2021/12/31

Look Back 2021 ゆく年来る年

 さて、あっという間に、今年も最後になってしまった。なかなか新型ウィルスの影響も微妙な感じで、何やかんやと大変な1年だった。

 大晦日に子供たちと、アニメ『呪術廻戦』の映画を観に大泉まで赴く。さすがに、年の瀬ということもあり、非常に映画館も空いていて、今一番子供たちの間で流行っている世界観で1年を〆ることになる。

 年末があまりに慌ただしかったため、毎年恒例の、「勝手に音楽ベスト2021」と「勝手に映画ベスト2021」は、書けませんでした。年明けに、後追いでUPします!

 2021年も、ありがとうございました。

 みなさん、よいお年を。新年は6日からスタートします。(TM)

2021/12/30

Look Back 2021 その2

【※遅ればせながら振り返りUPします。しばらくしたら2021年に移動します。】

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2021。今日は音楽編。今年もあまり新譜を手に入れることが少なく、もっぱら中古アナログレコードをボツボツとゲットしていたという次第。しかも新型ウィルスの影響でレコード屋も一時閉店していたので、その辺りも困ってしまった。ので、こちらもセレクトするのにかなり困った。

ということだが、2021年のマイ・ベストを選んでみる。

順番はこんな感じ。

 1位:『Van Weezer/ Weezer

 2位:『When You See Yourself/ Kings Of Leon

3位:『Seeking New Gods/Gruff Rhys

4位:『Sweep It Into Space/ Dinosaur Jr.

 5位:『Saturday Night,Sunday Morning/ Jake Bugg

 別枠:『’Til We Meet Again/Norah Jones

 今年はウィーザーは何と2作もリリースしたのだが(後、『OK Human』)、どちらかと言えば、オマケの方の盤。何せタイトルからして、ヴァン・ヘイレンをモチーフにしていて、中身も何となくパロディー感満載。だが、これが、いいのである。ヴァン・ヘイレンへの愛に溢れたギター・ロックが‘ささる’。この新型ウィルスの時代に元気をくれる名盤だ。

 2位はキングス・オブ・レオンの新作。あまりセールス的には振るわなかったようだが、LP2枚組の超力作。ポップさと骨太さを併せ持つ楽曲群は聴く者の苦悩を洗い流す、今年を代表するロック・アルバムといえるだろう。

 3位と4位はほぼ同列なのだが、90年代のグランジ・オルタナ時代のアーティストの健在ぶりが嬉しい限り。スーパー・ファーリー・アニマルズのフロントマン、グリフ・リースの新作は、ゆるやかなサイケ・ポップの不思議な魅力のある盤。北朝鮮の国境にある白頭山のビジュアルを描いたアルバム・ジャケットは秀逸。ダイナソーJr.の新作も素晴らしい。カート・ヴァイルが共同プロデューサーで参加しており、新しいエネルギーを注入しながら変わらない音楽がうまれている。

 5位はジェイク・バグの新作に。多彩なポップ・チューン満載の良盤。ダンス・チューンまで網羅しながら、新たな音作りをしている。A1曲目「All I Need」が最高である。

 後、オリジナル新譜ではないが、今年一番聴いていたのは、ノラ・ジョーンズのライブ盤(LP2枚組)。特に白眉は、D面最後のサウンド・ガーデンのカヴァー「ブラック・ホール・サン」。ノラ・ジョーンズとサウンド・ガーデンというこの取り合わせの妙、演奏も最高だ。

 いわゆるロック(ギター・ロック、といってもいいだろう)が流行らなくなって久しい。という訳でロック好きとしては肩身が狭くなってきているが、2021年はいいロック・アルバムがたくさん聴けた気がする。

 そんなこんなで2021年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2022年はどんな音楽に出会えるでしょうか!(TM)

2021/12/29

Look Back 2021 その1

【※遅ればせながら振り返りUPします。しばらくしたら2021年の欄に移動します。】

 2021年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2021を振り返り。

 で、今日は映画編。

 映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。なので、今年も新型ウィルスの影響で、本当に困った。いや、なので、今年のベストを選ぶのにも本当に困った。と、いいながら何やかんやで、今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。

  1位『アメリカン・ユートピア』/スパイク・リー

  2位『1秒先の彼女』/チェン・ユーシュン

  3位『ドライブ・マイ・カー』/濱口竜介

  4位『アナザー・ラウンド』/トマス・ビンターベア

  5位『パーム・スプリングス』/マックス・バーバコウ

    『天国に違いない』/エリア・スレイマン

  『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』/エドガー・ライト

  別枠『ノー・タイム・トゥ・ダイ』/キャリー・ジョージ・フクナガ

  1位は、別枠にしようかとも思ったが、やはり外すわけにはいかない、ということで、『アメリカン・ユートピア』に。このブログでも既に一度書いたが、ただのロック・ライブのドキュメンタリー映画、であり、‘ただもの’ではない映画である。そして、この映画の良さを言葉で表現することが非常に困難である(何故なら、ただのロック・ライブのドキュメンタリーだから)。だが、観る者は感動する。トーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンを知らなくても感動する。ので、ある。素晴らしい。素晴らしすぎる。是非、映画を観てその意味を感じてもらいたい、という映画である。

 2位は台湾映画の『1秒先の彼女』。批評としては、若干、賛否あるように見受けたが、個人的には、今年一番刺さった映画。基本的に時間と記憶をテーマとして映画、とみたが、ファンタジーのシーンの描き方の転換と、台湾の地方を巡る映像が圧巻で、まさに映画館で観るべきある。そして、ラストシーンは本当に、観る者すべてが泣く。いや素晴らしい。

 3位は2位にするかもかなり迷ったが『ドライブ・マイ・カー』。まったく予備知識なく映画館で観たのだが、若干今までの村上春樹原作物をふまえて、少し‘舐めてた’ら、見事に裏切られた。堂々とした作品の構え(そもそも上映時間3時間くらいあってビックリした)、チェーホフやベケットをモチーフにした演劇との連関性、ほとんどのシーンが車の中という舞台設定、等々、どれも骨太で、感嘆するばかり。アカデミー賞候補にも上がりそうな勢いもビックリ。

 4位は『アナザー・ラウンド』。これは個人的な感触では不思議な映画、だった。飲酒をテーマにしたデンマーク映画だが、酒好きな人にとっては、本当に身につまされる映画。観終わった後に、本当にいろいろと考えさせられた。そして、何といっても、それらのモヤモヤ感をすべて包み込むラストシーン。主演のマッツ・ミケルセンのパフォーマンスが洗い流す。

 5位は決め切れずに3作品。

『パーム・スプリングス』は、定番のタイム・ループもの、な訳だが、いろいろな超越的な摩訶不思議なシーンが伏線として散りばめられており(そしてその伏線は見事に回収されないくらいの超越具合)、シンプルなラブ・コメディ(×タイム・ループ)のように一見みえて、実は奥が深(そうに思える。。)い、これまた不思議な映画。

『天国に違いない』は、さらに不思議感満載。数国の合作映画だが、パレスチナ人の監督が主演を兼ねているので、パレスチナ作の映画といって差し支えなく、そして、そこが映画の主要テーマともなっている。非常にオフビートな全体のテイストに差し込まれる、ユーモアと風刺の効いた美しい映像が秀逸である。

