2018/11/09

『一畳敷』展

 ICUのキャンパス内にある博物館、湯浅八郎記念館で開催中の『ICUに残る一畳敷』を観にいく。松浦武四郎生誕二百年を記念する展覧会という位置づけだが、展覧会の白眉は何と言っても、キャンパス内に現存する『一畳敷』の建物を、1/1で再現したレプリカ(?というか、もうこの大きさになれば建築、と表現するしかない)を展示しているところ。ただのレプリカに過ぎないじゃないか、と言われればそれまでなのだが、やはり原寸大の空間を構築しているところは非常に意義深い、と感じずにはいわれない。
 ちなみにこの『一畳敷』は、松浦武四郎が日本各地の霊社名刹の建築物に使われていた古木材を90以上も採集してしつらえられたもので、いわば究極の「俺様キッチュハウス」といえる。
 という訳で、こんな特殊な建築をめぐって、現在は本物の『一畳敷』と、そのゴーストであるレプリカの『一畳敷』、が同時に共存している、という事実は、何となくロマンをかきたてられる。そんな秋のピリッと効いた展覧会でありました。(TM)