2010/10/03

水フェスと渋谷のまち

武蔵野大学水谷研も研究室ができて5年目を迎えた。と、いう訳で5周年記念パーティをすることになった。名付けて(現役生が名付けました!)“水フェス(@5周年)”。研究室も1期生17名、2期生17名、3期生15名、4期生9名、そして現役の5期生が12名と70名が研究室に所属したことになる。本当に時間がたつのは早いものだと感じる。
3期生のアッキ―が総幹事、1期生のトモ、Haru、5期生のペーが幹事となって、場所は渋谷で開催(横浜在住の人たちに配慮して、とのこと)。2次会から参加してくれた卒業生も含めると30数名が参加してくれた。中には卒業して以来、初めて会う学生もいて懐かしい。卒業生はみなそれぞれ社会にもまれて、いい意味で逞しくなっている。まあ、これからいろんなことがあると思いますが、頑張って前進してほしいと思う。
宴ではそれぞれの卒業生の現役時代のスライドショーを眺めながらこれまでの5年間を振り返る。スナップショットばかりで面白くはあるのだが、もうちょっと建築に関連した映像でもいいかな、と思うが、まあ、そのあたりは10周年までの課題としよう。卒業生たちからはケルベラの鉢植え(未来へ伸びてゆけ!水谷研!!というメッセージがあるらしい。)と研究室創立の2005年モノのワインをプレゼントされる。連日のお祝いに感謝感激。ありがとうございました。
宴も終わり三々五々、渋谷の街を歩いて駅まで向かう。それにしても久しぶりに渋谷に来たと感じる。12年くらい前によく渋谷に来ていたのを想い出す。丁度、レディオヘッドの『O.K.コンピュータ』が出た時代だ。その頃は、シネマライズでビール片手に気になる映画を観て(ハーモニー・コリンの『ジュリアン』やジム・ジャームッシュの『イヤー・オブ・ザ・ホース』を観た記憶がある)、中古レコード屋で物色して、そして古い焼き鳥屋で日本酒をやりながら酩酊するというのが僕の黄金コースだった。時は変わっているが、街の様子は相変わらずドラスティックに夥しい数の若者が徘徊する様相だ。昔はそれほど感じなかったが、ある程度歳をとると、なかなか渋谷のど真ん中で身体を馴染ませるのが難しいと感じる。多分、街が変わっているのではなくて(もちろん歩いている人は変わっているが)、僕の方が変わってきたせいだろう。まあ、繰り返しになるが歳をとったということなのだろう。センター街の雑踏を抜けて最後にハチ公口前のスクランブル交差点に到達する。実は僕が東京でも好きな場所だ。そこにくると、空気が変わる。なんとなく一気に空白を感じることができる。なぜかは分からない。でもこの微妙な空虚な解放感は他の街では味わえない。今は駅前にはQフロントがあるが、12年前にはなかった頃とその感覚は変わらない。サーシャ・ガバシ監督のドキュメンタリー映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』でもデイブ・アリソンがこの場所に立って、巨大なスクリーンに映し出される映像をみながら「ゴジラ!」と叫ぶシーンで終わるのが印象的だ。この人の集密と移動のエネルギー。そこで感じるある意味(僕はそう思うんだけど)気持ちいい空白感をつくりだす。渋谷はそんなまちなんだなあと思い、渋谷のまちを後にした。
でもやっぱり渋谷のまちは非常に疲れますね。渋谷好きなみなさんには申し訳ないけど。