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』は我らがエドガー・ライト最新作。いよいよ巨匠の仲間入りか、と思えてくるほど、映画のつくりが骨太だ。オタクの星、エドガー・ライトが遠い存在になっていくように感じさせ、一抹の寂しさも。とは言え何といっても60年代を再現した映像&音楽の洪水は、映画館で観るべき映画。

 後は、007『ノー・タイム・トゥ・ダイ』がやっと上映されたのは、嬉しい限り。

 という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。

 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2021/12/27

武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾート

 武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートが、大きな建築関係の現地審査があり、年末かなりあわただしく過ぎていく。審査員の方々のコメントや質問をいただきながら、施設の位置づけを改めて再認識しているところである。

自分の個人的なはなしに多分になるが、このプロジェクトを10年以上携わってきて(今振り返ると、本当に長い期間だった)、建築家の職能が、ただ建物を設計して監理する、という行為だけではないということを実感している。施設の基本構想段階では、市民参加による策定においてコンサルティング・ファシリテーターの役割を果たし、基本計画策定においては、基本設計レベルの建築計画をおこない、事業者選定の際にはテクニカル・アドバイザーの役割、クリーンセンターの設計ではデザイン設計監修の役割、エコreゾートの設計では実施設計レベルの建築図を作成し、実施設計事務所と共に設計を進め、両施設の施工時は毎週定例会議に出席し施工図を工期にすべてに渡り確認。また施設運営に関しては、市民サービスの一環で施設管理者とともに、大学の研究室でさまざまな什器等のデザイン、というような様々な役割を実践した経緯がある。建物の設計だけではなく、事業のスキーム全体に建築家の役割が発揮されうる、一つの事例ではないかと思う。

建築の作品審査ということになると、作品性ということが議論になるが、その点で、武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、自分が設計に携わっていながら言うのも何なのだが、かなり不思議な施設である。これまでの建築は、建築造形や建築計画の斬新さ、構造デザインの技術性、環境(設備)的な技術の表現、素材の新しさ、施設や建築家自体の著名性、といったところが評価の観点となっていると思うのだが、武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、そこがポイントではない、と感じている。

ゴミ清掃工場という建築の機能(&それと一体に付随するプラント説部の系統やヴォリューム感)があまりに特殊であるクリーンセンター、そして既存のゴミ清掃工場の部分的保存・コンバージョンによる施設再生(これもまた同じく、残る建築の存在感が大きすぎる)という建築行為の特殊性を孕むエコreゾート(環境啓発施設=市民交流再生工場)。そして、背景にある市民参加による全市民的な想い。それらすべてが、一建築家がすべてを掌握してコントロールし、ある意味作品性を発揮することが正しい建築への処方箋とは思えないのである。

基本的なスタンスとしては、物理的・ソフト的な諸条件(この場合、建築の機能や物理的な構成やヴォリュームを含む)は、あるものとして受け止め、それに寄り添いながら、丁寧に設計行為をおこなっていくことを心掛けた。一般的には明確なコンセプトがあり、新しい技術も駆使した、作品として凝りに凝った建築が評価される傾向が多い(それが悪いという訳では決してない)が、この武蔵野クリーンセンター・むさし野エコreゾートは、ある意味手数をかけずに、プラットフォームのような場(場所)をつくることを目指している。そうすることで、この場に物理的なものばかりではない関係性をつくることが展開できるのではないかと考えている。その点が、他の建築ではあまり見られない、ある意味オルタナティブを提示できているのではないか、と僭越ながら思っている。今回の施設が、工場と旧工場のコンバージョンだったということもあり、普通に設計を進めていけば静体してしまいがちな建築空間に動きを与えていきたい、という風に考え、「道のような建築」になるように、「ミチ」と「た(溜)まり」の場を、うみだしていくことを念頭においた。クリーンセンター・エコreゾートの両施設及びそのれを結ぶ広場や建物まわりの外構も含め、さまざまなかたちで人々が集い、歩き、動き、佇み、交流する場をつくっている。個人的に設計の際に常々心掛けている、「ゆるやかな不統一の連続」ということに結果的に繋がっている、と感じている。

そして、そもそも、ここは、ごみ清掃工場なのである。開かれた、ごみ清掃工場。来館いただいた人々には、ごみが処理されていく流れを眺めながら、ここにしかない場を感じ、環境や身の回りのさまざまな事柄に思いを巡らせて(、そして、できれば何か自身の活動に展開できるきっかけづくりの場になって)もらえれば、と考えている。(TM

2021/12/06

The Drop @荻窪

 いろいろなことが重なり猛烈に慌ただしくなり、なかなかブログが更新できず。あっという間に12月に入り、年末が迫ってきている。この間に、日本シリーズは終わってしまい、残念ながら我がバッファローズは優勝ならず。でも近年稀に見る熱戦の連続で、まあ、致し方ないという感じ。日本一は、来年の楽しみにとっておくとする、と自分を納得させる。

 そしてこの短期間に大学の研究室のプロジェクトで、4つの作品展示が進行。これも慌ただしくなった大きな要因だが、ようやくラスト1つを残すのみとなった。現在、荻窪で開催されている、「アートゲイト荻窪2021」に、『The Drop』という作品を出展中。荻窪駅北側の教会通り商店街の街灯に、丸みを帯びた不整形なアクリル板のモビールのインスタレーションを展示しています。荻窪方面にお越しの際は是非ご覧ください。(TM)

2021/11/21

アーチの森2021

 毎年、大学の授業「プロジェクト」の一環で、仮設木造建築物のデザイン&制作をおこなっている。例年は、大学の学園祭の事務局から依頼があり、会場でお披露目ということになるのだが、昨年度に引き続き今年もコロナの状況下のため、学園祭は対面形式では中止。ので、大学内での展示は無くなったのだが、2年連続で制作をおこなわないと今後に影響が大きいだろう、と、学生から自発的に提案があり(素晴らしい(拍手!))、外部での展示の道を探っていた。

 というのが夏くらいまでの話。で、展示会場も何とか見つかり、9月に展示のはずだったのだが、展示する日程になると、何故か台風が関東を直撃する、という事態に見舞われ、2度の延期に。そして、やっと、満を持して、展示できることになった。場所は、立川の商業コンプレックスGREEN SPRINGS。インフォメーション・センター横のオープンスペースに、「アーチの森2021」が建ちあがった。関係者の皆様、ご協力ありがとうございました。なかなか展示ができない状況に、最後学生たちも疲労困憊だったが、実現できてよかった。さて、研究室の作品展示プロジェクトが更に続きます。(TM)


2021/11/17

バスターの伝説

 我がバッファローズがパ・リーグのチャンピオンズ・シリーズを制して優勝。いよいよ日本シリーズへ。当日いろいろと立て込んでいたので、残念ながらパ・リーグ優勝を決めた試合はライブで観れず。とても遅ればせながら、配信サイトで見直す。

 いや、9回裏のサヨナラの場面は凄まじかった。特に最後の打者小田の場面の、バファローズとロッテ、両チームのベンチ・ワークは鳥肌物。1球も投げていないのに、サインが目まぐるしく変わり、それを読みあう緊迫感が半端ない。そして、安達、最後の小田の、200%送りバントの状況での、まさかの2人連続のヒッティング(しかも小田はバスター)は、結果が分かっているのにも関わらず観ていて震えた。ちなみに、ファンの間では、小田選手は既に‘小田様’と呼ばれている。今シーズン通算1安打(!)の、スーパーサブが決めた、というところがまた泣けてくる。

