2017/12/31

Look Back 2017 ゆく年来る年

さて今年も関西に帰っての大晦日、元旦を迎える。
まったく個人的なマイニュース2017を最後に振り返ってみる。
今年もいろいろ盛りだくさんな1年だった。みなさん、ありがとうございました。
マイ・ニュース、ベスト3をあげるとこんな感じ。

 1.長女、自転車のコマが外れる。長男、泳ぎ始める。
 2.武蔵野クリーンセンター、グッドデザイン賞受賞 
 3.トロールの森2017に大学研究室で出展 

以上です。
みなさん、よいお年を。新年は9日からスタートします。(TM)

2017/12/30

Look Back 2017 その2

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2017。今日は音楽編。今年も音楽メディアの購入は例年に比べて比較的少なめ。理由は昨年同様はっきりしていて、アナログレコードの置場が家になくなってきて、なかなかドッチャリと購入できなくなってきた、という物理的な課題があるのです。
という訳ですが、今年は数えてみると61枚のレコード&CDを購入。相変わらずアナログレコードとCDを並行して購入している。世間的にはCDの売り上げが壊滅的なのに加速度がついており、ますます「どうなっていくのやら」という感じ。個人的な感想だが、今年はロック・アルバムでいいのがなかった(そうでもないかな?。。。)。そこで、ジャズ系も含めて、ということで。
さて、2017年のマイ・ベストを選んでみる。
順番はこんな感じ。
 1位:『Colors/ Beck
 2位:『Carry Fire/Robert Plant
 3位:『The Passion Of Charlie Parker/Larry Klein(プロデュース)
 4位:『Vu ja De/細野晴臣
 5位:『ニマイメ』/Scott&Rivers
 別枠:『Baby Driver/O.S.T

 今年は、もう圧倒的にベックの新譜が最高だった。前作がグラミーのベスト・アルバム賞受賞作で、非常に内省的で繊細な作品だったが、今作はそれとはある意味正反対の、まさにポップ曲群の玉手箱。王道のポップスターがいなくなってきた昨今、ベックがついにこの境地に辿り着きつつある、と思わせる大傑作。2位はロバート・プラントに。2000年以降のソロ作品は、どれも外れ無の名作で、本作も素晴らしい。若いころは、ツェッペリンはジミー・ペイジのバンド、というイメージだったが、改めてロバート・プラントの偉大さを感じさせる。でもあまり評価されていないような。。。。3位からはロックではなくなってしまうのが、今年の寂しいところ。まあ、でも、良しとしよう。本作は、チャーリー・パーカーもののコンピレーションだが、ラリー・クラインの編曲の元、マデリン・ペルーやグレゴリー・ポーターなどの錚々たるヴォーカリストが参加していて聞きごたえ満点。楽曲を新たに構成しなおしてて、アルバム全体でひとつのコンセプトをつくっているので、こうなったらもうオリジナルと捉えてもいいのではないか、と思ってしまう程の良作。4期は細野さんのニュー・アルバム。カバーとオリジナルの2枚組構成になっているが、まさに細野節全開!で素晴らしい。CD自体のつくりこみも非常にアナログな感触がして、これもまた素晴らしい。5位に再び、ロックアルバムをあげた。これも企画モノだが、ウィーザーのフロントますのリヴァース・クオモとスコット・マーフィーによる、日本ポップスの再構築(しかも、歌詞も日本語)作品。ウィーザーの新作を入れずに、こちらを入れさせていただく。
 ここには挙げなかったが、コートニー・バーネット&カート・ヴァイルのコラボアルバム、ランディ・ニューマンの新譜(何と日本盤発売なし。やれやれ。。)、スティーヴ・ウィンウッドのライブ盤(ワオ!でも、こちらも日本盤発売なし(泣))も、傑作だったということにも敬意を表したい。それと、忘れてはならないのが、『ベイビー・ドライバー』のサントラ。映画の中の全ての楽曲を収録した、100分超、2枚組は一家に一枚、という感じ。
 さて、そんなこんなで2017年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2018年はどんな音楽に出会えるでしょうか!(TM)

