2015/06/23

地域へのおもひ

 大学の研究室(布野研)の後輩、ツクちゃんが急遽来校。
 彼は関西でまちづくり関連の仕事に従事しているが、最近の地域活性化へ向けた取り組みに関して四方山話&情報交換。実習棟で学生が妻有に向けて猛然と作業をしている傍らで、小一時間程。関西のいろいろな動向を聞きながら、こちらもアーツ前橋の話や、現在取り組んでいる武蔵野市の諸々の話をする。
 ツクちゃんは関西で豊中や寝屋川の業務に携わっていた時に、いろいろお手伝いをしてもらった。あの頃は、ツクちゃんはまだ院生だったから、ほんとに今昔の感に堪えない。
 さて、妻有の作業を眺めながら、二人して、微力ながら地域づくりへの一翼を担っていこう、とエールを送りあいながら別れる。
 そうですね。志は前向いて行かねばです。はい。(TM)

2015/06/19

温故知新的

 突然、何故かトーキング・ヘッズのベスト盤を無性に聴きたくなる。トーキング・ヘッズはアナログLP含め有名なとこ(『Remain in Light』とか)を3枚程持っているが、何となくベスト盤で一気に聴きたくなった次第。が、我が家のCD棚を探すが見つからず。昔、誰かに貸して無くなってしまったのか。。。仕方がないのでアマゾンで検索したら日本盤は廃番になっている!何と、トーキング・ヘッズのベストももうないのか、と若干、茫然。そんな訳で、中古品を注文。2枚組の体裁が懐かしい。もうこの太い(厚い?)形式のCD盤はなくなったよね。場所はかさばるけど、何となくこの量感がいい。時代を感じる。
 時代を感じるつながりで、みかけによらず、実は僕はモノ持ちがいい方だと(本当に勝手に)思っている。大学2回生の時にティエリー・ミュグレーのシャツを手に入れて、ずっと大事に着てきていた訳だが、最近かなり汚してしまい、もうかなり着込んできたこともあったので手放すことにする。それにしても、冷静に考えると、25年も着ていたのか!と改めて気づく。何と、自分の人生の半分以上。。。
 そんな思いに耽りながら、トーキング・ヘッズの“Road To Nowhere”を聴く。名曲だ。この「Nowhere」の意味をどう捉えるかがポイントで若い頃は仲間内でアレコレと議論していた。でも、若かりし頃と曲から感じ取れるイメージが随分変わってきたなぁ、と実感。昔は何気なく“どこでもない場所”と抒情的に訳してたが、歳をとると、“人生”と感じずにはいられない。。。
 時は流れておりまする。(TM)

2015/06/10

渋谷の寄り道

  大学関係の打ちあわせで、大学時代からの盟友、建築家の増谷高根さんが来校。後期からの授業に参画していただく予定なので、授業の概要や学生の状況などを、有明キャンパスにて、みっちりと打ち合わせをさせていただく。
  打合せ後、既に日がとっぷりと暮れてしまったので、お互いの帰路途中である渋谷にて下車し、鮮魚酒屋で一献。渋谷は若者のまちというパブリック・イメージが大きいが、いわゆる盛り場のような場所(店)もたくさんあり、我々、オヤジの年代もすっぽりとおさまるような所が、よく見ていけばあちこちにある。
  ちなみに増谷さんも関西出身なので、久しぶりに関西テイストな夜。お互い歳をとってきたこともあり、話題は、家族(特に親の老後の課題)、健康、等の話題になり、更に、この前のポール・マッカートニーの来日の件、そして、やはり何故かいつものことだが、我々の学生時代の四方山話に花が咲く。
  普段学生に様々な局面で指導をしているが、自分の学生時代をふり返ると、かなり「?」(疑問符)がつくことが多々思い返される。いやはや、まぁ、でも時代は繰り返されるということだ。学生たちも成長していくことだろう。。。
  店を出て、店のお土産にもらった五目おにぎりを頬張りながら駅に向かい歩いていると、さすがに渋谷らしい、ということになるのかもしれないが、ヤンキー系イケメンの黒服の青年に声をかけられる。したたか良い気分(?)ということもあり、何故かその若者にスナップ写真を撮ってもらう。ヤンキー黒服君はちょっと面食らったようだが、パシャリとしてくれた。「まだ、世界のコミュニケーションはブレイクダウンしていないよなぁ。」、とちょっと勘違いな方向性でオヤジ二人で納得しながら、夜の渋谷を後にする。まったく成長していないオヤジ二人組。そんな空気感もつつむ大らかな雑多さが、「さすが」と感じた渋谷の夜の街でありました。(TM)

2015/06/01

絹飴


  アーツ前橋の住友文彦館長よりお知らせをいただき、アーツ前橋のグッズとして、『絹飴』というお菓子をつくり、販売を始めたとのこと。
  前橋市は絹の街ということもあり、シルクパウダーが入ったキャンディである。「食べるとやさしくお口に広がる。」という謳い文句が素敵ではありませんか。
  パッケージも趣向が凝らされており、繭のような形態の紙の容器に、アーツ前橋のファサードデザインの特徴的なパンチングの丸をモチーフとしたデザインがなされている。館長によると、「やっと、建築デザインとリンクした新しい館オリジナルのグッズをつくれた。」とのこと。
  アーツ前橋にお越しの際は、ぜひお一ついかがでしょうか。(TM)