 という訳で(どういう訳だ(?笑))」、フラック・ザッパの80年代の隠れた名盤Ship arriving too save a drouwing witch』(訳すと、「辿り着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船」)を聴きながら勝利の余韻に浸る。クレジットをみると、ステーヴ・ヴァイがギターで参加しているが、はっきり言ってどこを弾いているのか分からない、という超絶なアルバム。さて、ヤクルトとの日本シリーズが楽しみだ。(TM)

2021/11/11

推し本展

 いろいろと立て込んでいてブログにUPできず、10日ほど前の話になってしまったが、武蔵野大学オープンキャンパスでの展示企画(10/30)も無事に終了。文学部の土屋忍先生のゼミが主催した「令和文学女子推し本展」という展示の企画に、水谷研ゼミ生も参画。オープンキャンパスが当初の対面形式から原則オンラインにシフトしてしまったため、企画自体の開催も一時微妙な感じになったが、無事に開催されてよかった。

 展示構成の企画・デザイン・展示什器の製作をおこない、さまざまな‘推し本’をいいかたちで紹介展示できたであろうと、ゼミ生ともども一安心。

 ゼミの諸々のプロジェクトがこの後年末まで絶賛待機中(!)ですので、また随時紹介していきます。(TM)

2021/11/09

都市公園コンクール

 設計・デザイン監修に携わった、「むさしのエコreゾート広場空間」が、一般社団法人日本公園緑地協会(東京都千代田区)主催の「第37回都市公園コンクール」において、審査委員会特別賞を受賞(共同受賞)しました。

 「むさしのエコreゾート広場空間」は、むさしのエコreゾートと武蔵野クリーンセンターの間にメインの大きな「芝生広場」と、市内の境山野緑地から苗木を移植し武蔵野の林床を再現する「どんぐり広場」を配置し、ゴミ清掃工場エリア内にもかかわらず、24時間オープンになっているという、このような場としてはある意味画期的な広場です。

 この頃、季節が良くなってきて、子供たちが気持ちよく遊びまわっています。お近くにお越しの際は、お立ち寄りください。 (TM)

2021/11/03

トロールの森2021

 杉並区の善福寺公園で開催されている屋外アート展『トロールの森2021』に作品を出展しています。

http://www.trollsinthepark.com/

 作品名は「Still Breathing」。アート展全体のテーマ‘深く息をする’ということを、木のインスタレーションで表現してみました。作品に腰掛けて、その‘深く息をする’感覚を味わっていただければ、うれしい限りです。

 会期は2021/11/3から23日まで開催しています。入場無料ですので、お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。 (TM)


2021/10/27

25年ぶりの

 我がバッファローズが、ついにリーグ優勝。ただ、ロッテが負けて優勝が決まる、という他力本願の結果だったため、嬉しさも若干控えめというところか。でも、めでたい!

仲の良い、知人友人から、お祝いのメイルをいただく。ありがとうございます!!別に球団関係者ではないのでお祝いを受ける義理もないのだが(笑)、圧倒的にファンが少ない球団なので(!)、こういう時はファン冥利に尽きる。

それにしても25年ぶり。25年前はまだ学生だったので、時の重みを感じる。またこの後、25年くらい優勝から遠ざかるということになると、、、と、考えるのはよそう。さて、いざ日本シリーズへ向けて、楽しみである。セリーグはどの球団が出てきても、「巨人:球界盟主との対戦」、「阪神:ザ・関西対決!」、「ヤクルト:26年前の日本シリーズリベンジ!!」、という感じで面白い対戦になる。まだまだ、今年の野球の幕は降りていないのであります。(TM)

2021/10/26

トーキング・ヘッズのいえ

 先週の話になってしまったが、武蔵野大学3年生の後期、設計演習(授業名:設計製図4)の第1課題の講評会を開催。この授業は、僕を含め5名の建築家の先生と一緒に運営する、スタジオ制の設計演習。水谷スタジオでは例年、第1課題ではスーパースター(ロック・アーティスト)の家シリーズの課題を提示する。もうこれも16年目(!)に突入。非常にコンセプチャルな課題で、学生にとっては非常に難しいと思うけど、頭をグルングルンさせ普段とはまったくちがう脳味噌の使い方をして思い切り頑張って欲しい、と例年思っている。

 今年度は「アメリカン・ユートピア」が今年日本でも上映された、ということで、「トーキング・ヘッズ」を投下。例年の出題対象のバンドとは若干異なり、超メジャー・バンドではない(トーキング・ヘッズのコアなファンの方にはこの表現ですみません)、というところが特徴か。当たり前のように学生世代の人たちにとっては、全く未知の存在のようで(ちなみに「アメリカン・ユートピア」の映画を観た、という学生は一人もいなかった)、まずは知るということから始まるのである。約3週間の短いスパンだが、履修者6名が課題に取り組み、66様のそれぞれ面白い提案が完成した。

 基本的に正解(らしきものも含む)がない課題なので、学生も困惑するが、講評する教員もいつもと違う所に頭をもっていかなければいけないので、講評会はいろいろな先生方の意見が聞けて、こちらとしても面白い。さまざまな技術や技能がどんどん展開していくこの世の中なのだが、最後は手描きのスケッチや絵が、まあまあパワーを持つということを今年も感じさせられて(もちろん、これは良いと思っている訳だけど)こういうのも大切だよね、と、完全に自己満足(及び、自己弁護(!))しながら講評も無事に終了。後、やはり建築自体がもつ力強さ大切さも改めて考えさせられた。

 さて、課題全文を下記に流します。学生諸君には第2課題も健闘を期待します。(TM)


■課題:「Talking Heads のいえ」 (指導担当教員:水谷俊博)

「スーパースターの家」シリーズの第16弾の課題は、ロック史上において、アメリカ(ニューヨーク)のインテリ派ロック・バンドの代表である、トーキング・ヘッズ。現在進行形で映画『アメリカン・ユートピア』が日本公開されており、トーキング・ヘッズが鳴り響いている。

トーキング・ヘッズは1974年に結成。デヴィッド・バーン(Vo&G)、ティマ・ウェイマス(B)、クリス・フランツ(Ds)、ジェリー・ハリスン(Key&G)4人編成(が基本のメンバー)。デビュー当時は、音楽的にニューヨーク・パンク・バンドのカテゴリーでみなされていたが、その後、ポスト・パンクやニュー・ウェーブの位置づけにもあったり、アート系の出自もありと、単一の音楽範疇にカテゴライズしづらいバンドである。また、黒人音楽を大胆に採り入れて音楽イメージを展開させていった経緯もあり、その流れも音楽評論家からは賛否両論[1]があり、話題は多い。

デビューアルバム『サイコ・キラー’77』に始まり、プロデューサーのブライアン・イーノ[2]と組んだり、先述の黒人音楽音楽へアプローチしたり、多様な民族音楽の要素を組み合わせたり、と多岐な前衛性を押し出しながらも、ポップ性(商業性)を的確に表現しながら、独自の音楽性を展開していった点は唯一無二と言ってもいいだろう。91年にバンド解散後も、フロントマンのデヴィッド・バーンは精力的に音楽活動を続け、現在も一戦で活躍をしている。