2017/12/29

Look Back 2017 その1

 2017年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2017を振り返り
で、今日は映画編。
映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。若いころ(学生時代)は本当にやることがなかったので、映画館に入り浸っていましたが、さすがにもうそんなに行く時間はなくなってしまっている。そんな中で厳選して観ているような感じと、いいながら何やかんやでおおよそ25本鑑賞した次第。今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。
 別枠『T2 トレインスポッティング2』/ダニー・ボイル
 1位『ギミ―・デンジャー』/ジム・ジャームッシュ
 2位『ありがとうトニ・エルドマン』/マーレン・アーデ
 3位『お嬢さん』/パク・チャヌク
 4位『夜は短し歩けよ乙女』/湯浅政明
 5位『ザ・コンサルタント』/ギャヴィン・オコナー
   『ナイス・ガイズ』/シェーン・ブラック
   『ベイビー・ドライバー』/エドガー・ライト
 今年も、いきなり、別枠ですみません(!)。しかもベスト5と言いながら8作品を選出。。。『T2』は作品の出来はさておいて(って身も蓋もありませんが。。)、これは、あまりに特別なため別枠シードとさせていただいた(詳細は、本ブログの2017/4/27をご覧ください)。
 さて、『T2』を外して、何と、『ギミ―・デンジャー』を1位にした。ドキュメンタリーを同列に入れていいのか?、ということもあるが、これも非常に個人的な感想での1位。はっきり言って誰も泣くような映画ではない(と思う)が、映画後半から号泣してしまったのは個人的には忘れがたい(その勢いで今年の設計演習の課題を決定してしまったのは、本ブログ2017/10/18を参照ください)。ここでジム・ジャームッシュを入れてしまったので、個人ランクでは3位に入れたいところの『パターソン』を選ばないことに。でも、とにかくジャームッシュの2作品は非常に良かった。
 2位は『ありがとうトニ・エルドマン』。『ギミ―・デンジャー』はドキュメンタリーだったので純粋なフィクションの映画で言うとこれが今年の1位。ドイツ映画だが、作品のストラクチャー、俳優の演技とも申し分ない傑作。脚本上の超意外なアクセントやユーモアのセンスも抜群。劇中のホイットニー・ヒューストンの楽曲が使われているシーンなど涙無くしては見れない。
 3位は韓国映画『お嬢さん』。今年はカッ飛んだ韓国映画(『コクソン』、『アシュラ』とともに)が素晴らしかった。前半3分の2までは断トツの傑作と感じた。ラストの第3幕は、個人的には若干煮え切らないが、それでもすごい作品だ。
 『夜は短し歩けよ乙女』も、はっきり言って個人的な好みにつきてしまうかも、だが、とてつもない「しょーもなさ」(褒めてるつもり)の嵐とともに、湯浅政明と森見登美彦(原作)のハイブリッド感ビンビンの愛すべき作品。
 5位は、素晴らしきB級(これも、褒めてるつもり!)映画群。小粒(でもないか、中粒(?)くらい!)の良質な映画を出会えた時の多幸感は、まさに止められない!
という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。
 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2017/12/20

設計演習講評会2017ラスト

 武蔵野大学3年生、設計演習最終課題の講評会。武蔵野大学は4年生に設計演習の授業がないので、これが授業としてはラストの設計課題となり、後は卒業設計を残すのみとなる。
 3年生後期は僕も含めて5名の建築家によるスタジオ制(各建築家により異なる課題を出して、少人数のスタジオのようなかたちでおこなわれる設計演習)での設計演習のかたちをとっており、他のスタジオの課題が見られるのはこの講評会だけなので、教員としても楽しみである。個人的には年末のバタバタで体力は限界ながら、何とか気合で講評会に臨んだ次第である。
 水谷スタジオの2017年度課題は(例年とそれ程変化なく)『武蔵野市現代美術館』。敷地はかつてバウスシアターが存在していたサイト。丁度、現在、その地に新しい商業施設が建ったばかりなので、ある意味タイムリーといえばタイムリーな課題。
 水谷スタジオは4名が発表。
・箱形の小さなギャラリーとミニシアターが屋根やヴォリューム相互につながる美術館
・有機的に地下から盛り上がる展示室と、回遊する動線が特徴的な美術館
・地下一面に水をさまざまなかたちで取り入れ、静謐な環境を楽しむ美術館。
・街の商店街を形態をそのままサイトに引き込み、建築の裏側に主機能を設置した美術館と、いう具合にそれぞれに魅力的な提案を完成させた。学生のみんなは本当にお疲れさまでした。
 講評会は13時過ぎから始まり、先生方の非常な熱心な指導及び講評があり、20時くらいに終了。長丁場になるので、さすがにこっちも身も心もしびれてくる。終了後、毎年恒例の懇親会へ。そこでは、一様に課題から解放されて、充実感と虚脱感を漂わせている学生たちの様子をみて、こちらもそこはかとなく静かに充実した達成感を感じることになる。
 例年そうだが、これが僕にとっての年内最後の学内のメインイベント。後は、新4年生の研究室配属の面接を残すのみ。さていよいよ年末に突入するのであります。満身創痍(とは、ちと言いすぎか?!)になりながら、じっくりいきますよ(笑)。(TM)

2017/12/14

畠山記念館

 港区白金台にある畠山記念館を偶然ご案内いただいて見学。あまり古美術などを鑑賞する機会がないので新鮮だ。まちの真ん中、木々が生い茂る環境に施設は立地しており、まさに別世界が形成されている。『近代数寄者の交遊録』展が丁度開催中で、学芸員さんに最初に解説していただき、展示を堪能する。展示室内に茶室が設けられており、そこでお茶をいただくこともでき、さらに別世界観に拍車がかかる。たまには時間の流れが違う環境に身を置くのも良いものだと、改めて実感。
 敷地の隣は、三島由紀夫の『宴のあと』に登場する料亭のモデルになった、「般若苑」があった所らしい(現在はまったくその痕跡は感じられなく、まさに白亜の大豪邸が建っている)。文字通り、時代の気配を感じるのでありました。(TM)