2017/07/22

トリノへ思いを馳せながら

 だいぶ以前にイタリアのトリノに関して文章を書く機会があり(世界各国の都市を紹介する書籍の企画で、その中のほんの一部分の項目を執筆させていただいた)、その企画が立ち消えそうになっていた模様だが、また再び動き出しそうだ、という案内(一報)があった。実はトリノは学生時代に一時期暮らしていた、ということで自分にとっては本当に思い入れのある都市である。
イタリアは日本人にとっては観光地として圧倒的に人気があるスポットな訳だが、なぜか、トリノに行く日本人はほぼ皆無で、おそらく日本人にとってはイタリアの都市の中では印象がとても薄い(冬季オリンピックがあったのと、フィアットのお膝元、そしてユベントスの本拠地、というイメージくらいかなぁ)都市な訳である。が、実は、イタリアではローマに次ぐバロック都市で、そういう訳でとても素晴らしく圧倒的に美しい都市だということはあまり認知されていない。はっきり言って、ミラノなんかつまらない大都市で、電車で1時間くらい離れたトリノの方が文化的にも芳醇な都市だと思えてしまう。
 後、デ・キリコの絵はトリノの都市像がベースだということも知る人ぞ知る事実である。その都市紹介の本では、トリノの都市としての起源から、そのデ・キリコくらいまでの時代背景と都市の変遷プロセスを紹介しながら、トリノの不思議な魅力に関して考察しているので、今後うまく企画が進めば改めてこのブログでも紹介します。
 さて、トリノに学生時代、一時期暮らしていた訳だが、日本に帰国する際に、現地で交流のできた学生達(トリノ工科大学の)からお土産としてTシャツをプレゼントしてもらった。イタリアの偉大な俳優、トト(アントニオ・デ・クルティス)をモチーフにしたデザインのもので、想い出の品、ということで大切に着続けていた。かれこれ25年!さすがに、かなりヨレヨレになってしまい、さすがにもう着れないかなぁ、という感じになってしまったので、断腸の思いで処分することに。丁度、トリノに関して執筆した企画の動きと重なったために、感じ入ってしまう。
 実は、そのトリノに行って(暮らして)以来、イタリアの地に足を下ろしていない(当時はいつでも行けると思っていたのに!)。
 いやはや。そろそろイタリア、そしてトリノに猛烈に行きたくなってきた。そう、25年ぶりに。時はあまりに早く流れる。(TM)