また、最大の特徴は、映像とのリンクである。83年に5作目『スピーキング・イン・タンズ』をリリースし、そのツアーの様子を映画監督のジョナサン・デミにより、『ストップ・メイキング・センス』のタイトルで映画化。史上最高の、音楽ライブ映画の一つという評価も得ている。86年はバーンが監督した映画『トゥルー・ストーリーズ』を公開。そして2020年、映画監督のスパイク・リーが、デヴィッド・バーンのライブの様子を収めた『アメリカン・ユートピア』を制作。ローリング・ストーンズ誌が2020年度のベスト映画3位に選出するなど、全世界で高い評価を受ける等、その創作コンテンツは音楽の枠をはみ出し(著書、映像等)多岐にわたる。

もともとこの課題のオリジナルは『わがスーパースターのたちのいえ』[3]というコンペの課題である。今年度は、その『スーパースター』という像をどうとらえられるかということを、ロック史上でも希有な存在であるバンド、トーキング・ヘッズの存在を冠して考えてもらいたい。   

課題へ取り組む糸口は、数多ある。トーキング・ヘッズ自体のイメージ[4]、ストップ・メイキング・センス等のアート的なパフォーマンス、デヴィッド・バーンの音への探求、バンド内バンドのトム・トム・クラブ[5]、或いは『アメリカン・ユーとピア』の演劇性、ロック史が激動する70年代~80年代(&~現在)という時代性、各々のメンバーや楽曲群、歌詞等など。

課題は、例年通りの前置になってしまうが、様々な社会性や文化性を持ったバンド(今もバーンは一応現役)、トーキング・ヘッズというバンドの住まいを設計することではない。音楽という世界を通して創造をしているトーキング・ヘッズの拠り所としての概念(→空間)はどのようなかたちで表現することができるのか、時間や空間を超えた構想力豊かな提案を期待している。


[1] 音楽評論家の渋谷陽一氏は、アルバム『リメイン・イン・ライト』に関して、「トーキング・ヘッズの黒人音楽へのアプローチは批判性に欠け、黒人音楽にないオリジナリティを感じられない、という点が、バンドの危うさを感じる。」と当時批判している。

[2] バンド、ロキシー・ミュージックの元メンバー。アンビエント・ミュージックを開拓した第一人者として評価をされ、音楽プロデューサーとしても、トーキング・ヘッズの他、デヴィッド・ボウイやU2、ディーボ、ウルトラボックス等多数のアーティストを手掛ける。

[3] 1975年の新建築の住宅設計競技の課題。『わがスーパースターのたちのいえ』。審査委員長は磯崎新。そしてその結果は。。。ほとんどが、海外の提案者が上位をしめた。磯崎はその審査評で「日本の建築教育の惨状を想う」というタイトルで、日本人提案のあまりの硬直化した状況を嘆いている。さらに相田武文が「犯されたい審査員を犯すこともできなかった応募者」という講評をおこなっている。今で言うところの「草食系」である日本人建築家の提案の惨状をみて「磯崎が新建築コンペにとどめを刺した」と評している。

[4] 余談だが、村上春樹著の小説『ダンス・ダンス・ダンス』の作中で、トーキング・ヘッズのTシャツを着た少女が登場する場面があり、「『トーキング・ヘッズ』と僕は思った。悪くないバンド名だった。ケラワックの小説の一節みたいな名前だ。」というくだりがある。

[5] 81年以降、バンド内バンド「トムトムクラブ」が結成され、アルバムもリリース。トーキング・ヘッズ解散後も断続的に活動を継続。

2021/10/20

秋深まり

 秋は、「芸術の秋」とはよく言ったもので、いろいろなアート展やアートイベントが開催されるので、その準備が佳境に入ってきた。研究室・ゼミやプロジェクト等で、いくつかの場面に出展予定なので(今の所、善福寺、荻窪、立川、学内と立て続けに年末までにかけて出番がやってくる)、その準備がバタバタと続いている。

 その一つとして、学内のオープンキャンパスに合せて、文学部と協働で展示企画をおこなうのだが、文学部の土屋先生がケーブルテレビに働きかけていただいたおかげで、取材が入る。今日は、制作途中の撮影ということで、建築デザイン学科の学生の出番が多い。普段と違って、カメラが入った中での演習授業ということで、妙な空気感が出てきて面白い。何人かは個別の撮影で取材を受けていたので、張り切っていた。まあ、どれだけ実際の放送では使用されるか分からないが。また、出展のタイミングになったら、このブログでもアナウンスいたします。

 さて、秋も深まり、野球も最終盤に。西武ライオンズの松坂が引退。一つの時代が終わる。個人的に一番印象に残っているのは、夏の甲子園決勝のノーヒット・ノーラン。確か、日曜だったと記憶している。組織設計事務所時代に福島の博物館の実施設計が佳境に入っていて、ヘロヘロになりながら猛暑の中、日曜出勤をしていた。ほとんど誰もいないオフィスで図面確認をしていた時に、出社していた設備設計の先輩が、「ノーヒット・ノーランだってよ。」といいながら打合せスペースに入ってきて、そのニュースを知った(ので、映像はライブで観ていない)のである。関西出身なので、横浜は応援しない訳だが、「やれやれ、俺も頑張らなアカンなぁ。」と肝に銘じたのを憶えている。

時は流れる。急に寒くなってきましたが、元気にいきましょう。(TM)

2021/10/17

読み終えられない本の物語

 10月も半分が終わり、選挙まで2週間ほどになってきた。プロ野球も残り10試合を切り出し、いよいよ大詰め。我がバッファローズは、首位をあらそっているが(本当に何年ぶりのことだろうか!)、ついにロッテにマジックが点灯。まあ、過度な期待はおさえて、後は祈るばかりである。

 急に空気が冷たくなってきて、丁度季節の変わり目なので、衣替えや、どんな服を着るかを、毎朝悩んでしまう。今年の夏は比較的に暑さが厳しくなく、熱帯のような暑い日はそれ程なかったような気がするが、実際はどうだったのだろうか。季節はめぐっている。

さて、話をむりやりつなげている訳だが、「熱帯」である。ずっと、推理小説ばかり読んでいる訳にもいかないので、積読状態の本の山の中から取り出したのが、森見登美彦著の『熱帯』(最近出た文庫版)である。まだ、読み始めたばかりだが、まったく個人的な感覚で、これは、面白い、と思う。森見作品は小説に関しては全て読んできているのだが、最高傑作ではないだろうか。まあ、最後まで読んでみないと何とも言えませんが。

この小説も、小説内小説を軸に話が進む入れ子状態になっていて、面白くないはずがない。何となく、ディック・ミネのアンソロジー・アルバムを流しながら、読み進めていくと、これがまた非常に良い感じなのである。昭和ジャズと、どうしても「読み終えられない本」の物語と、秋の夜長。(TM)

2021/10/12

意外と知らない

 暑さもなくなり、一気に秋の気配になってきた。ここ近年は、秋の期間が短くなってきていて、すぐ冬になっているような気がする。気のせいなのかな?

