2021/12/31

Look Back 2021 ゆく年来る年

 さて、あっという間に、今年も最後になってしまった。なかなか新型ウィルスの影響も微妙な感じで、何やかんやと大変な1年だった。

 大晦日に子供たちと、アニメ『呪術廻戦』の映画を観に大泉まで赴く。さすがに、年の瀬ということもあり、非常に映画館も空いていて、今一番子供たちの間で流行っている世界観で1年を〆ることになる。

 年末があまりに慌ただしかったため、毎年恒例の、「勝手に音楽ベスト2021」と「勝手に映画ベスト2021」は、書けませんでした。年明けに、後追いでUPします!

 2021年も、ありがとうございました。

 みなさん、よいお年を。新年は6日からスタートします。(TM)

2021/12/30

Look Back 2021 その2

【※遅ればせながら振り返りUPします。しばらくしたら2021年に移動します。】

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2021。今日は音楽編。今年もあまり新譜を手に入れることが少なく、もっぱら中古アナログレコードをボツボツとゲットしていたという次第。しかも新型ウィルスの影響でレコード屋も一時閉店していたので、その辺りも困ってしまった。ので、こちらもセレクトするのにかなり困った。

ということだが、2021年のマイ・ベストを選んでみる。

順番はこんな感じ。

 1位:『Van Weezer/ Weezer

 2位:『When You See Yourself/ Kings Of Leon

3位:『Seeking New Gods/Gruff Rhys

4位:『Sweep It Into Space/ Dinosaur Jr.

 5位:『Saturday Night,Sunday Morning/ Jake Bugg

 別枠:『’Til We Meet Again/Norah Jones

 今年はウィーザーは何と2作もリリースしたのだが(後、『OK Human』)、どちらかと言えば、オマケの方の盤。何せタイトルからして、ヴァン・ヘイレンをモチーフにしていて、中身も何となくパロディー感満載。だが、これが、いいのである。ヴァン・ヘイレンへの愛に溢れたギター・ロックが‘ささる’。この新型ウィルスの時代に元気をくれる名盤だ。

 2位はキングス・オブ・レオンの新作。あまりセールス的には振るわなかったようだが、LP2枚組の超力作。ポップさと骨太さを併せ持つ楽曲群は聴く者の苦悩を洗い流す、今年を代表するロック・アルバムといえるだろう。

 3位と4位はほぼ同列なのだが、90年代のグランジ・オルタナ時代のアーティストの健在ぶりが嬉しい限り。スーパー・ファーリー・アニマルズのフロントマン、グリフ・リースの新作は、ゆるやかなサイケ・ポップの不思議な魅力のある盤。北朝鮮の国境にある白頭山のビジュアルを描いたアルバム・ジャケットは秀逸。ダイナソーJr.の新作も素晴らしい。カート・ヴァイルが共同プロデューサーで参加しており、新しいエネルギーを注入しながら変わらない音楽がうまれている。

 5位はジェイク・バグの新作に。多彩なポップ・チューン満載の良盤。ダンス・チューンまで網羅しながら、新たな音作りをしている。A1曲目「All I Need」が最高である。

 後、オリジナル新譜ではないが、今年一番聴いていたのは、ノラ・ジョーンズのライブ盤(LP2枚組)。特に白眉は、D面最後のサウンド・ガーデンのカヴァー「ブラック・ホール・サン」。ノラ・ジョーンズとサウンド・ガーデンというこの取り合わせの妙、演奏も最高だ。

 いわゆるロック(ギター・ロック、といってもいいだろう)が流行らなくなって久しい。という訳でロック好きとしては肩身が狭くなってきているが、2021年はいいロック・アルバムがたくさん聴けた気がする。

 そんなこんなで2021年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2022年はどんな音楽に出会えるでしょうか!(TM)

2021/12/29

Look Back 2021 その1

【※遅ればせながら振り返りUPします。しばらくしたら2021年の欄に移動します。】

 2021年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2021を振り返り。

 で、今日は映画編。

 映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。なので、今年も新型ウィルスの影響で、本当に困った。いや、なので、今年のベストを選ぶのにも本当に困った。と、いいながら何やかんやで、今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。

