2022/06/17

SDGsの授業

 大学も1学期が終わり、2学期に入る。写真を整理しながら、1学期で終了した授業を振り返っている今日この頃。武蔵野大学に「SDGs」という授業が昨年度から開講されているのだが(1年次の教養授業のような位置づけのような科目である)、今年度は学科の事情もあり、おそらく今年限定ということで、この枠組みの中で「SDGs基礎」という授業を担当することになり、その授業が1学期終了とともに無事に終了した次第。学生は選択できずに大学に自動的に振り分けられる仕組みなので、こちらもどんな学生が受講するのかが直前まで分からないのだが、この度は薬学部の学生を受け持つことになった。

 この授業、おそらくオーソドックスに考えると、SDGsの各項目を学習しながら、学生間でのディスカッションや勉強会等をふまえながら、分析(のようなもの)をおこない、何らかのレポートや提案を作成し、発表をする、という流れになる、ということが想像できた。

 さて、そこで、自分の学生時代(しかも1年次)を真剣に思い出してみることに。出した結論は、「普通の講義授業だとつまらないので学生の記憶に全く残らない」(と思われる。実際、自分がその通りなので)ので、「他の授業ではできない、何か変なこと(だけど何かクリエイティブなこと)を学生に体験してもらおう!」、ということを思うに至った。

 そこから、いろいろと考えていく作業が大変だった訳だが、そのモチベーションで思案した結果、授業の最終到達目標の指針を、『「SDGsをふまえて」(これは、勿論当然のこと)、「協働で」(これも全学的に求められていること)、「デザイン的な側面から」(ちょっと建築学科のテイストを加えてみた)、「自身の身体を使って表現(パフォーマンス)せよ」(!、っとこれは、おそらく他にないだろう)』と設定した。

 後は、学生のみなさんが、“笛吹けど踊らず”状態になったら、哀しいなぁ、という若干の不安があった訳だが、最終的に、予想を超える最終成果(パフォーマンス)をみせてくれて、静かな感動を覚えた。

 授業期間中、突然モノづくり(作品デザイン&制作)をさせられたり、変な映像(映画『家族ゲーム』のラストシーン、暗黒舞踏集団「山海塾」のパフォーマンス、現代アート作家のアーウィン・ワームの作品をモチーフにして映像ディレクターのアントン・コービンが撮影したショートフィルム、ミュージシャンのファットボーイ・スリムの楽曲“Praise You”のPV、等々)をみせられたり、と、薬学部の学生も大変だったと思うが、学生たちに何らかの刺激が提供できていれば(&今回の授業の意義のようなものを10年後くらいにでも思い当ってもらえれば)、それは嬉しいかぎりである。

 ということに想いを馳せながら、季節はすぎていくのである。おそらく、教室に、ファットボーイ・スリムが爆音で響き渡ることは、もうない。(TM