という訳で、日が暮れるのも早くなってくるので、秋の夜長をどう過ごすか?、である。定番は読書ということになるが、個人的には推理小説に目が無いので、手が離せない。積読状態になっているものを、読んでいく。そして、最近アレックス・パヴェージ著の「第八の探偵」を読了。まず、作中作が7編あり、小説が入子状態になっている構成が興味深い。そして各編の間に二人の登場人物(基本的にリアルな登場人物はこの二人だけ)の、推理小説の論考が取り交わされる、というのが、数学の博士号をもつ作者の面目躍如というところか。文庫本の巻末に、このような入子状ミステリー小説の紹介がされており、たくさんの系譜があることが分かり、知らなかったなぁ、と感じ入る。推理小説はたくさん読んでる気がしてたのだが、新たな発見は常にある。

 さて、ベランダのオクラがものすごく立派に育ってきている。ちなみにオクラは日本だけでなく、世界で「オクラ:okura」と呼ばれていることを、不勉強ながら最近知った次第。

で、改めて、オクラがこんな風に実をつけるのって、、、知らなかった(イメージでは上下逆だったんだけど)。

意外と知らない、ことって多いな、と感じる今日この頃。(TM)

2021/10/06

“推し”の世界感

 若干季節外れの暑さが続いているが、新内閣が発足した。あまり前政権から変わり映えしない結果は、まあ予想通りという感じだが、逆にこれで、総選挙が楽しみになってきた。さて、誰(どこ)を推すのか、ということだが、、

ということで、最近、「推し」という言葉に触れることが多くなった。宇佐美りん著の小説の『推し、燃ゆ』(芥川賞受賞)がきっかけだろう。現在、武蔵野大学の文学部と協働でオープンキャンパスの企画を進めているが、その企画のタイトルが「推し本」(文学部らしく)ということだ(ちなみに、推し本の一覧を文学部の学生から見せてもらったが、『推し、燃ゆ』は入っていなかった)。

また、先日、プロジェクトの授業で、授業TA4年生と1年生向けの小課題を考えていたのだが、結局最後は「あなたの推しアイテム制作」という課題にすることに落ち着いた(また、この小課題もこのブログで触れるかもしれませんのでお楽しみを!)。世の中、「推し」という言葉があふれているみたいだ。

さて、そんな感じの中、積読状態だった、『推し、燃ゆ』(宇佐美りん著)に(ものすご~く遅ればせながらではあるが)手を伸ばし、読了。確かに、新しい文学の雰囲気を感じる。が、不思議な小説だ。若い筆者だが、小説としての構成や文章表現は、もう円熟といっていいような気がした(専門家でもないので、あくまで感覚で、だが)。ただ、正直にいうと、物足りなさも感じる。ある意味、非の打ちどころのない小説だと言ってもいい、と思うが、何かひっかかりがなくて、す~っと読めてしまう、というところが個人的には食い切れない所があるのである。あくまで、個人的な感想。でも、建築でも、こういう感覚あると思う。いや、難しい。

 ある学生に、「先生の‘推し’は何ですか?」と質問されたが、「ノーコメント」ということにして、是非、このブログから読み取って欲しい、と伝えた。さて、‘推し’もふまえて、元気にいきましょう。(TM)

2021/10/01

年度の折り返しで諸々

 10月に入り、年度も折り返し下半期に入る。そして、緊急事態宣言が明ける。と、同時に何故か、マスクをしないで歩いている人を街中によく見かけるようになった。若干、不安な気にさせるが、また感染者がリバウンドしそうで、まだ先行きは分からない。
 大学も対面授業が再開となり、対応をシフトチェンジする。既に何度もこの変更があるので、幾分慣れてきているような気がする。
 都民の日ということで子供たちは学校が休みなのだが、生憎の台風再来で雨が降り続く。ので、借りてきたビデオをずっと観ている。「呪術廻戦」というのが流行っているらしく、「鬼滅の刃」の次はこれがマイ・ブームになっている模様。横目でチラチラ見ながら、アニメのクオリティの高さには、相変わらず感嘆する。
 一旦はズルズルと負け出した、我がバッファローズが、奇跡の復活を果たし、首位に返り咲く。いよいよ、優勝へ向けて最後のデッドヒートへと流れ込む。
 朝顔が、最後の一咲き、という感じで咲き乱れている。
 さて、諸々のことが進んでいきます。下半期も元気にまいりましょう。(TM)

2021/09/26

ダーティ51

 私事で恐縮ですが、不肖、私めが51になりました。家族はじめ、祝福をいただく。ありがとうございました。

 この歳になってくると、嬉しいか?と聞かれれば、もう微妙な感じになってきてしまっているが、まあ、お祝いいただくのは、本当に嬉しいものですよね。

 マイケル・ジャクソンのアルバムを聴きながら、マイケルが51歳になる年に亡くなったのを思い出し、現在の自分と鑑みてみる。だからと言って何かが劇的に変わるということはまったくないが、いろいろと考えさせられる。が、相変わらずだが、考えてもはじまらないこともたくさん!

 ので、まあ、それはさておき、また更に精進いたします。(TM)


2021/09/21

台風がとおる

 新型ウィルスの状況は変わらず。台風14号が通っていったので、土曜日は雨にたたられる。この台風の進路がなかなか予測がつかなかったので、少し苦労した。週末に予定していた、インスタレーションの展示の開催をどうしようか迷ったが、結局延期することに決め、結果的にこの雨だったので、良かった。
 ということで、作品がパーツに分かれて、大学の作業工房に置かれている。まだ予定が確定していないが、展示の概要が決まったらまたこのブログで報告します。

 いよいよ今週から後期の授業が始まる。緊急事態宣言の動向によって、授業の運営も変わってくるので、いろいろなかたちでの対応が可能なようにしておかなかければいけない。さて、いろいろと大変ですが、元気にいきましょう。(TM)

2021/09/16

真夏の夜の夢

 新型ウィルスの状況は変わらず。というか、ニュース(メディア)が次の自民党新総裁選のことばかりなので、コロナの状況がイマイチ分からない(こんなんで、いいのだろうか??、とおそらく誰もが感じている不安をあえて文字化してみる。)。

 緊急事態宣言が続いているせいで、ブログにわざわざ書くトピックがそれ程ある訳ではないのだが、野球のことでいえば、しばらく首位を走っていた我がバッファローズがついに首位陥落。やはり、あれは、“真夏の夜の夢”だったのか。。。とため息をつきながらも、このままズルズルいってしまう気配なので、何とか踏ん張って欲しい。主軸の吉田正尚やT岡田が負傷離脱してしまったので厳しいのは百も承知。後は、エースの山本由伸の孤軍奮闘を期待するばかり。最早、優勝は期待しない方がいい。そして、3位死守で、クライマックス・シリーズでの逆襲を願う日々にシフトしている。弱者の習わしである。いやはや。何はともあれ、元気にいきましょう。(TM)

2021/09/10

京大建築百周年記念コンペ

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 
 諸々バタバタとしていてブログに書くタイミングが少し遅くなってしまいましたが、母校の京都大学工学部建築学科が創立100周年を迎え、それを記念して「京大建築百周年記念コンペ」というコンペティションが開催されました。
 
「実作部門」において、何と、銅賞を受賞する運びとなりました(応募作品:「アーツ前橋」)。


 このような賞をいただき、大変光栄です。関係各位に感謝するとともに、今後のアーツ前橋の活動の展開、及び京都大学建築学科の発展を祈念しています。
 ありがとうございました。 (TM)

