2021/05/22

アローン・トゥギャザー

 新型ウィルスの状況は変わらず。連休中から読み始めた小説『隣のずこずこ』:柿村将彦著(新潮文庫)を読了。本書は日本ファンタジーノベル大賞2017の受賞作ということで、気になっていて本棚に積読状態だったのだが、やっと読めた。さすがにファンタジーノベル大賞だけあって、読後の感想は「すさまじいな。。。」の一言だった。ストーリーや設定は非常に面白く、途中で読むのを止められなくなるような読みやすい小説なのだが、読後感は、なかなかもって、ヘビーな奇妙さ満載である。作中に出てくる、大きな狸(の置物のような生命体)が、何のメタファーなのか?ということを考えずにはいられないが、この新型ウィルスで先が見えない世情に妙にマッチしていて、う~ん、心地悪い(ここでは、良い意味で言ってます!念のため。)

 ということで、デイブ・メイソンのソロ1作目『アローン・トゥギャザー』を。トラフィック脱退後の初ソロアルバムで、名盤とされているが、個人的には奇妙な味わいのある盤である。ブリティッシュ・ロック・アーティストがアメリカン・ルーツ・ロックをプレイしているせいもあるかもしれないし、アルバム・ジャケットが非常に趣向が凝らされていて(しかもレコード盤自体は若干グロテスク感あるマーブル色仕様)、何とも言えない味わいを出しているせいなのかもしれない。B面最後の大作「Look at You, Look at Me」を。非常にドラマティックなギターソロ(おそらくクラプトンがプレイしていると言われているが、クレジットは無し)が相まって、大きな世界観をつくりあげている。と感じる。引き続き、緊急事態宣言中ですが、進んでいきましょう。(TM)