2014/06/19

辰巳団地


 武蔵野大学の3年生の設計演習の後半の課題が始まっている。
 今年度から課題を刷新し、まずは敷地が変わった。
 そして、その敷地が江東区の辰巳団地の一角という、非常にディープな場所で課題設定をおこなっている。
 さて、このサイトがものすごく面白い。
 東雲や豊洲といった、超巨大なマンション開発地帯に接する、文字通り、陸の孤島のような状況になっていて、特に東雲側から橋を渡った瞬間、街のスケール感が激変し、そしてそこで生活している人々の様相が一変する。まさに昭和。その変化は鳥肌ものである。
 この感じ。どこかで感じたなぁ、と思いながら、かれこれ20年以上前に、大阪の新世界を同級生の修士論文の調査で歩いた際にも、少し似た空気感をまとっていた気がしたのを思い出した。こういう感覚が本当に心地よい。
 僕の祖父母が昔、甲子園の団地に住んでいたということもあり、個人的に団地の光景というものは原風景のようなものになっている。一見うらぶれて何もなさそうに見えるかもしれないが、街のイメージの源泉になるものは、あまりに豊潤に確かに存在する。
 そして、近い将来この地がどのようになってしまうのか、ということにも思いを馳せる。
さて、この地でどのような建築の姿が描けるのか?提出は1月後。楽しみだ。(TM