2022/04/22

“タガタメ”の街並みやら

 その昔、ミュージシャンの上田現氏(当時、小生の羅針盤的存在だった。もう亡くなって14年が経つのか、という事実に気づき、時の流れのあまりの早さに戸惑ってしまう)が、自身の『もう逢えない人に』(アルバム『夕焼けロック』収録)という曲の中で、

「掛けられた密かな魔法は / あなたがいなくなっても / 続いています、あの電信柱に / 遠くどこまでも続く家並に」、という詞を唄っている。

 街中で、無秩序世に開発されている街の様子に出くわすと、何故かこの曲を憶い出してしまうのだが、吉祥寺の駅前で現在進行している工事現場で出くわした。吉祥寺でも有名だった銭湯の建物が、道路側の建物が取り壊されたために、期せずして、もの凄く街の前面に出てきてしまっている、今日この頃である。おそらく月日が経つと、また殺風景な高いビルが建ってしまうし、そう遅くない時期にこの銭湯自体も取り壊されてしまうだろうから、ある意味、一瞬の景観が誕生している、と言えるだろう。まさに蜃気楼のようだ。

 そうして、時の流れの早さを改めて感じさせられる、のである。僕たちの街の様相は、いとも簡単に書き換えられていく、という流れは如何ともしがたい。そして、それに対して、あまり人々が興味を持っていない(ようにみえてしまう)ということが、また人々を寂しい気持ちにさせるのである。うむ、合掌。

 タイトルに“タガタメ”とPCのキーボードを打ってしまったが、これはもちろん、“誰が為”ということである。いや、念のため。(TM

2022/04/11

完全試合

 ロッテの佐々木朗希投手が完全試合を達成。何と相手は、我がバッファローズ、ということで、まさに手も足も出ない、というのは、こういうことを言うのだな、と納得。

 92死で、おそらく全国の大多数の人々が、佐々木の完全試合達成を望んでいたと思われるが、まさにあの瞬間、「杉本、打て!しかもホームラン!!」と強く念じていた、数少ない人間がここにいる。しかし、願いは通じなかった。。。

 それにしても、試合を観戦していて、まったく打てる気配がしなかったので、あそこまですごいと逆に気持ちいい感じすら漂う。ただ、コロナの影響で、バファローズ打線はベストメンバーからは程遠かった、ということは付記させていただく(まさに負け犬の何とやら。。。)。間違いなく、投手としては大谷翔平よりスゴイと思う。期待も込めて末恐ろしい。

庭のチューリップが満開で、すごい勢いで咲いている。気温も急激に上がってきて、いよいよ季節の変わっていくのを実感する。元気にまいりましょう。(TM

2022/04/08

スパークス

 いよいよ新年度に入って、諸々のことが動き出す。大学も入学式があり、新1年生が入ってくる。それにしても、コロナに戦争に地震(最近、よく揺れるよなぁ。。)に、と本当に大変な時代に大人になっていく時間感ってどんなのだろうなぁ、と漠然と思ってみる。

 というようなことを考えてたら、4月から、レオス・カラックスの新作映画『アネット』の公開がスタート。ひとまず、いつものレオス・カラックス作品の通り、観る人を選ぶ映画感満載で、かなり不思議な作品だ。ということはおいておいて、この映画ほぼ全編、スパークス(ロック・バンドの)の音楽満載、なのである(巷では、ダーク・ファンタジー・ロック・オペラ、と呼ばれているようだが、何じゃ、その日本語?!という感じ)。スパークスを知っている人は、特にオープニングは震えます!!映画冒頭のメッセージは、「それでは、どうぞ息すらも止めて、ご覧ください」。

 スパークスの1979年の作品『No.1イン・ヘヴン』のLPを引っ張り出してきて聴いてみる。いや、素晴らしい。スパークはデビューして50年が過ぎている。まだまだ、元気にまいりましょう。(TM

2022/04/04

石を感じてみる

 新年度になる。所用で、石の作品を観る機会を得た折の写真が出てきた。実際に手で触れて触れることのできる作品もあるという、展示ソフトとしては、非常にめずらしい取り組みに感心した記憶が甦る。いろいろな石の姿に触れながら、石の奥深さを感じる。

 石というと、なぜか、つげ義春の漫画、「無能の人」シリーズの「石を売る」話を思い出す。職を無くした男が、川べりに小屋を建て、そこで河岸に落ちている石を集めて売る商売をする、という話なのだが、もちろん、石は売れる訳なく、、、、という非常に静かで若干不気味な哀愁が漂う作品だ。

石は太古から、そこに存在する訳で、だから、人々は石に惹かれるのかもしれない。不安定な今の時代だからこそ(ウクライナのニュースをみながら)、石に触れて、いろいろ考えてみてもいいのかもしれない、と感じてみる。

「人間は石から生まれて石に戻る」(イサム・ノグチ)    (TM)