2021/09/05

スカイライター

 新型ウィルスの状況は変わらず。今日でパラリンピックも閉幕。ので、この「勝手に名盤シリーズ」も、一旦、終了します。
 さて、金曜に首相が今月末で退任するニュースが突然流れる。まさに、五輪と共に去りぬ。(まぁ、辞めればいいって訳では決してない。それにしても2代(安倍政権から)続いての、困った状況になったら政権放り出し。マジか?!まさかこれが、流行っているのか。。。コロナが大変なこの時期の、この政治の空白を考えると、首相が辞めて責任を取ったとは絶対にいえないと感じる。そして、誰も責任を取ろうとしていない、ということが厳然と判明している。何はともあれこのコロナの状況を何とかして欲しい。。。。)
 作家の村上春樹氏が、先月末に自身がMCを務めるラジオ番組で、菅首相がオリンピック開会直前のIOC総会で発言した、「新型コロナの感染拡大は・・(中略)・・長いトンネルに出口が見え始めています。」というメッセージを受けて、「(以下、抜粋・要約)この人、聞く耳を持たないようだけど、目だけは良いのかもしれない。あるいは見たいものだけ見ているいるのかも知れない。どちらでしょうね?」とコメントをしていた。非常にパンチの効いたアイロニーで、何だか、ここまでハッキリと物を言えない空気感が全体的に漂っているのでスカッとしたのだが、状況は動いている。うむ。

ということで、「勝手に名盤シリーズ」最終回になりますが、ラストは、ジャクソン5でまいります。言わずとしれた、マイケル・ジャクソンが在籍していた、スーパー・グループ。ここは、ほとんど採り上げられることのない盤を、ということで、『スカイライター』を。おそらく、ジャクソン5(マイケル・ジャクソン)関連のアルバムでは、一番評価されていない(&地味、かつ、売れなかった)部類に入るアルバム。だが、いいのである。丁度、デビュー直後の爆発的な人気の時期から、本当に自分たちのやりたい音楽を模索し始める最初のアルバム、と位置付けていいだろう。

 ジャクソン5過渡期の真っ只中ということで、楽曲群が中途半端なイメージが付き纏うのだと思われるが、間違いなく新しい音楽への模索が始まっている。ここは、A1曲目の「Skywriter」を。のびやかな、マイケルのヴォーカルが最高である。ここから、マイケル・ジャクソンの伝説が新たにスタートしている。

さて、これで、一旦、「勝手に名盤シリーズ」は終わります。まだ、緊急事態宣言は継続中なので、状況は変わりませんが。

 村上春樹氏のコメントのように、「僕らは、ここにあるもの(音楽もその一つ!)を目いっぱい活用して、本当に出口が見えてくるまで、うまく生き延びて、やっていくしかありません。」(以上抜粋・要約)、ということだと思います。うむ、元気にいきましょう。(TM)

2021/09/04

ユタ・ヒップ

 新型ウィルスの状況は変わらず。首相退任のニュースが駆け巡っているが(これは明日ちょっとコメントします)、明日で、パラリンピックも閉幕。ので、この「勝手に名盤シリーズ」も、一旦は今日と明日を残すのみに。某服飾量販店のTシャツで、「オッ」と目に留まったのがあったので、ゲットする。ジャズのブルーノート・レーベルのアルバム・ジャケットをあしらったシリーズ(商品のプロデュースには、現ブルーノート社長のドン・ウォズが関わっているらしい)なのだが、その中にユタ・ヒップのいかしたジャケットがあった。渋い。渋すぎる。

 ということで、ラストスパートの「勝手に名盤シリーズ」、今日は、ユタ・ヒップの56年リリースの、『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ』を。ユタ・ヒップは、女性楽器奏者としてはパイオニア的な存在で、バイオグラフィーも興味深い。ただ、このアルバムをリリースした後、音楽界から身を引いてしまうので、ある意味貴重な楽曲群をいえるだろう。そして、何といってもアルバム・ジャケットが秀逸。どの曲も素晴らしい不朽の名盤だが、A1曲目の「Just Blues」を(ちなみに、この曲はズート・シムズのオリジナル)。

いや、癒される。元気にいきましょう。(TM)

2021/09/03

スピーキング・イン・タンズ

 新型ウィルスの状況は変わらず。9月に入って、雨が続いていて。やはり、夏の終わりの気配を感じる。さて、トーキング・ヘッズのフロントマンである、デヴィッド・バーンのライブを、スパイク・リー監督で映画化した『アメリカン・ユートピア』がこの夏上映されていており(もう東京の映画館はほとんど終わりかけですが)、これが、すごい。おそらく、トーキング・ヘッズやデヴィッド・バーンを全く知らなくても、映画を観ると感動する(←絶対)映画になっている。個人的には、号泣した(まわりは誰も泣いてなかったけど)。いや、世界は広い。

ということで、ラストスパートの「勝手に名盤シリーズ」、今日は、トーキング・ヘッズの83年リリースの、『スピーキング・イン・タンズ』を。実はこのブログでも、一度トーキング・ヘッズを紹介してるので(本ブログ2020/4/20)、2枚目は、、、と、ちょっと躊躇われたが、まあ、いいではないか。多分、トーキング・ヘッズの(若干難解な)音楽性とポップさ(商業性)のバランスが、一番いい感じのアルバムだと個人的には思っている。

やはりA1曲目の「Burning Down The House」を。この新型ウィルス下では、こんな映画や音楽に触れて。元気を出すしかない。そうですね、元気にいきましょう。(TM)

2021/09/02

魂の道のり

 新型ウィルスの状況は変わらず。9月に入って、急に気温下がり、過ごしやすい環境になってくる。まだもう少し暑い日々がぶり返してきそうだが、少し夏の終わりの気配を感じる。

 種がこぼれ落ちてて、玄関先の犬走りで植生していた朝顔が、遅ればせながら花を咲かせている。朝日が当たらず、強烈な西日を浴びる、という、おそらく朝顔にとっては過酷な環境だったせいか、全然花が咲かなかったのだが、ラストの一仕事、というところか。合掌。

 ラストスパートの「勝手に名盤シリーズ」、今日は、ヴァン・モリソンの76年リリースのライブ盤、『魂の道のり』を。LP2枚組の力作で、ロック界では、史上最高のライブ・アルバムの一つとして評価されている(まあ、このあたりは、いろいろ意見があるところだとは思いますが)。いずれにせよ、ライブの良さを堪能できる名盤である。「キャラヴァン」、「サイプレス・アヴェニュー」等の力の入ったパフォーマンスも良いのだが、ここは、C面(2枚目の表面)1曲目、サム・クックのカヴァー、「Bring It On Home To Me(悲しき叫び)」を。それにしても邦題「魂の道のり」のネーミングは力強い(ついでに、アルバム・ジャケットのヴァン・モリソンの姿も力強い!)。元気にいきましょう。(TM)

2021/09/01

オディレイ

 新型ウィルスの状況は変わらず。8月も終わり、子供たちの夏休みも終わった。9月に入る。そして、今週でパラリンピックも閉幕する。さて、緊急事態宣言になりブログに書くこともなくなってきた、ということもあり、この「勝手に名盤シリーズ」をやっていますが、始めた当初は、オリンピック・パラリンピックが終わるまで、と期間を決めていたので、今週で一旦、終了です。緊急事態宣言がまだ継続中なので、正直状況は変わらないのだが、ここで一応区切りということにしたいと思います。ので、週末までラストスパートということで、毎日1枚ピックアップします!(と、どうでもいい話ですみません)。

 ということで、ベックのセカンド、『オディレイ』を。デビュー作も鮮烈だったが、この2作目が、おそらくベックの最高のアルバムの一つ、といっていいだろう。やはりA面1曲目の、「Devils Haircut」を。まさに90年代を代表するアルバム、の90年代を代表する1曲である。

いよいよ夏が終わり、秋へと流れていく。元気にいきましょう。(TM)

