2022/11/30

時を遡る感覚@熊本

 先月も同じようなことを言っていたのだが、11月に入って、ブログを更新しまくるつもりでいたのが、まったく進まず、最早12月へと突入しようとしている、やれやれ。

 ということで、若干時間をさかのぼり、10月の話になるのだが、所用で熊本へ。

 熊本では、いろいろな建築に触れる機会を得たのだが、久しぶりの出会いも。何と、大学受験浪人時代(予備校時代)の友人、オリタ君に再開。何せ浪人時代なので、約35年ぶり()の邂逅ということか。一気に自分の時代を遡る感覚に陥る。オリタ君も研究者として熊本でご活躍中、ということで、近況などをお互いに一気に語り合い、あっと言う間に時が過ぎてゆく。いや素晴らしい。感動の嵐である。

 翌日は、福岡まで足を延ばして、組織事務所時代の同期のイソちゃんと久々に情報交換。というつもりだったが、イソちゃんが気を効かせて福岡在住の後輩陣に声がけしてくれていて、これまた、約20年振りに会える人もいて、ビックリり。いや、こうなると、時間の流れが揺らいでくる。不思議な感覚だ。

 そして、極めつけが、少し足を延ばして、玉名にある玉名天望館(設計:高崎正治氏)へ。この作品には、個人的にさまざまな思い入れがあり、一度は訪れたいと思っていた。学生最後の夏を数週間、鹿児島で過ごした思い出があり、その体験にリンクしてくる。それも、30年程前の話だ。施設に着いたら誰もいなく、独りで建築を歩き巡る。そして、その30年前に同じ場にいた、盟友である建築家の佐野修氏に思わずメールを打ってしまう(佐野君とも長い間会ってないなぁ)。この建築に直に触れて、今となっては、良いか悪いか、もう分からない存在になっているのだが、もうこんな建築はできないと思う(あの時代と場所が生んだ奇跡と言っていいだろう)ので、清々しくて何となく泣けてくる。

 そして、すごい昔の記憶をこれだけ連続してフラッシュバックする状況に陥ると、やはりフワフワとした、奇妙な感じが満載である。そんな熊本(と福岡)の日々でした。それにしても、熊本はすごく元気な街で、元気をもらった。前進していきましょう。(TM)

2022/11/07

トロールの森2022

 杉並区の善福寺公園で開催されている屋外アート展『トロールの森2022』に作品を出展しています。

http://www.trollsinthepark.com/

 作品名は「Thrak」。アート展全体のテーマ‘signきざし’ということを、木のインスタレーションで表現してみました。木の小片が入った小箱がいくつも吊り下げられていて、風や人の動きに合わせて、カラカラと音が出る様子を聴きながら、公園の自然が発する‘何かのきざし’を味わっていただければ、うれしい限りです。

 会期は20212/11/3から23日まで開催しています。入場無料ですので、お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。(TM)

2022/11/03

みの~れ祝20周年

 茨城県小美玉市の劇場、「小美玉市四季文化館」が、開館20周年ということで、記念式典にお招きいただき、馳せ参じる。

 組織設計事務所在籍時代に設計を担当したプロジェクトで、自分にとっては原点のような建築作品である。90年代あたりから住民参加型の設計ということが謳われ出し、その枠組みの設計事例としては、客観的にみてもかなり先駆的な試みだったと思う。住民参加型の設計も大変だった訳だが、設計監理者として、単身現地に住民票も移して過ごした2年間程は、何事にも代え難い経験だった。最後には、取組全体を書籍化(『文化がみの~れ物語』(茨城新聞社出版))するプロジェクトにも取り組み、執筆&編集をすることになったり、果ては、劇場のこけら落とし公演も住民参加型でおこなうということが決まり(公演名『田んぼの神様』)、その演劇にも出演する(!)、という無謀な活動までするということになった。とても濃密過ぎるあの頃を思い出してみると、本当に若い頃のパワーって、大事だなぁ、と感じる。

 さて、久しぶりに施設に足を踏み入れた訳だが、久しぶりにお会いする、みなさんの元気な様子を見られて感動する。そして、開館20年経って、丁寧に施設が利用されている様子がよく分かる。館でのプログラムもこの20年で広く深く展開できている様子を聞いていると、こちらも元気が出てくる。

 またこの次の20年での更なる発展を願うばかりである。何はともあれ、おめでとうございます。(TM