2025/12/16

ラーニングスクエア

 研究室のゼミ生と、明治大学和泉キャンパスの図書館とラーニング・スクエア(設計:松田平田設計)を見学する機会を得る。図書館とラーニングスクエアの間に10年くらいのタイム・ラグがあり、ここ近年の変化の様子を建築で見て取ることが分かり、非常に興味深かった。

 この10年くらいの間に、建築単価は3倍程(肌感覚で)になり、そして、施設構成のあり方は、機能のあり方が多様に(良い意味で)曖昧になってきている。この先10年くらいのあり方を考えていかなければいけないな、と思う。

 うむ、元気にいきましょう。(TM)

2025/12/14

青柳


シンガーソングライターのリアム・オ・メンリーが17年ぶりのアルバムをリリース。そして、来日するとのこと。草月会館(設計:丹下健三)でパフォーマンス・ライブをおこなうのを知り会場へ。

小泉八雲の『青柳』をテーマに、タブラ奏者、ベーシスト、太鼓、日本のダンサー、アイリッシュ・タップダンサーといった異分野のアーティストとのコラボレーションという内容。

この概要を事前に知り、一体どんなことになるのだろう?と思っていたのだが、これがなかなか、素晴らしかった。全然違うんだけど、何か合ってる!、という感触。そして基本的に静かに、そして、激しく、やさしく流れる音楽。

古来からの息吹を感じて、癒されるのである。合掌。(TM)

2025/12/12

クリエーターの仕事場(2025版)

 大学の「建築学演習」という授業で、昨年から、クリエーターの方々の仕事場を訪問して、その空間を記録に残すことに取り組んでいる。

内容としては、インタビューのようなものを学生がして、仕事場の実測をしたり、写真を撮らせてもらって、それをひとまとまりのビジュアルに記録する、という感じである。

今年度は、都内西荻窪の建築家&劇団美術作家の大塚聡アトリエにお邪魔して、演習授業を展開。学生も懸命に作業に取り組んで、無事に実施することができた。ありがとうございました。

大量の本や資料が溢れている仕事場は壮観であり、そして地盤面から少し下がったレベルに床レベルがある空間は非常に居心地がいい。中央線の真横の敷地というのも味わい深い。学生の実測なども、密度が濃いものになっただろう。

終わった後の懇親会も開催。ゼミ学生の人数が増えたので、西荻だと入れる店がほとんどない、という事実も判明。まあ、無事に開催できてよかった。

さて、これを成果物として、授業でどうまとめていくか。楽しみである。(TM)



2025/12/10

涸れ地とXTC

 自宅のダイニング・スペースの横の小さな棚に、その時の気分でレコードを立てかけている。

 今回は、マーヴィン・ウェルチ&ファーラー(MWF)の『セカンド・オピニオン』と、XTCの『Year Of The Cat』。

 MWFのセカンドは、史上最高のレコード・ジャケだと思う。毎夏このアルバムを一定期間聴いている。サウンドも最高。XTC3rdはスティーブ・リリーホワイトがプロデュース。パンク系の音から転換していく過渡期の秀作。

 ジャケのデザインはどちらもヒプノシス。素晴らしい!元気にいきましょう。(TM)

2025/12/08

空間造形:追憶のハイウェイ61

 だいぶ、時間が経ってしまい、すみませぬ。。。

 武蔵野大学3年生の後期、設計演習(授業名:設計製図4の第1課題の話し。この授業は、僕を含め5名の建築家の先生と一緒に運営する、スタジオ制の設計演習。水谷スタジオでは例年、第1課題ではスーパースター(ロック・アーティスト)の空間シリーズの課題を提示する。もうこれも20年目(!)に突入。非常にコンセプチャルな課題で、学生にとっては非常に難しいと思うけど、頭をグルングルンさせ普段とはまったくちがう脳味噌の使い方をして思い切り頑張って欲しい、と例年思っている。

 今年度はボブ・ディランの『追憶のハイウェイ61』を投下。学生世代の人たちにとっては、ほとんど未知の存在の様子で、まずは知るということから始まるのである。そして、ボブ・ディランの世界、あまりにも広くて、かつ、深し!という訳で、始めにやはり『名もなき者』の映画映像を観る訳である。約3週間の短いスパンだが、履修者7名が課題に取り組み、77様のそれぞれ面白い提案が完成した。

 基本的に正解(らしきものも含む)がない課題なので、学生も困惑するが、講評する教員もいつもと違う所に頭をもっていかなければいけないので、講評会はいろいろな先生方の意見が聞けて、こちらとしても面白い。だが、作品のコンセプト、及び、そこからつくられる建築(らしきもの)の相関関係の妥当性は当然のごとく求められ、建築(らしきもの)自体の面白さ、及び、作品自体のメッセージ性に圧倒的な説得力がないと、つまらない、のである。

