2018/12/31

Look Back 2018 ゆく年来る年

さて今年も関西に帰っての大晦日、元旦を迎える。
まったく個人的なマイニュース2018を最後に振り返ってみる。
今年もいろいろ盛りだくさんな1年だった。みなさん、ありがとうございました。
マイ・ニュース、ベスト3をあげるとこんな感じ。

1.長女練馬区美術館で絵が展示される、長男自転車に乗り出す
2.事務所スタッフとして新たにトモが入る
3.拙著『建築家の自邸に学ぶ設計製図』(発行:彰国社)が無事出版

以上です。
みなさん、よいお年を。新年は7日からスタートします。(TM)

2018/12/30

Look Back 2018 その2

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2018。今日は音楽編。今年も音楽メディアの購入は例年に比べて比較的少なめ。理由は昨年同様はっきりしていて、アナログレコードの置場が家になくなってきて、なかなかドッチャリと購入できなくなってきた、という物理的な課題があるのです。相変わらずアナログレコードとCDを並行して購入しているが、世間はもうデータ配信が主流になっており、いい音楽をデータでないと聴けなくなってきている気がして(そうでもないかな?。。。)いるが、まあそこの所はどうしようもない。

 ということで。、2018年のマイ・ベストを選んでみる。
順番はこんな感じ。
 1位:『Boarding House Reach/ Jack White
 2位:『The Music In My Head/ Michael Franks
 3位:『Negro Swan/ Blood Orange
 4位:『Be The Cowboy/ Mitski
 5位:『Lamp It Prose/ Dirty Projectors

 今年は、もう圧倒的にジャック・ホワイトの新譜が最高だった。このブログの2018/4/12でも書いたが、ある意味クレイジーなベクトルに振り切れながら、古典的(いい意味での)でミニマルなロックに根差した大傑作となっている。王道のロックスターがいなくなってきた昨今、ジャック・ホワイトがついにこの境地に辿り着きつつある、と思わせる大傑作。2位は何とマイケル・フランクスに!まだ、新譜を出すのか?!という感じだが、これが凄い。何が凄いかというと、まったく変わらないという凄みが半端ない。一時、このアルバムばっかり聴いていた。3位はブラッド・オレンジに。ブラック・ミュージックの現在形を力強く美しく繊細に表現した力作だと思う。ジャケットも秀逸。4位はミツキの新作に。さまざまな媒体で今年ベストに挙げられている話題作だが、前作と比べても一段階進化したような気がする。今後の行く末がおそろしい(いい意味で言ってます。もちろん。)。5位にはいろいろ迷ったが、ダーティ・プロジェクターズに。音オタク的なつくりだと思うが、メロディーの美しさやポップさは、普遍的なものがあり素晴らしい佳作。
 ここには挙げなかったが、コロンビアレコードの女性ヴォーカルもののコンピレーション(『コロンビア・グルーヴィー・ソングバーズ』監修:長門芳郎)が素晴らしくて、最近ずっと聴いている。後、ホセ・ジェームスのビル・ウィザースのトリビュート盤(その名もずばり『リーン・オン・ミー』)もヘビー・ローテンション中。後、The1975の新譜『ネット上の人間関係についての簡単な調査』(相変わらずタイトルが特徴的)もカッコいい(チープは表現ですみません!)。、という感じ。
 さて、そんなこんなで2018年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2019年はどんな音楽に出会えるでしょうか!(TM)

2018/12/29

Look Back 2018 その1

 2018年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2018を振り返り。
 で、今日は映画編。
 映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。若いころ(学生時代)は本当にやることがなかったので、映画館に入り浸っていましたが、さすがにもうそんなに行く時間はなくなってしまっている。そんな中で厳選して観ているような感じと、いいながら何やかんやでおおよそ25本鑑賞した次第。今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。
 1位『ワンダーストラック』/トッド・ヘインズ
 2位『ビューティフル・デイ』/リン・ランジー
 3位『ザ・アウトロー』/クリスチャン・グーデガスト
 4位『デッドプール2』/デヴィッド・リーチ
 5位『スリー・ビルボード』/マーティン・マクドナー
    『30年後の同窓会』/リチャード・リンクレイター
 1位は『ワンダーストラック』にした。それ程話題にならなかったような気がするし、トッド・ヘインズのコアなファンはあまり好きじゃない作品かもしれないが、映画全体のルックが非常に建築的(空間的)であり、途中で観ていて恍惚としてしまう程だった。色彩や音声などのズレが融合していく様はまさに映画然とした超力作だと思う。
 2位は『ビューティフル・デイ』。現代版『タクシー・ドライバー』という感じだが、ヒリヒリとする感覚の中に、絶妙なユーモア感がちりばめられた良作。何といってもホアキン・フェニックスの存在感とジョニー・グリーンウッドの音楽がいい。
 3位は『ザ・アウトロー』。正直あまり期待せずに(ほとんど全く話題にのぼらなかったし)B級アクション映画という枠組みで観てみたら、これが予想を覆しすごかった。アクション&クライム・サスペンスのリアリティの表現ということと、クライマックスの映画是全体の転換(これは賛否両極論あると思うが、僕は好き)の演出はすごい作品だ。
 4位はご存知『デッドプール2』。個人的には1作目に続きツボに入っているのでしょうがない。まさにライアン・レイノルズの涙無くしては観れない自伝映画(?)になっている。劇中のa-ha『テイク・オン・ミー』が流れるシーンで不覚ながら号泣。いや、a-haで泣かされるとは!
 5位『スリー・ビルボード』は非のうちどころがない文句なしの秀作。あえて言えば、非の打ち所がないところが、玉に瑕か(!)。『30年後の同窓会』も良かった。地味なせいか、リチャード・リンクレイター作品なのに東京上映がわずか数館なのは寂しかったが、俳優陣を含め映画のクオリティは素晴らしかった。
 この他、『ファントム・スレッド』(ポール・トーマス・アンダーソン)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(ギレルモ・デルトロ)(アカデミー作品賞)、話題沸騰の『カメラを止めるな』、など選外にしたが、見応え充分だった。。
 という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。
 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2018/12/19

