2015/03/12

ジャクソン・ブラウンを観る。そして泣く。

  偉大なるロック・アーティスト達も、だいぶ年季を重ねてきて、もう今観ておかないと観れないかも、思うことが多くなってきた。
  そんな訳でオーチャード・ホールにジャクソン・ブラウンを観に行く。ジャクソン・ブラウンは日本ではちょっと地味な立ち位置のアーティストかもしれないが、個人的には思い入れがある。僕は学生時代に留年したのだが、その時期に『Late For The Sky』を繰り返し聴きながら、悶々と、非常に個人精神的に(そして無駄に。。トホホ。。。)闘っていた記憶がよみがえる。

  ライブ会場の雰囲気はものすごい特徴が2つあった。ひとつは来場者の平均年齢が異常に高いということ。40半ばの僕が一番若い部類の感じで、5060歳平均じゃないか、と思わせるくらい。そしてもう一つは圧倒的に男性比率が高い!ライブ会場で女性トイレが混まずに、男性トイレが長蛇の列な状況は初めて見たかも。もう、こうなるとオヤジ臭いのを通り越して、ジイサン臭い域まで達している。う~む、いい感じにすさまじい。
  さて、ライブの内容は素晴らしいに尽きる。ニュー・アルバムからの楽曲の比率が高かったようだが(ニュー・アルバムはアナログレコードを昨年末に注文しているんだが、まだ手元に届かない。。。いやはや。)、各時代万遍なくプレイしてくれた。充実の何と3時間。
  基本的に観客は着席して聴く状況だが(みなさんご高齢なので)、アンコール前の本編ラストが『Doctor My Eyes』から『Running On Empty(孤独のランナー)』の流れで展開し、ここで最高潮に達する。その時、今まで座っていたオヤジ(&ジジイ)たちが、前列の方から立ちあがり始める。しかも、一気に立ちあがるのではなく、徐々に、あたかも筍がムクムクと生えてくるように、前からゾワァーっと時間差で人々が立ちあがっていく様子は、見ていて、本当に目頭が熱くなり、そして文字通り熱いものが込み上げてきた。なぜか、日本も捨てたもんじゃない!と静かに深く感動。
  客席の盛り上がりが非常に素晴らしかったようで、ジャクソン・ブラウンもノッテおり、アンコールも2回登場。オヤジ(ジジイ)パワーのすごさをあらためて感じさせられた。
  人はさまざまな場面で元気をもらうが、本当にそんな時間の素晴らしさを感じる。311から4年が過ぎた今、渋谷の夜に思う。(TM)