2010/11/04

手描きのススメ。

 10月28日(木)=昨日の木枯らしの後、台風接近中という極寒雨天。こんなおかしな天候は勘弁してほしい・・・・・と嘆きながらも万全の寒さ対策を講じて外出、武蔵野大学能楽資料センター主催の狂言鑑賞会へ。なんと山本東次郎家による狂言4曲に無料ご招待いただくという幸運が降ってきまして。しかも座席は、演者の額から流れおちる汗の一粒一粒がはっきり見えるぐらいに舞台に近い場所というではありませんか。
 演目は、止動方角、月見座頭、文蔵、乳切木。4曲それぞれに異なった趣があって、その場面・情景が人物の動き・会話と最小限の小道具だけで上手に表現されているのはみごとでした。「余計な説明がなくてシンプルでよい!」、そのためかストーリーがかなりストレートに伝わってくるように感じました。面白い場面では私も思わず声に出して笑うし、やれやれ困ったことになったなという場面になれば私も思案顔に。観賞中の1時間とちょっとの間にいろんな気持ちの間を行き来して、心の体操をした気分です。

 さて、今までは前置き。この日その後の出来事で驚くべきことがありました。
中学・高校で非常勤講師をされている先生と雑談中のこと、「板書をノートに書き写さず、携帯で写メ撮ってる生徒がいます。だから、私(先生)も撮影させまいと説明が終わったことからどんどん消していくんです。それでもノートをとらない人が多いです・・・。」って。え~~~~。いや、すべての学校・生徒がそうではないと思いますが、あ~、なんだか言葉ないです。
 写メ撮っている生徒、そのデータをパソコンに保存してスクラップか何かでノート作成してるんでしょうか。それならちょっと見直すけれども、きっとしてないだろうな~。自分の手で書くと時間がかかるかもしれないし、字が丁寧に書けないと見栄えもよくないかもしれない。けれども、自分で書けばその間に内容を咀嚼して、自分自身のアウトプットとして(より役立つ内容として)書きとめることができる(=後から有用)のです。このことを身をもって経験したら、それからはもう自分で書かないで済ますことができなくなるはず。
 ですので、1年生のみなさん、自分の手でしっかり書いてください。授業中の極わずかな板書ぐらい、デジカメで撮らずにメモを取りましょう。本当に。

 余談。初めて行く場所への道順は、事前に地図で確認すると思いますが、試しにその地図を頭に入れて、記憶だけに頼って白紙に自分で描いてみてください。すっかり描ければ、きっと途中で迷わずに目的地に着けます。描けなければ描けるまでトライ。ということを私の身内の者が実践していました。これも先の話と同じです。・・・・が、そういったところで、今はカーナビ、GPSの時代。。。。あまり説得力がないのかもしれませんが、人生どこかで役に立つはず。