2023/05/24

世田美

 大学院の授業の一環で、施設見学へ。履修学生が見学する建築をセレクトしたのだが、世田谷美術館ということになった。

 師匠である、内井昭蔵先生の代表作にして、公園にある美術館としても、おそらく先駆的な建築ではないかと思う。

2 020年の「作品のない展示室」展以来の施設訪問になった訳だが、じっくりと観ていくと、やはり変わった美術館だなぁ、と改めて感じる。その土着的でいて装飾的な建築の質感は言わずもがなだが、展示室が連続していく施設構成と、それぞれの展示室のヴォリュームと形態がすべて変化があることが、他の美術館建築と空間体験に関して一線を画していると感じずにはいられない。今回の展示は、開口部を閉じて展示するコンテンツだったのだが、開かれた構成になると、より空間の魅力を感じることができる。

 改めて、現代にはできない建築なのだな、という思いとともに、見学会を終える。それにしても、この建築をセレクトした学生のセンスは渋いな。(TM