2021/08/29

ブロンド

 新型ウィルスの状況は変わらず。今年の夏の高校野球も閉幕。個人的には、祖父母(既に、二人とも亡くなった)が甲子園に住んでいたので、高校野球に想い入れが非常に濃い。昔と比べて、高校野球が面白く無くなってきているように感じるのだが、それは年を取ってきたせいなのかなぁ、と感じ入りながら、脈略もなく、フランク・オーシャンの『ブロンド』を聴く(これはリリース当初ネット配信オンリーだったが、リリースからしばらくたって、突如CDスルーでLP2枚組)でリリースされた盤)。おそらく後世に残る、紛れもない名盤。C面(2枚目の表面)3曲目の「Seigfried」で、心を落ち着かせる。

 このブログでも、なんとなく新型ウィルスの状況で、明るい話題を書けないので、過去(2015/8/19)に一度UPした、高校野球に関する内容を再録いたします。よければ、お楽しみください。(TM)


■甲子園随想(2015/8/19

夏も真っ盛りで、今年の高校野球も佳境を迎えている。
  祖父母が甲子園に住んでいたこともあり、幼少の頃は春夏とも祖父母の家に一週間くらいずっとお世話になりながら、球場で高校野球をずっと観ていた。あまり知られていないが、高校野球は外野席がタダで観られるので、子供のころは暇さえあればずっと球場に通っていた。
 その祖母も今では甲子園を越して、高齢のため施設に入ってしまったが、この夏子供たちを連れて面会にいった。祖母はもう我々のことがあまり分からなくなってしまっているが、親子4世代間の交流をみながら感じ入ることもある。さて、そんなこんなで少し想い出話しを。
 甲子園での高校野球も数々の名試合を球場で生で観戦したが、はじめて甲子園に足を踏み入れたのは1977年の夏の大会。しかも決勝戦。母親に連れられて行った想い出がある。小学校に入ったばかりの僕は非常におとなしい子(言いかえればガッツがない子)で、親が心配して、我が子に「何か熱いものに触れて欲しい!」という思いやりがあったようだ。母の実家が甲子園だったので、それなら高校野球を観に行こうとなった。
 対戦カードは奇しくも、地元兵庫代表の東洋大姫路と元祖甲子園アイドルである“バンビ坂本(って、もう誰も知らないかなぁ。)”がエースの愛知代表の東邦の組み合わせ。何せ地元優勝の可能性とアイドル投手との対戦というダブルでの盛り上がりということもあり、球場は超々満員。記憶が定かでないが、試合の本当に終盤に球場に着いたようで、ライトスタンドはもう人が下の通路まで溢れかえっていて、観客席まではとても上がれるような状況でなかった。もちろん外野フェンスの高い壁がそびえているため試合の様子が観れる訳もなく、母からは「もう、観れないから、帰ろうか。。。」と言われた。試合が観れない事実を知った僕は、もう強烈に大泣きしてしまい、母はとても困り途方にくれてしまったが、小さい子が泣いてる様子をあまりに可哀そうに思ったのか、外野席の最前列にいた、あるオジさんが、何と、「僕!こっちおいで!!」と客席から手を伸ばしてくれた。甲子園球場は、外野下の通路から高さ2mくらいの壁がある上から客席がはじまるのだが、そこで僕が取った行動は、その2mくらいの壁をよじ登ろうとしたのだった。周りの人が助けてくれて、そのオジサンの伸ばす手につかまり、オジサンが客席まで文字通り2mくらい上にずずーっと引き上げてくれた。そして、そこでやっと球場の様子を一望することができた。その見ず知らずのオジサンには感謝である。本当にいい時代だったなぁ、と思う。そして、初めて生で観る球場の様子は外野の芝が緑にキラキラと輝きとても美しかったのを覚えている。
 試合はとても緊迫した展開で9回でも決着がつかず、延長戦に突入しており、10回裏の東洋大姫路の攻撃。2死ながら塁上にはランナーが二人。まわりは地元の優勝を祈る大応援が轟いている。そんな中、4番バッターが打席に立った。球場が大きく揺らぐような感覚の中、バッターが打った打球が快音を残して、大きな弧を描き本当に目の前のライトのラッキーゾーンへ飛んできた。何と、優勝を決めるサヨナラ・ホームラン。球場は大興奮で大混乱状態。僕は降り注ぐ紙吹雪をかぶっていた帽子に集めながら、それをまた撒き散らしていた。ふと下を見下ろしてみると、下の通路で母親がまぶしそうに、こっちを見ている様子が印象的だった。母が見守る中、紙吹雪が乱れ飛ぶのが、何故か季節はずれの桜の花びらが散ってるような錯覚をしてしまい、とても幻想的な景色だった。これが僕と甲子園の出会いである。
 さて、このホームラン。決勝でのサヨナラホームランは史上初だったと記憶している(そして、その後もないんじゃないかな?)。しかも75年、76年も決勝戦はサヨナラで決まったため、この試合が3年連続のサヨナラでの優勝が決まった試合となった。この体験に非常に感動してしまった(これで感動しなければアホでしょ)僕は、次の年は両親に頼んで、ちゃんと内野席のチケットを買って決勝戦を観にいくことになる。そして次の年、78年の決勝は、「2度あることは3度あると言うけど、4度目はないよね。」と言っていたことが、それに反して現実になることを目の当たりにするのである。まさに奇跡は続く。

さて、そのお話は、また来年のこの季節にでもしましょうか。(TM)

2021/08/27

刺青の男・・(&チャーリー・ワッツ追悼)

 新型ウィルスの状況は変わらず。ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツが亡くなる。やはり、一つの時代が終わったことを感じる。2014年のツアーを東京ドームで観たが(本ブログ、2014/3/6参照)、やはりそれが、このラインナップでの最後になってしまった。チャーリー・ワッツといえば、なぜか個人的に思い出してしまう、アルバム『刺青の男』のB5曲目(アルバム最後の曲)、「Waiting on a Friend(友を待つ)」を聴く。ジャズ愛好家のチャーリー・ワッツが推した、ソニー・ロリンズがサックスで参加。そしてチャーリー・ワッツのドラムが最高である。合掌。(TM)

2021/08/25

テイキン・マイ・タイム

 新型ウィルスの状況は変わらず。ニュースだけだと、詳しい状況が分からないので、まわりの人々も含めて、何とも不安な感じが続いている。本当に政府は何もしてくれそうにないので、本当に、このよく分からない敵(ウィルス)へ感染しないことを祈るしかない。そして8月も後半になってきて、猛暑が続いている。日中、外に出ると、目を開けていられない程、日が照っていてトロケそうである。体質的に非常に汗をかくので、常時着替えを持ち歩いている。これが面倒くさいのだけど、まぁ仕方がない。そして、街中の人出は普段と変わらないように、個人的には感じる。なかなか、状況が良くなる要素がないので、早く終息を願うばかりである。

 ということで、ボニー・レイットを聴く。不遇の時代もあったが、現役バリバリで(最近の作品も素晴らしい)、現在進行形では女性ロック・アーティストとしては最高の存在だと個人的には思う。73年リリースの、3作目『テイキン・マイ・タイム』を。どの曲も素晴らしい傑作。ボニー・レイットの素晴らしいところは、デビュー時から一貫している、その音楽性にある。そして、時代とともに自分の信じる音楽を追求しているそのアンチ商業主義的なスタイルは、もう共感するしかない。B5曲目(アルバムの最後の曲)「Guilty」を。ランディ・ニューマンの楽曲が、心に沁みわたる。やはり、気持ちを落ち着けながら、元気に進みましょう。(TM)

