2025/03/31

卒業と、雑感と 2025

  年度が変わる。少し前の話になってしまったが、武蔵野大学の水谷研19期生のゼミ生11名が卒業。今年度の、学位記の授与と卒業式は、有明コロシアムで開催の運びに。朝一から大学院の学位授与、昼に修了&卒業式、夕方から学部の学位授与、ということで1日仕事になる。いつもいる武蔵野キャンパスと違い、勝手が分からないので、何となくこちらとしては居場所が無くて大変なのだが、学生の門出を祝う。式後、研究室の卒業生たちと記念撮影。例年開催される卒業生企画のパーティも学生の意向で開催無しになったので、「とてもあっさりですね。」と他の先生方とは話しながら、催しを無事終える。

  院を修了した研究室ゼミ生のゲン(今年度は院生は彼一人のみだが、研究室から巣立つ)からギター・ブランドのFENDER関連の品をプレゼントとしていただく。設計業界も大変な時代だと思うので、4月からの新しい世界での活躍を期待したい。そして、式後のガイダンスで卒業生に話したが、ロック精神を持ってがんばって欲しい。

 今年の水谷研のキャッチフレーズ(毎年勝手に小生が定めている次第。。。)は、YOASOBIと、村上春樹と、スタイル・カウンシル(!)、をモチーフにしている。それでは、卒業生へのはなむけに。

  ヒーローも、お星さまの引き立て役B

  その不確かな壁を越えてゆけ

  Walls Come Tumbling Down !TM




2025/03/24

八戸美術館

 八戸市美術館に視察に伺う。八戸市美術館は、他にない美術館の姿が実現されていて、後、JIAの表彰式等で一緒のタイミングになったりしたこともあって、個人的にもご縁があり是非訪れたい施設だったのだが、今になってしまい、やっと観ることができた次第。館長の佐藤慎也先生に館内をご案内いただき、展示の内容も含め、隅々まで拝見させていただく。

 施設は、「ジャイアント・ルーム」と呼ばれる、大きなヴォリュームの共用スペースが最大の特徴であり、この空間で、さまざまな市民活動が展開される、というのが大きな魅力である。ある意味、展示室よりも充実した共用スペース、という普通の美術館を逆転したような構成が新鮮で、館長とお話ししながら、公共的な場がこの大きなヴォリュームによる空間によってできている、という様子を実感できた。ありがとうございました。

 帰路で、新幹線の連結外れの事故の影響で、八戸駅で4時間くらい足止めされるが、これも一興で何とか東京に戻れて一安心。冬の八戸は寒さも一段だったが、元気が出るプチトリップでありました。(TM)



2025/03/23

夭逝のtpとジェシカ

 自宅のダイニング・スペースの横の小さな棚に、その時の気分でレコードを立てかけている。

 今回は、ブッカー・リトルの『Booker Little』と、オールマン・ブラザース・バンドの『Brothers & Sisters』。

 久しぶりにジャズ、という感じだったので、名盤中の名盤を。23歳という若さで天に召されたブッカー・リトルだが、クリフォード・ブラウンの後に新しい音楽を推し進めた最初の一人と見なされている。その代表作がコレ。

 オールマンのアルバムでは、このアルバムのジャケットが一番好き。ここからシングル・カットもされたB2曲目の「Jessica」の疾走感が、気持ちいい。元気にいきましょう。(TM)

2025/03/07

MUレビュー2025

 少し遅ればせながら、UPになりますが、武蔵野大学の卒業設計の審査会を開催。

 昨年度から卒業設計の審査のやり方を大きく変えた(個人的には、かなり遅ればせながらの感があったが、数年提案し続けてきたことがやっと実現した次第)。一大変革と言ってもいいだろう。大学の学内審査とは別に建築設計界で活躍する建築家を審査員として招聘し、「武蔵野大学卒業設計レビュー MU Review 」と銘打った公開審査会を併せて開催する企画を発動している。今回が昨年度に引き続き2回目。ちなみに、今年度の審査員は大島芳彦(ブルースタジオ)、稲垣淳哉(Eureka)、アリソン理恵(ARA)、入江可子(アリイイリエアーキテクツ)という顔ぶれで、モデレーターを水谷が務めた訳である。