設計演習講評会2018ラスト

  武蔵野大学3年生、設計演習最終課題の講評会。武蔵野大学は4年生に設計演習の授業がないので、これが授業としてはラストの設計課題となり、後は卒業設計を残すのみとなる。
 3年生後期は僕も含めて5名の建築家によるスタジオ制(各建築家により異なる課題を出して、少人数のスタジオのようなかたちでおこなわれる設計演習)での設計演習のかたちをとっており、他のスタジオの課題が見られるのはこの講評会だけなので、教員としても楽しみである。個人的には年末のバタバタで体力は限界ながら、何とか気合で講評会に臨んだ次第である。
 水谷スタジオの2018年度課題は(例年とそれ程変化なく)『武蔵野市現代美術館』。敷地はかつてバウスシアターが存在していたサイト。丁度今週アップリンクの吉祥寺がオープンするので、ある意味タイムリーといえばタイムリーな課題。
 水谷スタジオは4名が発表。
  ・地形をつくり、その形状に合わせながらアーティスト工房自体を展示する美術館
  ・近隣の商業施設を読み解き、施設全体をカフェでつなぐ美術館
  ・映像展示の場(暗)と周辺そのものを鑑賞する場(明)で形成される環境体感美術館。
  ・展示機能と宿泊機能が運営時間により可変しながら連続していく美術館
と、いう具合にそれぞれに魅力的な提案を完成させた。学生のみんなは本当にお疲れさまでした。
 講評会は13時過ぎから始まり、先生方の非常な熱心な指導及び講評があり、20時くらいに終了。長丁場になるので、さすがにこっちも身も心もしびれてくる。終了後、毎年恒例の懇親会へ。そこでは、一様に課題から解放されて、充実感と虚脱感を漂わせている学生たちの様子をみて、こちらもそこはかとなく静かに充実した達成感を感じることになる。
 例年そうだが、これが僕にとっての年内ほぼほぼ最後の学内のメインイベント。後は、新4年生の研究室配属の面接を残すのみ。さていよいよ年末に突入するのであります。満身創痍(とは、ちと言いすぎか?!)になりながら、じっくりいきますよ(笑)。(TM)

2018/12/17

発電所美術館

 所用で富山方面に出向き、ちょっと(大きく?)回り道をして、下山芸術の森発電所美術館へ赴く。「アーツ前橋」がリノベーション関連でいろいろな雑誌等で紹介される際、この施設が別ページで紹介されているのを何度か見かけたので非常に気になっていた、ということと、現在携わっているある規模のリノベーション・プロジェクトの参考事例として見ておきたい、と考えていた次第である。それにしても、予想通り、遠かった。最寄りの鉄道の入善駅から公共交通機関がほとんどないので、時間設定に非常に気を使わざるをえない。
 さて、この美術館はその館名の表す通り、元々発電所だった場所を美術館としてコンバージョンした、という非常に特殊な施設である。館では今は『木藤純子-ふゆにさくはな』展を開催中。展示場所の特性にあわせて作品をつくる、という作家の特徴にまさに適合した建築と展示作品の関係性ができあがっているといえるだろう。また、作品サイドからみると、作品の時間による変化のプロセスを表現に盛り込んでいる点や、ささやかで抑制がとれた作家の作風、ということも建築と一体となって表現できている、と感じた。それが、この地理的な特性も相まって空間全体の特別性をうみだしている。個人的には、建築のリノベーションの手法は、非常に参考になった。
 富山の市内では、富山県美術館も観る。丁度、『三沢厚彦』展を盛大に開催していて、発電所美術館とのいい意味でのギャップを堪能する。現代アートで、寒さも厳しくなってきた富山を堪能するのでありました。(TM)