2021/08/22

&5トロンボーンズ

 新型ウィルスの状況は変わらず。何とか、ウイルスワクチンの2回目を接種。東京は人口が多いせいか、なかなか接種の予約を取るのも一苦労である。そして、タイミングが丁度重なり、名古屋方面へ出張に出ることに。久しぶりの長い距離の移動である。感染対策に配慮しなければいけないので、何かと気疲れしてしまう。後、全国的に天気が安定しないようで、雨が降ったり止んだりで、これもなかなか疲れるところではある。ヤレヤレ。

東京を離れたが、場所が変われど、緊急事態宣言もあまり関係なく、街中の人出は普段と変わらないように、個人的には感じる。早く終息を願うばかりである。

ということで、ここは、フォー・フレッシュメンを聴く。40年代後半から活躍する、ジャズ・コーラス・グループ。メンバー全員(その名の通り、4人とも)が楽器を演奏し、唄うというのが大きな特徴。

 そして、何といっても、このグループの音楽が、ビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)の音楽性に多大な影響を与えている、というのがロック・ファンにとっては堪らない。55年作品の『フォー・フレッシュメン&5トロンボーンズ』を。文字通り5人のトロンボーン奏者と共演した傑作。そして、アルバムジャケットのヴィジュアルも最高である。ここはA面1曲目の「Angel Eyes」を。ジャズ・スタンダードの名曲を、極上のコーラスと、トロンボーンの響きで。気持ちを落ち着けながら、元気に進みましょう。(TM)

2021/08/18

ショート・シャープ・ショックト

  新型ウィルスの状況は変わらず。感染者数は増えるばかり。フランス文学者・思想家の内田樹氏が『AERA』に、現状を「どうしたらいいのか、分からなくなってきた」と寄稿しているのをみて、「ゲッ、その通りや。。。」と妙に納得。多分、ほとんどの人が同意見なのではないかと感じる。

 夏季休暇が終わったが、なんとなくズルズルといろんなことが続いているような感じで休み明けがスタート。元気にいきたいところだが、個人的にはドヨンとすることがあり、いきなりゲンナリしている。

 ということで、ここは、ミシェル・ショックトを聴く。孤高の(と言っていいと個人的には思う)、80年代のプロテスト・ソング・ミュージシャン。2作目の『Short Sharp Shocked』を。これも紛れもない、超名盤である。基本的に、フォーク&ブルース系の音に、社会的な歌詞のヴォーカル載せているが、ルーツ・ミュージックに留まらない、オルタナティヴな方向性を示す宝石箱のようなアルバムである。個人的には、コートニー・バーネットは、後継者だと思う。そして、警官隊に取り押さえられているような自身のアルバム・ジャケットは秀逸。ここは、A面2曲目の「Hello Hopeville」を。
 “Now the world’s been cruel(今、世界は残酷です)”。
元気に進みましょう。(TM)

2021/08/12

サムシング・レイト・アット・ナイト

 新型ウィルスの状況は変わらず。感染者数は増えるばかり。そして、東京五輪が閉幕。メディアでは、開催も含めて賛否両論のような感じで伝えられているように受け取れるが、周りも含めて個人的には全く盛り上がらない非常に不思議な(悪い意味で)イベントだった、としか言いようがない。このギャップがとても奇妙である。

 このような状況の中、夏季休暇に突入。今年も関西方面には帰省できない状態。子供たちもあまり遠出ができないので、炎天下、近所の公園でサッカーボールを蹴ったりしている

 さて、オリンピックは閉幕したが、続いてパラリンピックなので、本ブログで進行中の、「勝手に名盤シリーズ」は、パラ閉幕まで続きます。しばし、お付き合いください。さて、そこで、何もできない夏休みに、キャロル・ベイヤー・セイガーを。現在、横浜市長選挙で(チョイ)話題の、小説家の田中康夫氏が、自身のラジオ番組で「無人島に1枚だけ持っていくのが許される、というなら、この盤。」と言っていた記憶がある、『Something Late At Night』を。でもって、紛れもない名盤である。バート・バカラックとの至高のコラボレーション。B4曲目の「Stronger Than Before」を。暑い夏の夜には、これを聴きながら、好きなリカーを、という感じで。さて、元気にまいりましょう。(TM)

2021/08/06

ストリートノイズ

 新型ウィルスの状況は変わらず。感染状況はより深刻になり、政府は突然、入院制限(して重症でない人は基本自宅療養の方針)を謳いだした。健全に動いている国の体制とは思えない。既にこうなりそうなのは把握できていたはずなので、オリンピックが終わりかけてきたこの時期を狙って出したとしか思えない。おそるべし。8月中旬から後半にかけて、感染者数が凄まじい数字になる専門家の予想があり、何とも言えない気分になる。

 そんな中、気を落ち着かせるために、家の棚に積読状態である中から選んで読んでいた、『ブルックリン・フォリーズ』(ポール・オースター著)を読了。久しぶりに、ポール・オースターを読んだ。老年にさしかかった主人公の物語で、何となく、自分も主人公側の年齢になってきたなぁ、と共感しながら読みすすめる。時は流れる、人生は進む、という感情に浸れる肩の力を抜いて読める作品だ。

 さて、この何とも言えない状況に、ジュリー・ドリスコール、ブライアン・オーガー&ザ・トリニティの3作目のアルバム、『ストリートノイズ』を。知る人ぞ知る、地味な盤だが、ジャズ・ロックやプログレに大きな影響を与えたとされる、LP2枚組の傑作である。アルバムD面(このアルバムは各面にタイトルがつけられたコンセプトアルバムになっている。ちなみにD面のタイトルは「Save the country…」(そうだ、この国を救ってほしい。。。))2曲目の「オール・ブルース」を。言わずと知れた、マイルズ・デイヴィスのカヴァー。トラディショナルなテイストにしたジャズ・ナンバーが心を、静かにホットに落ち着かせてくれる。さて、半端なく蒸し暑い日が続きますが、元気にいきましょう。(TM)

2021/07/30

フォー・ユー

 新型ウィルスの状況は変わらず。感染状況はより深刻になるばかりで、感染者の数字を眺めているとひっくり返りそうになる。自分の周囲は淡々と推移しているので、実感がないけどなぁ、というのが正直なところ。という状況の中、ワクチンの1回目の接種に。接種後15分は院内で待機しなければいけないのだが、ある空間でずっと、ボーっと座っているだけ、という時間帯を過ごすので、それが何となく奇妙で不思議な感じがする、のである。まあ、世間が何となくせわしない状況なので、そんな時間も必要なのかもしれない。

 さて、いよいよ、ここで、プリンス殿下のお出ましである。名盤のオンパレードではある訳だが、ここはファーストの『フォー・ユー』を。実は、このファーストはあまり話題になることがなくい。爆発的にヒットし、スパースターになっていく前段階、という段階だが、既に、プリンスの音楽性は確立されている。そして、世間の評価もイマイチなのだが(何故だ?)、既に、天才感満載である。どの曲も素晴らしいのだが、アルバム最後B4曲目の「I’m Yours」を。ギターがうねりまくりプリンスのギターのハイスキルを今更ながら堪能できる、ファンキーな楽曲。そして、アルバム随一のプリンスらしくない楽曲でもある、何となく、そんな感じが好きなのである。さて、蒸し暑いですが、元気にいきましょう。(TM)