 昨年もそうだったのだが、個人的には、この準備があまりに大変で、ひっくり返りそうだった。その反面、学生の参加者が、わずか11名(!)という事実に愕然(昨年度は30名以上が参加したので、この状況は予想不可能で、かなり衝撃だった。。。)。

 ただ、その心配は他所に、審査会自体は盛り上がり、審査員の方々も熱心に審査いただき、一安心。まずは、無事に2年目を開催できた成果は大きいと思う(って、誰も褒めてくれないから、ここで静かに主張(笑))。今年度は、学生も含めて懇親会を開催できた(当事者の4年生よりも、3年生の参加の方が多かったのも面白かった)のが大きな成果で、審査員の方々も最後までお付き合いいただき、異常な盛り上がりをみせたのが非常にうれしい限りで。今後も引き続き、学内の卒業設計、設計演習(設計製図)が盛り上がって欲しい、ということと、学生の今度の糧となることを切に願うばかりである。(TM)

2025/03/06

公共のおにクル

 大阪は茨木にある、「茨木文化・子育て複合施設 おにクル」(設計:伊東豊雄)を観に行く。関西方面でこういうかたちでの公共施設はなかった感想を持っていたので、施設の実際の様子を見てみたくなり訪問。いや、すごい人で賑わっていて驚いた!、というか少し感動した。まさに、公共空間のあるべき姿のひとつが出現している。

 施設は図書館機能を中核として、子育て支援機能や、中規模の劇場機能を内包する複合施設。個人的には、同建築家が設計した岐阜の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を想起させられ、「ぎふメディアコスモス」が平面的に広がった建築だとすると、この「おにクル」は、それを縦に積んだかたちで、市民が集う施設ができあがっている。ので、階数が多くなるため、人々を施設に誘(いざな)うにはハードルが高くなっている。だが、とにかく、利用者に使い倒されている感が満載で、例えば、共用廊下が少し広く確保されていて、そこにテーブルと椅子があれば中高生がたむろして勉強したり話したりしている光景が広がっている。まさに、パブリックな場と言えるのではないだろうか。いや、素晴らしい。

 地方都市周辺の市街地域も、人口減少などの影響で、元気がなくなってきている状況はどこでもみられる(多分、茨木も同じだろう)。大抵は画一的に開発(ある意味商業的に)をおこなうことで、よく分からない状況になっているのが実情だ(これ、あくまでも個人的な見解です)。その状況に対してどう処方するかを考えることは、建築家に求められていると思う。大きなヒントがここにある。(TM)

2025/03/05

設計演習講評(2024)

 既に昨年の話なのだが、授業の写真を整理していたら、武蔵野大学3年後期の設計演習(授業名、「設計製図4」)の写真がでてきたので少し振り返る(かなりタイミング遅くなってしまいすみません!)。

 武蔵野大学3年生、設計演習2024年度最終課題の講評会。武蔵野大学は4年生に設計演習の授業がないので、これが授業としてはラストの設計課題となり、後は卒業設計を残すのみとなる。

 3年生後期は僕も含めて5名の建築家(小池啓介(Thirdparty)、御手洗龍、アリソン理恵(ARA)、瀬戸健似(+NEW OFFICE)の各氏と、私め水谷)によるスタジオ制(各建築家により異なる課題を出して、少人数のスタジオのようなかたちでおこなわれる設計演習)での設計演習のかたちをとっており、他のスタジオの課題が見られるのはこの講評会だけなので、教員としても楽しみである。昨年度のこの授業の履修者が15名しかいないという前代未聞の状況だったのだが、今年度は40名ちょっとの履修があり、盛り上がりを取り戻したので、本当に良かった。

 水谷スタジオの2024年度課題は(ここ数年とそれ程変化なく)『武蔵野市現代美術館』。敷地はかつてバウスシアターが存在していたサイト。水谷スタジオの今年度の履修者7名も課題に奮闘した。

