2010/10/26

黄金町ブルース

10月9日。横浜で開催されている「黄金町バザール2010」に、パートナーのRMとスタッフのharuと出かける。武蔵野大学の設計演習の授業でお世話になっている建築家、ワークステーションの高橋寛さんがコンバージョンの設計された作品もあるので楽しみにして出かける。黄金町バザールとは黄金町から日ノ出町までの線路沿いの地域をアートやカフェ、ショップや建築が一体となって小さなアートフェスティバルのようなものを開催。かつては不法風俗営業をしていた地域を観光的なまちづくり(都市計画?)の範囲まで広めていければ、というプロジェクトである。


昨年、越後妻有にどっぷりだったので、少しその感じを思い出しながら現地へ。天候はあいにくの雨模様のため、物悲しい雰囲気が漂い、いい感じである。そこにはかつての、地域の空気感が感じられ(ただ、雨だったせいでもあるが)、あまりに「あやしげ」という形容詞がぴったりである。線路下に対象の地域が細長~く続いていくかたちもまたいい。しかも線路高架下が工事中で、褪せた銀色の仮囲いが続いていく感じが、「あやしげ」な感じを助長している。僕は「あやしげ」なものには目がないのである。

進んでいくと、「入ってはいけない家」というプロジェクトを発見。「あ、あやし過ぎる。。。」。こうなると我慢できない。入るしかない。中はそれほど衝撃的ではなかったが、なかなかの「あやしげ」さ満載の展示になっていた。満足だ。さらに進むと、また「中をみませんか?」と店先で声をかけられる。どうやらギャラリーになっているようだ。「あやしげ」なのだ。また、つられて中に入ってしまう。内部は木の線材がみっしりと乱立していてその間を赤ちゃんのように這いまわって空間体験をする仕掛けになっていた。これもまずまずの「あやしげ」だった。そのあと、建築のプロジェクトも拝見。あやしい展示の後だったので、非常に健康的だ。さまざまな建築の取り組みの可能性をみることができた。最後は日ノ出町にある古い旅館を利用した展示スペース兼カフェの竜宮へ。ここも、かつての風呂場の壁画などが、程良いあやしげな雰囲気を醸し出していた。そんな空気にひたりながら、3人でカレーを食す。モグモグと若干無言気味。美味である。

この地域を歩いているときに、なぜか大学時代に組んでいたバンドで演っていた曲が頭に浮かぶ。「Refugee(逃亡者)」という曲で、一旦頭に浮かんでしまうと、もう駄目でグルグルと頭を廻ってしまう。Aメロの最後のところの歌詞はこんなだった。

「さまざまな、夢があり、人は言う、Refugee(逃亡者)」♪。。。。。

そんな思いを胸に黄金町を後にする。黄金町にはブルースが流れていた。