今年は、いわゆる建築っぽい提案が多かったかな。もっと暴れてもいいんだよ!、と、無責任に(笑)指導教員は、思う訳であります。そうして、講評会も無事に終了。第2課題も更に面白い、学生の作品提案に期待したい。

さて、例年通り、課題全文を下記に流しますので、どうぞ。(TM)


2025年度 課題:空間創作:『追憶のハイウェイ61

「「スーパースターの家」シリーズも20課題(コロナ禍で1年飛ばしたので、実働21年目)続いたことになる。もともとこの課題のオリジナルは『わがスーパースターたちのいえ』[1]というコンペの課題である。2022年までは、スパースター(アーティスト)を対象としてきたが、2023年度からアーティストの作品自体を課題の素材としている。対象作品は、『Highway 61 Revisited(追憶のハイウェイ61)』(ボブ・ディラン)(あの、『ライク・ア・ローリング・ストーンズ』収録)とする。   

『追憶のハイウェイ61』は、(何と60年前!1965年リリースの6作目。ロック史上における名盤のひとつとして挙げられる。前作(『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』)でフォークからロックのサウンドを取り入れた方向性を深め、本作で当時のディランの評価と、フォークからロックへの転換を決定づけた。当時のフォーク・ファンのアイコンであったディランのロックへの音楽性の転換、及びプロテスト・ソングからの別離は、ファンに大きなショックを与えた。このアルバム発表後の1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルに、黒い革ジャン姿でエレキ・ギターを持ってステージに立ったディランに対し、聴衆が大きな罵声を浴びせ、一旦引っ込んだ彼が再びステージに上がり、「It’s All Over Now,Baby Blue(すべては終わった)」を涙ながらに唄った、というのは、あまりに有名な話である。(このあたりは、今年2025年に日本でも公開された『名もなき者(監督:ジェームス・マンゴールド)』でも(事実との若干の改変はありながら)描かれている)。

さて、ボブ・ディランだが、過去の伝説的なアーティストではない。84歳となる現在も、トップアーティストとして活躍を続けている。『追憶のハイウェイ61』の次作『ブロンド・オン・ブロンド』で初期の絶頂期を迎え、第2のピークと呼ばれる70年代には、これまた最高傑作と評価される『血の轍』をリリース。80年代終わりからネヴァー・エンディング・ツアーをスタートし年100回のライブを現在も継続中。2016年にはノーベル文学賞を受賞。2020年代に入ってもオリジナル。アルバム(通算39作目、『ラフ&ロウディ・デイズ』)をつくりつづけている。

この課題は、『追憶のハイウェイ61』を(“音楽→建築”という世界を通して)再解釈することにより、建築的な思考や概念を再構築し、それによって創作し得る空間や建築は、どのようなかたちで表現することができるのか、時間や空間を超えた構想力豊かな新しい建築提案を期待している。


[1] 1975年の新建築の住宅設計競技の課題。『わがスーパースターのたちのいえ』。審査委員長は磯崎新。そしてその結果は。。。ほとんどが、海外の提案者が上位をしめた。磯崎はその審査評で「日本の建築教育の惨状を想う」というタイトルで、日本人提案のあまりの硬直化した状況を嘆いている。さらに相田武文が「犯されたい審査員を犯すこともできなかった応募者」という講評をおこなっている。今で言うところの「草食系」である日本人建築家の提案の惨状をみて「磯崎が新建築コンペにとどめを刺した」と評している。

2025/12/03

座けんちく展

 研究室で吉祥寺の「キチジョウジギャラリー」において、展示をおこなっている。
 小さなギャラリーだが、まわりの環境も含めて、非常に居心地の良い展示場である。
 この会場では7年振りの展示。

 学生ががんばって企画したので、近くにお越しの際は是非見てください。(TM)



2025/12/212/7

場所:キチジョウジ・ギャラリー

キチジョウジギャラリー | 吉祥寺・井の頭公園の貸しギャラリー

座けんちく展

2025/11/03

トロールの森2025

杉並区の善福寺公園で開催されている屋外アート展『トロールの森2025』に作品を出展しています。

野外×アート  トロールの森 (trollsinthepark.com)

 作品名は「Planet Waves」。

 参加型のインスタレーションで、日々作品の姿が変化します。アート展の雰囲気ともども、場の楽しみを味わっていただければ、うれしい限りです。

 会期は20225/11/3から23日まで開催しています。入場無料ですので、お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。 (TM)