・アーティスト工房の新たなあり方に着目して、創作活動自体も魅せる美術館

・敷地全体を特徴的なジグザグの壁で構成し動線空間を軸に、展示空間を結ぶ美術館

・屋根レベルに大きなオープンスペースを設け断面的につながる美術館

・小さな諸室を敷地全体に分散配置にして、それらを路地上上の空間で巡っていく美術館

・レベル差が多様な展示空間を回遊動線を辿りながら、断面的にも関係づけた美術館

・展示エリアと共用部をパラレルに配し、相互をさまざまな開口でつなげる美術館

・ゆったりとR状を描く平面のプロムナードを中心にさまざまな機能がつながる美術館

と、いう具合にそれぞれに魅力的な提案を完成させた。

 講評会も、今年度は盛り上がったように感じる。やはり、履修者が多いと、お互いに学生も切磋琢磨し合うので、作品のクオリティが上がっていく。

 授業が終わった後、久しぶりに、学生も参加するかたちでの対面で懇親会も開催。いよいよコロナ前の状態に戻ってきたな!、と実感。

 さて、学生諸君には、この成果を是非、卒業設計につなげて欲しい。元気にいきましょう。 (TM)

2025/03/04

2期生の会

 水谷研の卒業生、2期生から声をかけてもらい、懇談の機会ができる。

 ナベ、ワタル、アサミ、が参加してくれた。なんでも、ワタルが出向でナベの勤め先に偶然赴任してきた(でも、もうすぐ戻るようだけど)、ということで、集まれる人で集まろうという感じになり、こっちにも声がかかったという次第。2期生のみなさん、ありがとうございます。

 この代が卒業して、17年が経過している、ということを考えると、時の流れの早さを感じる。彼等が在籍していたのは、まだ学科ができたばかりの時期で、確か共学になって初めての代なので、大学や学科もいろいろと変わってきた様子を話す。でも、そんな話をしながら、変化した事に、良いこともあれば、失ったこともあるな、と改めて感じる。まあ、とにかく、彼らの代は元気だった、のだ。時は移り、社会の状況も変わってきてしまっているのだが、何とか今の学生が元気が出るようにせねば!、と心に留めるのである。

 そうです。元気にいきましょう。(TM)

2025/03/03

ワーキングとブルー

 自宅のダイニング・スペースの横の小さな棚に、その時の気分でレコードを立てかけている。

 今回は、ワーキング・ウィークの『Working Nights』と、後、何となくElectric Light Orchestraの『アウト・オブ・ザ・ブルー』。

 ワーキング・ウィークはUKのジャズ・ダンス・バンドというカテゴリーで語られることが多い。ジャズ。ダンスとは何ぞや?(ジャズって、もともと踊る音楽ですよね?)と若干感じるところであるが、まあ、気にしないでいこう。このファーストは名盤。多分、ここからヒップホップへつながる(ほんの少しかもしれないが)一局面を担っていると思う。

 E.L.O.は多分これが一番の有名盤。やはり、C面最後の『Mr.Blue Sky』が最高の白眉だろうが、2枚組の超大作だが捨て曲無し。素晴らし過ぎ。元気にいきましょう。(TM)

2025/03/02

スクイズ・プレー

 長距離の移動が続いたので、読書も絶賛継続中。

 ポール・ベンジャミン著、『スクイズ・プレー』を読了。ポール・ベンジャミン? はて、誰でしょう?

 有名な話かもしれないが、実はこれ、作家ポール・オースターの別名で、『スクイズ・プレー』はオースターが売れる前に書いた、何と推理小説。しかも、ハードボイルドな作品である。

 そして、本作品で扱っている題材が、野球(MLBの元スター)ということで、全方位的に自分の大好物なのである。読んでいる間は、至福の時間帯でした。

 小説の最後は、この一節で終わる。

 「それが彼女を見た最後だった。」

 いや、もうね。カッコ良過ぎですね。

 こういう小説を読むと、いつも思ってしまう。「これからは、ハードボイルドでいくことにしよう!」。いや、無理なんですけどね。。。

 でも、「人間は、不可能なことに憧れる」とゲーテ先生も言っています。元気にいきましょう。(TM)

2025/03/01

椅子の講評2024(年度)

