに撮影していただくことに。

  今日を含めて2日ほどかけて撮影していただく。

  備品家具もいい感じでできている。

  どんな写真ができあがるか、楽しみだ。(TM)

2013/04/24

年度のスタート

 新年度がスタートして早くも1月が経過しようとしている。
 事務所は来月から少し体制が変わるので、その準備をしています。引き続き一同、今年度も頑張っていく所存であります。
 学生も水谷研8期生のゼミがいよいよスタート。また1年が始まるんだなぁと感じる今日この頃。
 大学では毎年学生の作品集(『Mu』という名前です)を制作しており、その中で教員も毎年1年の総括をすることになっている。自分の担当している授業を総括するのが普通な訳ですが、僕は場違いに随想を勝手に書かせていただく。この時期にまったく遅ればせながらですが(例年恒例なのですみません)、全文を以下に掲載します。卒業生のみなさんは懐かしさとともに、どうぞ。


■2012年度 回顧・雑感
 さて、今日、2013311日にこの文章を書いています。2011年から2年が丁度過ぎたことになります。例年(2011年からですが)のことなのですが、Muのこの欄では同じトピックばかりを書いているような気がします(本来はこの欄では自分の担当している授業を総括しなければならない訳ですが、僕は場違いに随想を勝手に書いてしまっています)。が、やはり今年も117日と同様、311日は僕たちにとっては忘れられない日だ、と改めて思いながら1年の総括をしています。
 糸井重里氏が「ほぼ日刊イトイ新聞」の巻頭のエッセイでも、「「これは忘れてはいけない」と、じぶんで決めたことは、忘れてはいけないことです。でも、「忘れてはいけない」と思ったことさえも、人は忘れてしまおうとします。」というメッセージを言われています。ので、忘れないようにしないとね、と。僕も末席ながらそんな考えに共感させていただきながら、建築についても、学生のみなさんとこの1年考えてきました。というか、考えてきたつもりです。さて、学生のみなさんがどうだったでしょうか?
 卒業設計は3.11をダイレクトに扱った作品は1作品。ただ、この2年を意識した(或いは自覚している訳ではないが、意識しているように感じられる)作品は、いくつかの作品に感じられました。(いい意味での)寓話的なコンセプトテーマであったり、地下に包まれるようなアンダーグラウンド的な空間デザイン、また全体を物語として捉えようとするテイストは、少し何らかを表現しようとしているのではないか、という思いを想起してしいました。そういう意味では充実した作品群を今年はみれたのかもしれません。が、どこまでその物語の奥深くまで考えたのだろうか?と、思ってみたりします。
 翻って空間造形43年の設計演習、略して空造)はどうだっただろうか?今年度からスタジオ数も5スタジオに戻り、プログラムも充実して熟成してきました(。。。ような気がするのは僕だけかな?)。空造は課題の設定がある意味バシッとフィックスしていますが、熟成してきたこの渦中だからその点は学生のみなさんはその固いディフェンスに是非勝負をかけて欲しいところ。なのです。まだまだ、おとなしい受身感は否めないのです。
 環境プロジェクトは、スタートの課題は「ゼロから始めるイス」。と、いうことで意識の源泉は実はできています(気づいていましたか?)。そして、はじめて新宿クリエイターズフェスタに出展をする機会を得ました。作品のタイトルは『大地解体』。僕個人的には非常にスレスレのネーミングだな、と思いながら、実際に新宿のまちの中に作品をつくっていった学生のみんなはどう考えたのだろうか?、と再び思ってしまいます。
 答えの出ない問いを絶えずしながら、(建築)デザインのプロセスは続いていきます。
 最新の『Number』(スポーツ雑誌)は、「90年代特集」。僕はいつもこの話になってしまいますが、95年は毎年Bクラスの神戸ブルーウェーブ(現バッファローズ)が、神戸の被災を受けた年に優勝をした年です。この記事も特集に組まれており、その中で当時選手だった元メジャーリーガーの田口荘氏が、(表現は厳密ではありませんが)「ホームの神戸グリーンスタジアムでは、観客席の声援の後押しがあまりに強烈過ぎて、試合に負ける気がしなかった。実際、それ程強くないチームが、奇跡的に勝ち続け優勝にたどり着いた」と言っています。
 言葉には表現できない、何か(見えない力のようなもの)が現れる。そんな感じなのでしょうか。敢えて表現すると不思議な衝動感。そんな感じを学生のみなさんは、各フェイズでちょっとくらい感じたのだろうか??
 さて、この文章はこれで終わります。答えはありませんし、明確なストーリーのようなものはないですし、激励の言葉もない。少し気持ち悪いですか?別の意味で不思議な感じがしたかな?
 何か感想があれば、、、聞かせてください。
 それは5年後。10年後でも。全然、大丈夫です。
 街の繁華街にかかる橋の上世界は再び色づきはじめる 
  Can’t Stop Rockin’ On!!      (TM)