2015/05/31

下北沢小探訪

 下北沢へ建築家、大塚聡さん設計の住宅のオープンハウスの案内を頂いたので出かける。オープンハウスは極力伺いたいと思っているが、休日はなかなか時間が取れないので、なかなか出かけることができない。今回は何とか時間ができてよかった。3歳の娘が同行したので、お邪魔にならないように。限られた建坪の中、スキップ式に床が展開して住居内に広がりをうんでいるのが好印象。後、塗装色を白に限定していなく、着彩をしている点がポイントとのことで、実際に拝見できて参考になった。多分、今回の設計の主眼ではないと思うけど、建物の立ち姿(端的に言うと外観ということ)のバランスがいいと感じる。最近の建築は、特徴的な(ある意味とんがった)外観のものか、まったく外観に留意していない(ように見せているものも含む)もの、かの両極のような感じもするので、何となく落ち着く。
 敷地近くに、建築家今井兼次の自邸があり、通りすがらチラッと横目でみながら歩く。鬱蒼と茂った庭の樹木の陰から、少し特徴的な屋根が見える。この鬱蒼とした感じは非常に趣深い。下北沢もサブカルチャー的な街のイメージが強いが、少し歩くと閑静な場所で、ブラブラ歩くのにも気持ちがいい。ただ、娘は、持参したチョコとジュースにばかり夢中で、散歩(&住宅)はそれ程味わってなかった模様。まあ、人それぞれに楽しみ方があって、それでいいんだけどね。(TM)

2015/05/27

設計演習講評会

  最近、アラバマ・シェイクスの新作『Sound & Color』(セカンド・アルバムになります)にはまっている。まずは、冒頭1曲目の”Sound&Color”から2曲目の”Don’t Wanna Fight”の流れが最高で、”Don’t Wanna Fight”はまさにキラー・チューンといえるくらいのインパクトを持っている。ただ、それ以上にアルバム全体が持っている曲の群としての圧倒的な力が、個人的に好きな所。巷のレビューでは、ファーストの方がサザンソウルのルーツに近いので、好き嫌いが微妙に分かれている感があるが、僕個人的にはそのファーストの枠を突き抜けた多様(多彩)性と完熟度を評価したい。
  少し建築の話にスライドするが(そして、いつも同じことを言ってるような気がするが。。。すみません。。)、最近の建築は、コンセプトが明確で分かりやすく、プログラムや形態もそれに沿ってグイと引っ張っているようなもの、そしてそれにキャッチ―なコピーが附随しているようなものが評価されるようになって久しいような気がしている。別にそれが悪い訳ではなく、素晴らしいものもたくさんあるが、言いたいのは、そればっかりじゃ、つまんねぇんじゃねぇか(って何故か江戸弁)、と思いたくなる、ということである。コンセプト(と形態(或いはデザイン))の力強さばかりでなく、重層する多様な要素が混然一体となった時のその状態の魅力も評価したい所である(ちなみにアーツ前橋に関して、「ゆるやかな不統一の連続」というような表現をしてみた)。簡単に言うと、一見ではよく分からないこと(もちろん良い意味での)の面白さ、ということの方が、あるまとまった完成形を超えるという可能性もあるのではないか、ということである。これは、雑誌の誌面だけでは伝わらないだろうなぁ、と思うし、実際建築を観てみても分からないケースも多いだろう。空間を体感する人々の感性に委ねられるところでもあるが、大切なことだと感じている。
  そんなこともふまえて、武蔵野大学3年生の設計演習の第1課題の講評会(課題名は『働きながら住む10世帯の住まい』)。先週までの学生たちの進捗をみていると壊滅的な結果も不安視していたが、それなりにまとめてきたので、ひとまず一安心。ただ、全体的な傾向が、ここでもワンコンセプトだけで語りつくそうとしているように見えてしまい、案に奥行きがない感じは否めない。しかもキラー・チューンのような強烈な一撃もないので、残念だ。でも、講評会終了後の懇親会には学生が20名程も参加し大いに盛り上がった。このパワーを第2課題でもぶつけてほしいなぁ。
  さて、帰路につき、アラバマ・シェイクスを改めて聴きながら、長い一日が終わるのでありました。(TM)

2015/05/20

E・DESIGN賞(環境・設備デザイン賞)受賞

「アーツ前橋」が『第13回環境・設備デザイン賞』において、優秀賞を受賞しました(建築・設備統合デザイン部門)。
http://abee.or.jp/designaward/past/13/


建築会館にて授賞式。設計チームのイーエス・アソシエイツの佐藤英治さん、岩井光景デザインの岩井達弥さんと共に出席。コンバージョンのためほぼ露出にした設備デザインも評価を頂き光栄です。
ありがとうございました。(TM)