2021/05/27

アルファ

 新型ウィルスの状況は変わらず。武蔵野大学の2年生の設計演習(「設計製図1」)の第1課題の講評会を開催。現在、多くの座学の授業はオンラオイン形式での実施となっているが、ゼミや演習授業は学内手続きをして対面形式で開催(+希望者にはオンライン対応を並行しておこなう)となっており、講評会もその流れで開催。現2年生は入学して1年間がほぼオンライン状況だったので、全体的に対面授業に積極的なような雰囲気を感じ、この講評会もほぼ全員の学生が対面で参加。学生諸君は頑張って作品を仕上げ、講評会が終わった時は一様に充実感を漂わせていた。さて、すぐに
2課題に突入する。次の課題も期待するばかりである。講評会でいつも感じることだが、教員(この授業は僕も含めた5名の建築家で運営)の評価は、良い作品34作品くらいまでは評価が共通しているが、そこからはかなり教員個人の好みが反映されるので、個人的には意外な作品もフック・アップされて面白い。後、これに限らず何にでもいえることだが、良くできた作品と好きな作品は、決してイコールではない、というところ、も大きなポイントである。

 と、いうことで、エイジアの『アルファ』を聴いてみる。エイジアは、ジョン・ウェットン(元キング・クリムゾン)、スティーブ・ハウ(元イエス)、カール・パーマー(元ELP)、ジェフ・ダウンズ(元バグルス)といった、当時のプログレッシブ・ロックの名ミュージシャンが集まって結成されたので、スーパーグループとして注目されていたが、リリースされた楽曲は、全くプログレッシブ・ロックではなく、今でいう所のパワー・ポップだったので、みんなひっくり返ったと、いう経緯がある。エイジアといえば、ファーストが評価もセールスも最高なのだが、個人的には、全く評価されなかったこの2作目(ちなみに3作目以降は世間的にはほぼ無視されているのが実情)が好き。1作目より、さらにポップさが増し、浪花節度も上がっているところが、泣けてくるのである。ここはB5曲目「Open Your Eyes」を。ゆらぐ(というか、はっきり言って下手な)ウェットンのヴォーカル、冗長なダウンズのキーボード・ソロ、出番が少なくて多分ちょっとやる気なさげなハウのギター、(と、もう褒めてるのか、何なのか分からなくなってきた)というあたり、まさに、愛おしい限りである。そう、評価される作品と好きな作品は、決してイコールではない、のである。がんばって、参りましょう。(TM)

2021/05/22

アローン・トゥギャザー

 新型ウィルスの状況は変わらず。連休中から読み始めた小説『隣のずこずこ』:柿村将彦著(新潮文庫)を読了。本書は日本ファンタジーノベル大賞2017の受賞作ということで、気になっていて本棚に積読状態だったのだが、やっと読めた。さすがにファンタジーノベル大賞だけあって、読後の感想は「すさまじいな。。。」の一言だった。ストーリーや設定は非常に面白く、途中で読むのを止められなくなるような読みやすい小説なのだが、読後感は、なかなかもって、ヘビーな奇妙さ満載である。作中に出てくる、大きな狸(の置物のような生命体)が、何のメタファーなのか?ということを考えずにはいられないが、この新型ウィルスで先が見えない世情に妙にマッチしていて、う~ん、心地悪い(ここでは、良い意味で言ってます!念のため。)

 ということで、デイブ・メイソンのソロ1作目『アローン・トゥギャザー』を。トラフィック脱退後の初ソロアルバムで、名盤とされているが、個人的には奇妙な味わいのある盤である。ブリティッシュ・ロック・アーティストがアメリカン・ルーツ・ロックをプレイしているせいもあるかもしれないし、アルバム・ジャケットが非常に趣向が凝らされていて(しかもレコード盤自体は若干グロテスク感あるマーブル色仕様)、何とも言えない味わいを出しているせいなのかもしれない。B面最後の大作「Look at You, Look at Me」を。非常にドラマティックなギターソロ(おそらくクラプトンがプレイしていると言われているが、クレジットは無し)が相まって、大きな世界観をつくりあげている。と感じる。引き続き、緊急事態宣言中ですが、進んでいきましょう。(TM)