  1位『アメリカン・ユートピア』/スパイク・リー

  2位『1秒先の彼女』/チェン・ユーシュン

  3位『ドライブ・マイ・カー』/濱口竜介

  4位『アナザー・ラウンド』/トマス・ビンターベア

  5位『パーム・スプリングス』/マックス・バーバコウ

    『天国に違いない』/エリア・スレイマン

  『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』/エドガー・ライト

  別枠『ノー・タイム・トゥ・ダイ』/キャリー・ジョージ・フクナガ

  1位は、別枠にしようかとも思ったが、やはり外すわけにはいかない、ということで、『アメリカン・ユートピア』に。このブログでも既に一度書いたが、ただのロック・ライブのドキュメンタリー映画、であり、‘ただもの’ではない映画である。そして、この映画の良さを言葉で表現することが非常に困難である(何故なら、ただのロック・ライブのドキュメンタリーだから)。だが、観る者は感動する。トーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンを知らなくても感動する。ので、ある。素晴らしい。素晴らしすぎる。是非、映画を観てその意味を感じてもらいたい、という映画である。

 2位は台湾映画の『1秒先の彼女』。批評としては、若干、賛否あるように見受けたが、個人的には、今年一番刺さった映画。基本的に時間と記憶をテーマとして映画、とみたが、ファンタジーのシーンの描き方の転換と、台湾の地方を巡る映像が圧巻で、まさに映画館で観るべきある。そして、ラストシーンは本当に、観る者すべてが泣く。いや素晴らしい。

 3位は2位にするかもかなり迷ったが『ドライブ・マイ・カー』。まったく予備知識なく映画館で観たのだが、若干今までの村上春樹原作物をふまえて、少し‘舐めてた’ら、見事に裏切られた。堂々とした作品の構え(そもそも上映時間3時間くらいあってビックリした)、チェーホフやベケットをモチーフにした演劇との連関性、ほとんどのシーンが車の中という舞台設定、等々、どれも骨太で、感嘆するばかり。アカデミー賞候補にも上がりそうな勢いもビックリ。

 4位は『アナザー・ラウンド』。これは個人的な感触では不思議な映画、だった。飲酒をテーマにしたデンマーク映画だが、酒好きな人にとっては、本当に身につまされる映画。観終わった後に、本当にいろいろと考えさせられた。そして、何といっても、それらのモヤモヤ感をすべて包み込むラストシーン。主演のマッツ・ミケルセンのパフォーマンスが洗い流す。

 5位は決め切れずに3作品。

『パーム・スプリングス』は、定番のタイム・ループもの、な訳だが、いろいろな超越的な摩訶不思議なシーンが伏線として散りばめられており(そしてその伏線は見事に回収されないくらいの超越具合)、シンプルなラブ・コメディ(×タイム・ループ)のように一見みえて、実は奥が深(そうに思える。。)い、これまた不思議な映画。

『天国に違いない』は、さらに不思議感満載。数国の合作映画だが、パレスチナ人の監督が主演を兼ねているので、パレスチナ作の映画といって差し支えなく、そして、そこが映画の主要テーマともなっている。非常にオフビートな全体のテイストに差し込まれる、ユーモアと風刺の効いた美しい映像が秀逸である。

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』は我らがエドガー・ライト最新作。いよいよ巨匠の仲間入りか、と思えてくるほど、映画のつくりが骨太だ。オタクの星、エドガー・ライトが遠い存在になっていくように感じさせ、一抹の寂しさも。とは言え何といっても60年代を再現した映像&音楽の洪水は、映画館で観るべき映画。

 後は、007『ノー・タイム・トゥ・ダイ』がやっと上映されたのは、嬉しい限り。

 という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。

 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2021/12/27

武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾート

 武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートが、大きな建築関係の現地審査があり、年末かなりあわただしく過ぎていく。審査員の方々のコメントや質問をいただきながら、施設の位置づけを改めて再認識しているところである。

