2023/02/07

目を澄ます

 昨年の終盤がバタバタしていたので、観たい映画もたくさん観に行けずに終わってしまった。日本の映画では、「ケイコ 目を澄ませて」が、非常に評価が高かったように見受けたが、「観に行けなかったなぁ、、、」と思っていたら、遅ればせながら吉祥寺に上映がまわってきた。

 評判通りに素晴らしい。16mmで撮った映像の質感、音のつくり方、映画の内容ももちろん良いのだが、東京の下町がロケ地になっており、その描き方が非常に秀逸だった。浅草や都電荒川線沿いの東池袋周辺、荒川河川敷、など、開発されていない現在のかたちの東京の断片を舞台に、物語が静かに力強く進んでいく。個人的に、かつて新小岩に住んでいた経験があり荒川の光景がとても身近だったので、趣深さが半端なかった。

 聴覚障害をもちながらプロボクサーの道を歩んだ小笠原恵子著の半生を綴った著書が原案になっており、観る前は、「ロッキー」と「コーダ」を思い浮かべていたが、それらとは全く違う、現在の日本映画の良さや醍醐味を非常に味わえることのできる作品だ。そして、観る者が間違いなく元気になる映画だ。

 さて、本当にどうでもいい話ですが、遅れ遅れで、昨年のマイベスト:映画篇と音楽篇をやっとUPしました。もしよければ、2022年末のブログもご覧ください!(TM)

CONSTRUCTION日記: Look Back 2022 その1 (mizarchi.blogspot.com)

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