2021/05/17

ストレンジ・カインド・オブ・ラブ

 新型ウィルスの状況は変わらず。世論というか、巷のニュースでは、オリンピック大反対モードに一気になってきている。個人的には、このブログでも幾度となく、それとなくコメントをしているが、昨年の春から基本的に、オリンピック開催反対(というか、できるとは思えるような状況ではないだけなのだけど。。。)という感じである。が、ここにきて、この手のひらを返したような、大反対ムーブメントを、そこはかとなく、ゲ!っと気持ち悪く感じ、天邪鬼な性格上、オリンピック開催を俄然応援したくなってきた(笑)。論拠は正しいかどうか分からないが、古代オリンピックの時代では、競技せず(競わないで)、みんなで仲良く身体を動かして楽しむ祭典だった歴史もあったという記録もあるようなので、そんな雰囲気を復活させるのでもいいのではないかなぁ、と夢想してしまう。いずれにせよ、大昔は、(神を尊ぶ)お祭りだった訳(なので、経済も政治も、なし)で、近代オリンピックではできなかった超斬新なプログラムで、開催しよう!是非!!と180度大転換してみたくなる。まあ、今からじゃむずかしいかなぁ。。。

 と、このなんとも言えないもどかし感じを、ラブ・アンド・マネーのアルバム『ストレンジ・カインド・オブ・ラブ』に託してみる。スコットランド出身の80年代後半の隠れ名盤。この時期、過小評価されているアルバムがそこそこあるが、その筆頭といってもいいかも。A1曲目の「Halleluiah Man」を。この表現がいいか分からないが、“大人の”ポップ感満載。僕たちだけでも“大人の”感性でいろいろと進んでいきましょう。(TM)

2021/05/13

ブリストルズ・クリーム

 新型ウィルスの状況は変わらず。緊急事態宣言はやはり継続中。もしオリンピックを開催するなら、このまま会期中(9月初め)まで緊急事態宣言は継続するべきなのではないだろか?(憂鬱...)と考えてしまう今日この頃。携帯電話がもうボロボロ(フル充電しても1時間くらいしか持たない)状態までいっていたので、買い替えた。ざっとネット等で調べてみたが。いろいろあり過ぎ、複雑過ぎ、で、もはや日本語で書いているのに理解不全状態になってしまったので、またiPhone(の安い方、真っ赤なカラーのにしてみた)に落ち着いた。こうやって、色んなことについて行けなくなるんだなぁ、と実感。あまりにアップルの軍門に下ってしまうのも癪なので、背後のリンゴマークを、手元にあったジャストサイズの丸いステッカー(丁度ユニクロで村上春樹コラボ企画をやっていて、その中のグッズに丸いレコード型のステッカーがあったのでそれ)を貼り付けて封印することで、溜飲を下げてみた。

 ここで、ジョニー・ブリストルを聴いてみる。日本ではあまり注目度もなく、ヒットもしていないと思われるが、AORミュージックの元祖的な存在であり、この3rdアルバム『ブリストルズ・クリーム』は傑作だ(ジャケットのアート・ワークも最高!)。捨て曲なしの盤だが、A1曲目の名曲「Do It To My Mind」を。ディープかつメロウで、哀愁の欠片を纏いながら進んでいきましょう。(TM)

2021/05/06

アップタウン・ナウ

 新型ウィルスの状況は変わらず。緊急事態宣言下のGWは何もできない、というのが実情。子供と公園で野球をして、ネットでプロ野球を観て、ビールを飲んで、ラジオ聴いて、本を読む、ということで日々が過ぎていく。レイモンド・チャンドラーの新訳(by村上春樹)が全て出揃っているので、10年くらい(?)かけて、徐々に読んでいき、このGW中に全て読了。もうおしまいか、と思うと若干寂しいが、引き続き、旧訳(その多くが清水俊二訳)に戻って、また読み続けることにする。個人的には、清水訳の方が心地いいと感じるのだが、何せ読んだ時の自分の年齢もだいぶ違うので、また今読むと感じが変わるのかもしれない。また、それも楽しみだ。

ということで、時折、ディキシー・ジャズが無性に聴きたくなる時があり、別にチャンドラーやマーロウとは関係ないけど、エディ・コンドンを聴いてみる。1958年の『エディ・コンドン・イズ・アップタウン・ナウ』を。細かくいうと、ディキシー・ジャズを踏襲したシカゴ派・ジャズの第一人者であり、当時から白人&黒人の混成バンドをオーガナイズしていたということからも非常に意義深いアーティストだなぁ、と思ってみたりする。こういうトラディショナルなジャズも味わい深い。B面4曲目「Everybody’s Movin’」を。コンドン自身のスキャットがアクセントが効いていて、楽しい音になっている。多分、当分、緊急事態宣言は解けないと思うけど、進んでいきましょう(TM)