2022/03/30

たまらなくAOR

 いよいよプロ野球が開幕。我がバッファローズは開幕戦をエース山本で勝ち、ついに12年ぶりに開幕戦敗戦の負のスパイラルから脱することができた!と、喜んだのもつかの間、開幕3連戦は、結局その1勝のみで終わり、特に第3戦は6点差をひっくり返される、という、ある意味例年通りの感じを垣間見せている。いや、でも、まあ仕方ない。弱小チーム応援者の性なのである。

 そして年度末ということで、個人的には哀しいニュースが。作家の田中康夫氏がDJをつとめる、ラジオ番組『たまらなくAOR』(84.7エフエム横浜)が、本日をもって6年半くらいの歴史の幕を下ろした。いいラジオ番組がなくなるのは、本当に、いつの時代も寂しさを感じずにはいられない。田中康夫原著の『なんとなくクリスタル』を映画化した、サントラ盤のLPを引っ張りだしてきて、聴いてみる。スティーブ・ギブ「Tell Me That You Love Me」、デヴィッド・ポメランツ「オールド・ソング」、ジム・メッシーナ「Seeing You」、などなど、しみる楽曲群。そして3月が終わり、季節が変わる。(TM

2022/03/24

戦争をやめさせるための音楽

 大変遅ればせながら、しかも若干数日前の話になるが、作家の村上春樹が不定期にTOKYO FMでおこなっているラジオ番組「村上RADIO」をradikoのタイムフリーで聴く。実は、コロナワクチン3回目接種の副反応で横になっていたのだが、真夜中(おそらく3時くらい)に急に目が覚めてしまい、そして逆に眠れなくなってしまい、radikoで聴いた次第。特別放送の回(2022/3/18放送)で、テーマは「戦争をやめさせる音楽」というもの。もちろん、今回のウクライナ侵攻の戦争を射程に入れている。

 そして、これが神回だった。

 今回の放送では、各曲に村上春樹が訳詞をのせてプレイしていくというスタイル。真夜中に聴くと特に感動するのである。いや、元気をもらった気がする。

 番組内でかかった曲のセットリストの中で自宅にあった、ドアーズの3rdアルバムを改めて聴きなおす。「The Unknown Soldier」。うむ。いろいろと考えながら前に進みましょう。(TM

2022/03/20

卒業と、雑感と

 一昨日の話になってしまったが、武蔵野大学の水谷研16期生のゼミ生7名全員が卒業。前日の夜にかなり大きな地震で揺れたので、一瞬どうなるか?と思ったが、無事に卒業式は開催の運びに。

 新型コロナの影響で卒業式は小規模に小分けに開催(&謝恩会は昨年に引き続き中止)になったが、学位記を取りに来た卒業生たちが研究室に集まってくる。そうしたら、ゼミ生からサプライズで、本当に素敵なプレゼントをいただく。これで1年の疲れも吹っ飛びますね。ありがとうございます。学生諸君は改めて、おめでとう。

 コロナに戦争に地震に、もう本当に大変な時代を象徴しているのだと思う。4月からの新しい世界での活躍を期待したい。今年の水谷研のキャッチフレーズ(毎年勝手に小生が定めている次第。。。)は、DCPRGの解散時に菊地成孔が放ったメッセージをモチーフにしている。この言葉も、戦争が実際に起こると、非常に別の大きな意味を持ってくる、と感じてしまう。それでは、卒業生へのはなむけに。

 「この 4年間で、解放されたかね? それとも拘束されたかね?

  人生は短い

  ワイルド・サイドを歩け!」 (TM



2022/03/15

(最初で)最後のゼミ

 年度末ということもありさまざまな事柄がまとめに入っている。4年生は卒業間近になってきた。例年、この時期さまざまなイベントがおこなわれる訳だが、昨年度に引き続き、新型ウィルスの影響で、色々なことがままならない。が、工夫を凝らして何かできないか、ということで、卒業生歓送&新ゼミ生歓迎&研究室引継という意味合いを持たせながら、学生が主体となって青空ゼミを開催。

 場所は井の頭公園。ゼミとはいっても、先輩後輩の交流的な感じの会である。新M2、卒業生、新4年ゼミ生で参加できる人が集まり、1グループあたり4名以下のユニットにして、公園内の空いているスペースに分かれて、15分ごとにメンバーをシャッフルしながら移動していくという工夫を凝らしてみる。

 幸い、ものすごくいい天気に恵まれて、いいかたちで無事に開催できた、と思う。さすがに知らない顔はいないと思うが、話したことない学生同士の関係もあり、新4年生は、まさに現在進行中の就職活動の話などができていた模様。このかたちで集まれる(最初で)最後のチャンスということもあり、最後に息をとめて、記念撮影でパシャリ。

 さて、それぞれの学生たちの次年度の活躍(卒業生は社会人ですね)を期待する限りである。(TM)

2022/03/09

新しい時代への歌

 歳をとってくると涙腺が弱くなってくる、とよく言われている。映画や野球の試合(だいたい贔屓の選手の引退に絡んでいる)を観ていて、「最近よく泣くようになったなぁ。。。」、と感じていたのだが、小説を読んで本当に久しぶりに泣いた。

 『新しい時代への詩』(竹書房)。やはり著者のサラ・ピンスカーの素晴らしい仕事、ということになると思うが、海外小説なので、勝手ながら翻訳者の村山美雪氏にも感謝したい。音楽を扱いながら、その実近未来SF的な、少し変わった小説である。600ページくらいのヴォリュームのちょっとした大作なので(実際、読み切るのにかなり時間を要した)、なかなか読みづらいと思うが、まさに今現在の状況から展開されうる近い将来像(簡単にいうと、新型ウィルス、と、ヴァーチャルなネット社会、と、全体主義の閉塞した社会、かつ、その環境に慣れ切ってしまった近未来の人類)を的確に表現しながら(ちょっと話がずれるが、本作はまさにコロナ後の世界描写をしている感じを受けるが、出版はコロナ前だった、ということもあり、出版当初は予言の書として静かなブームが起こっていた模様)、その社会を、生の音楽で打ち破ろうとしていく人々の姿が、感動的なのである。

 個人的には500ページあたりで、「I Fought The Law」(のカヴァーの演奏)が流れてくるシーンで最高潮に泣いた。

 独裁的な指導者によって戦争がはじまっている今現在に、まさに読むべき作品。そして、元気を分かち合える作品だと思う。Let’s Rock Again. (TM)

2022/03/01

生の軌跡

 本当に、意味が分からなことに出会い、呆然とすることがあるが、ウクライナでの戦争は、心持を暗鬱とさせる。

 ただでさえ、2年くらい新型ウィルスの問題で苦しんでいるのに、何なんだ(怒り)!、というのが、世界中の大多数の人々の気持ではないかと思う。これは、あってはならないことである。そして、みなの気もちを、ますます暗くさせていく。

 アーツ前橋の『生の軌跡』展を観に行くことになり、研究の一環ということもあり、数名の学生が同行する。展示をながめながら、いろいろなことに想いを巡らしてみる。

 若い学生たちもいろいろと考えて欲しいと思う。もちろん、僕たちがいろいろと考えたところで、どうなるものでもない、のだが、やはり考えないといけないと思う。(TM)