2013/03/01

トーク@明治大学

  明治大学の青井先生からお声掛けいただき、明治で講演をさせていただくことに。青井さんは京都大学の布野研究室の先輩で(ということで、同時にうちのパートナーの水谷玲子も学生時代とてもお世話になっています)、現代の日本建築界における最高の若手建築史家(研究者)、かつ建築批評家のお一人である。後、うちの研究室5期生のツトムが、現在大学院で青井研究室にお世話になっているという御縁もありこのような機会をいただく。という訳で、「青井さんのことを、学生さんの前では青井さんと呼ばず、ちゃんと青井先生と呼ぶように」肝に銘じて(なんか、こういうのが、最近大切になってきているんですよね~。ささいなことなんですが。。。)、生田キャンパスにお邪魔する。
  武蔵野大学で通常の授業をしていると、ほとんど学生は寝ているので(!)、どんな感じなのかな、と期待半分&不安半分でお話をさせていただくが、非常に丁寧に聞いていただき、持っていったネタをほとんどしゃべってしまう。想定外に大幅に時間オーバー。青井研究室のみなさんありがとうございました。当日の様子は青井先生のブログhttp://d.hatena.ne.jp/a_aoi/や青井研の学生さんのブログ(滝沢さんありがとうございます)http://d.hatena.ne.jp/aoi-lab/20130301/1362139327#seemoreで紹介されていますので参照ください。
  講演後の飲み会にも参加させていただき、学生さん含め楽しくお話させていただく。宴での話で面白かったのが、これからの建築家像に関しての話に及んだところ。70年代初め頃から形成されてきたいわゆる大文字の建築家像(建築メディアとの関係を含めて)が、おおよそ90年代半ばくらいから変化し(崩れ)始めて、そろそろ20年くらいが経ってきているので、これからは既存の考え方ではダメで、なんとか新たな建築家としての在り方を考えていかなくてはいけない、というのが青井先生の見解。
  前橋の美術館(アーツ前橋)を設計したこともあり、なんとか、既存の建築家のイディオムとか、もっと言うと在り方と違う流れを、少しでも発信できればと思っていたので、そんなお話に勇気づけられる。後、そんなに有名建築家でもない若造(不肖私のことです)でもしっかりといい建築をつくれるということを表現することにより、何とか僕たちよりも若い人たちに設計の魅力を感じて(かつ夢を持って)もらえれば、という責任感も(誠に勝手ながら!)ヒシヒシと感じているので、改めて元気づけられました。青井先生ありがとうございました!
  後、学生のみなさんと話していて興味深かったのが、好きな建築家は?という問いへの答え。答えは、ミースとかカーンとかの巨匠でもなく、クールハウスやヘルツォ―ク、原&磯崎さんのような大御所系でもなく、またSANAAや石上純也とかでもなく、更に身近な感じの建築家を挙げていた。メジャー系を避けたい所はうなづける。けど、そればかりだとあまり話がドライヴしないんですよね。でも、うちの学生をみていても同じで若い人たちの嗜好(或いは志向?)は、そういう感じなんだろうなと改めて納得。
  さて、アーツ前橋のグランドオープンは10月です。現在、開館準備中ですが、我々設計チームも家具等の取りまとめをサポートさせていただいています。
  ぜひお楽しみにしていてください。 (TM)