2014/06/09

武蔵野クリーンセンターをみる

 武蔵野市のクリーンセンターの見学に水谷研4年生のメンバーを連れて訪問させていただく。非常に近い存在でありながら(しかも何度も足を運んでいるのにもかかわらず)、内部を一度も見学させていただいたことがなかったので、まさに改めて、という感じである。
 ゴミ処理場の建築というのは基本的にプラントがあり、ただそれを覆っているだけの建屋、という建築がほとんどで、建築のデザイン云々ということはほとんどない。
 しかし、このいわゆるアノニマスな建築にも空間の神秘性というものは随所に内在している。日中のメインの操業がほぼ終わっている時間帯ということもあり、特に人影のないプラットフォームの空間は圧倒的な存在感を有している。これは、建築の持つ、大きなスケール感、仮設性(ここでは建屋のもつハードとしての特性ともいえるか)、ゴミ処理いうプログラム、などが一体となって醸し出しているいい意味での退廃性(空間のもつ空気感といってもいいだろう)といえるかもなぁ、と感じる。退廃性と美は表裏一体のものであり、まさにエロスとタナトス、ということなのだが、意外とこんな空間がアート性への扉を開くのかもしれない、と夢想してみたくなる。
さて、この建築も数年後には新たな施設へ生れ変る企画が進んでいる。どう展開をしていくのか楽しみな気分が高まっていく。(TM)