自分の個人的なはなしに多分になるが、このプロジェクトを10年以上携わってきて(今振り返ると、本当に長い期間だった)、建築家の職能が、ただ建物を設計して監理する、という行為だけではないということを実感している。施設の基本構想段階では、市民参加による策定においてコンサルティング・ファシリテーターの役割を果たし、基本計画策定においては、基本設計レベルの建築計画をおこない、事業者選定の際にはテクニカル・アドバイザーの役割、クリーンセンターの設計ではデザイン設計監修の役割、エコreゾートの設計では実施設計レベルの建築図を作成し、実施設計事務所と共に設計を進め、両施設の施工時は毎週定例会議に出席し施工図を工期にすべてに渡り確認。また施設運営に関しては、市民サービスの一環で施設管理者とともに、大学の研究室でさまざまな什器等のデザイン、というような様々な役割を実践した経緯がある。建物の設計だけではなく、事業のスキーム全体に建築家の役割が発揮されうる、一つの事例ではないかと思う。

建築の作品審査ということになると、作品性ということが議論になるが、その点で、武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、自分が設計に携わっていながら言うのも何なのだが、かなり不思議な施設である。これまでの建築は、建築造形や建築計画の斬新さ、構造デザインの技術性、環境(設備)的な技術の表現、素材の新しさ、施設や建築家自体の著名性、といったところが評価の観点となっていると思うのだが、武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、そこがポイントではない、と感じている。

ゴミ清掃工場という建築の機能(&それと一体に付随するプラント説部の系統やヴォリューム感)があまりに特殊であるクリーンセンター、そして既存のゴミ清掃工場の部分的保存・コンバージョンによる施設再生(これもまた同じく、残る建築の存在感が大きすぎる)という建築行為の特殊性を孕むエコreゾート(環境啓発施設=市民交流再生工場)。そして、背景にある市民参加による全市民的な想い。それらすべてが、一建築家がすべてを掌握してコントロールし、ある意味作品性を発揮することが正しい建築への処方箋とは思えないのである。

基本的なスタンスとしては、物理的・ソフト的な諸条件(この場合、建築の機能や物理的な構成やヴォリュームを含む)は、あるものとして受け止め、それに寄り添いながら、丁寧に設計行為をおこなっていくことを心掛けた。一般的には明確なコンセプトがあり、新しい技術も駆使した、作品として凝りに凝った建築が評価される傾向が多い(それが悪いという訳では決してない)が、この武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、ある意味手数をかけずに、プラットフォームのような場(場所)をつくることを目指している。そうすることで、この場に物理的なものばかりではない関係性をつくることが展開できるのではないかと考えている。その点が、他の建築ではあまり見られない、ある意味オルタナティブを提示できているのではないか、と僭越ながら思っている。今回の施設が、工場と旧工場のコンバージョンだったということもあり、普通に設計を進めていけば静体してしまいがちな建築空間に動きを与えていきたい、という風に考え、「道のような建築」になるように、「ミチ」と「た(溜)まり」の場を、うみだしていくことを念頭においた。クリーンセンター・エコreゾートの両施設及びそのれを結ぶ広場や建物まわりの外構も含め、さまざまなかたちで人々が集い、歩き、動き、佇み、交流する場をつくっている。個人的に設計の際に常々心掛けている、「ゆるやかな不統一の連続」ということに結果的に繋がっている、と感じている。

そして、そもそも、ここは、ごみ清掃工場なのである。開かれた、ごみ清掃工場。来館いただいた人々には、ごみが処理されていく流れを眺めながら、ここにしかない場を感じ、環境や身の回りのさまざまな事柄に思いを巡らせて(、そして、できれば何か自身の活動に展開できるきっかけづくりの場になって)もらえれば、と考えている。(TM

2021/12/06

The Drop @荻窪

 いろいろなことが重なり猛烈に慌ただしくなり、なかなかブログが更新できず。あっという間に12月に入り、年末が迫ってきている。この間に、日本シリーズは終わってしまい、残念ながら我がバッファローズは優勝ならず。でも近年稀に見る熱戦の連続で、まあ、致し方ないという感じ。日本一は、来年の楽しみにとっておくとする、と自分を納得させる。

 そしてこの短期間に大学の研究室のプロジェクトで、4つの作品展示が進行。これも慌ただしくなった大きな要因だが、ようやくラスト1つを残すのみとなった。現在、荻窪で開催されている、「アートゲイト荻窪2021」に、『The Drop』という作品を出展中。荻窪駅北側の教会通り商店街の街灯に、丸みを帯びた不整形なアクリル板のモビールのインスタレーションを展示しています。荻窪方面にお越しの際は是非ご覧ください。(TM)