2021/03/26

フリー

 新型ウィルスの状況は変わらず。しかし、緊急事態宣言は解除された。

 武蔵野大学の河津優司先生が、今年度で退官される。大学の建築デザイン学科の礎を築かれた、といっても過言ではなく、しかしこの最中なので、盛大に送別の会等を開催することが叶わず、といった状況だった。そんな中、河津先生ご出身の早稲田大学の歴史研で河津先生の最終講義を開催する、という情報を武蔵野大学の非常勤講師でお世話になっている建築家の大塚聡さんから聞き、その企画に部外者ながら参加させていただくことになる(大塚先生ありがとうございました)。

 早稲田大学の中川武先生が発起人となり、河津先生の講義、そして中川先生との対談、というプログラムだった。講義を拝聴しながら、建築史の奥深さを改めて痛感し、自分の研究活動に関して考えさせられた。一連のプログラムが終わった後、懇談会となり、何とそこにも参加させていただき、中川先生、河津先生とも、いろいろとお話をさせていただいく。いや濃密な午後でした。河津先生、改めて、そして僭越ながら、おつかれさまでした。

 さて、何をピックアップしようか、と迷ったが、ここはフリーの2作目、『フリー』を。フリーといえばこの1作後の『ファイヤー&ウォーター』が有名だが、何といてもこの2ndがいい。フリーはブルースを独自のロック的な(かつブリティッシュ流な)解釈によりオリジナリティ高い楽曲をうみだしたバンドと言われているが、このアルバムは、その魅力が炸裂している。アンディ・フレーザーのベースがグイグイ引っ張り、そこに響くポール・ロジャースのヴォーカルがうみだす、骨太で実験的な音をじっくりと聴かせる。ここはA5曲目の「Mouthfull of Glass」を、ゆったりと聴く。美しくて渋いのである。(TM)