2023/11/30

芹沢光治記念館

 静岡の沼津に所用で出かける。中心市街地から少し足を延ばして、海沿いの施設、芹沢光治記念館(設計:菊竹清訓)を見学する。

 設計者の設計作品としては、有名な建築ではないが、非常に小さな建築の良さが凝縮された建築。他に、来館者がいないので、ゆっくりと建築を堪能する。

 モダニズム期のブルータ―リズムの風合いで、鉄筋コンクリートのテクスチャーのラフさが心地よい。建築を登っていく階段がこの建築の中心をなしていて、各階のレベルで、諸室や外部との多様な関係性ができあがっている。設計していて楽しかっただろうな(と勝手に妄想)、と思わせるような空間になっている。

 こういう建築に触れると、なぜか何となく得した気分になる。そして元気になるので、ありました。 (TM)

2023/11/11

学問の地平から

 武蔵野大学の広報の一環で、教員の専門分野を紹介するページ「学問の地平から」というコーナーがあり、順番が回ってきました。現在、大学HPにUPされました。

研究者紹介 - 学問の地平から - | 武蔵野大学[MUSASHINO UNIVERSITY (musashino-u.ac.jp)

お時間ある時にでも、ご笑覧ください。(TM)

2023/11/04

トロールの森2023

杉並区の善福寺公園で開催されている屋外アート展『トロールの森2023』に作品を出展しています。

野外×アート トロールの森 (trollsinthepark.com)

作品名は「Moby Grape」。

アート展の総合インフォメーションを設計・制作しました。例年のインスタレーションの枠を超えて、今年は、いよいよ、建築作新をつくりました。インフォメーションの内部では、自由に絵を描けるコーナーもありますので(極小空間ですが!)、アート展の雰囲気ともども、場の楽しみを味わっていただければ、うれしい限りです。

会期は20223/11/3から23日まで開催しています。入場無料ですので、お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。 (TM)




2023/11/01

指さす標識の事例

 ずっとバタバタで、本を読む時間が中々なかったのだが、秋に入ってきたので、無理やりにでも時間をつくろうと励んでいる。読みたい本が積読(つんどく)状態で、たくさん待機中な訳だが、ここ1年ほど、ずっと読みあぐねていた本があった。

 イーアン・ペアーズ著『指さす標識の事例』。ジャンルは、推理小説、ということになるのだが、時代背景が1600年代のイギリスで、また文章が微妙な感じで、読み進めづらい感触なのだが、ヴォリュームが約1200ページ(ワオ!)くらいの大作。全体が4編に分かれていて、章毎に語り部が変わるので、どれが本当のことなのかが分からない、という、いわば『藪の中』(芥川龍之介)状態。これを、ずっと読んでは止まり、読んでは止まり、をしていたのだが、一念発起して、一気に読み終える。やれやれ。

 これでやっと、村上春樹の新作に、ものすごく遅ればせながらだが、取り掛かることができた。そして、この新作、まさに『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の世界であることに、静かな衝撃(まだ、序盤なので、この後どういう展開になるのかが楽しみだ)。秋の読書を楽しみたい。合掌。(TM)