 例年そうなのだが、年度末なので様々な授業の講評会、発表会、審査会がおこなわれる。武蔵野大学で椅子をつくる授業をやっていて、その講評会を開催。今年度もゲスト講評者を招いての講評会を何とか無事に開催の運びとなる。木工作家の渡邊浩幸さん、映像ディレクターの土居京子さん、写真家のキッチンミノルさん、ファッションデザイナーの國時誠さんに参加頂き、それぞれの多様な視点から講評を頂く。僕以外はみなさん建築とは違った分野の方々なので、その講評も個人的にはとても楽しい。

 今年度は履修学生のうち12名が講評会でプレゼン。力作ぞろいだったと思う。ゲスト・クリティークの講師の方々も、いい感じで講評いただいているように見受けたので、一安心といったところ。

 例年、いろいろと学生が考えてくれるような課題の提示をしているが、今年度は長編小説を読み切ってから、課題に取り組む、ということにチャレンジ。学生は「ゲゲ~~っ!!」とう感じだった。そして、本当に、学生たちは本を読まない!、という事実を実感できた。4月に課題を提示するのだが、11月になっても読み切っていた学生は、ごくわずかだった(!)。ので、自ずと作品制作にとりかかるタイミングが、例年より大幅に遅くなった。そんな状況を横目でみながら、正直、この課題の出し方は失敗だった、、、と感じたのだが、この授業の醍醐味は、じっくりと考えて愚直に制作していく、ということであり、そういう姿勢で臨まないと、作品における本質的なパワーは生まれないような気がする。それがデザインを考えていく上でとても大切なことだと思う。当たり前のはなしなのだが、効率ばかり目指していては、底が浅くて、たかが知れているのである。学生諸君には、そこに気づいて、殻を破って欲しいと思っている(これ、昨年度も同じようなことを書いた記憶が。。。)。ただ、採取成果としては、よかったので、「まあ、これはこれでアリか。。」と自分で納得。

 さて、次年度以降は、更に期待するばかりである。しっかりと頑張った学生には充実感を持ってくれれば嬉しい限り。さて、怒涛の年度末が続いていくのです。はい。(TM)

 

課題:「 街と,その不確かな壁 それを,通り抜ける,イス 」

【課題概要】

今年度の課題は大変だ。なぜなら長編小説(しかもかなり長めの)を、読まなければいけないからだ。

作家、村上春樹氏著の『街と、その不確かな壁』が昨年刊行された。

この小説は、ある意味、約 40 年前に書かれた名作『世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド』の続編(パラレルな別編?!)と言っていい作品であり、村上春樹の集大成的な作品と言えると思う。

いずれにせよ、“不確かな壁”が物語の重要なポイントとなってくると思われる。

この、『街と、その不確かな壁』を読み(できれば、『世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド』も併せて読んで欲しい(どちらかと言うと、『世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド』→『街と、その不確かな壁』の順番で読むことをお奨めします))、この不確かな壁を通り抜けることをモチーフにイスを提案してください。

斬新で、メッセージ性のある、魅力的な作品を期待しています。

                                                    (水谷俊博)

2025/02/28

長崎大村を巡る

長崎の大村に赴く。

設計事務所のINTERMEDEIAさんにお会いする機会を得て、お忙しい中、同社が設計に携わられた、「ミライ0n図書館」と「D&I大黒屋新社屋」をご案内いただく。非常に丁寧に設計された作品だと、実建築をみながら実感する。

大村は長崎の市街地からも少し距離があるので、また違う文と化が根ざしていることを体感する。環境が素晴らしい場所に、良質な建築が建つ意味を、再認識させてもらえる。

余談ではあるが、INTERMEDEIAさんに武蔵野大学の卒業生のナンリさんが勤務していて、久しぶりに会うことができた。「なんか、長崎にいるのか、どうなのか?分からなくなるよね(笑)。」と不思議な感覚になった。

良い建築に出会えれば、元気になる!

そうです、元気にいきましょう。(TM

2025/02/27

天神の景

 福岡に赴く。

 福岡在住の佐藤総合時代の同期(今はお互いかつての前職を離れている)であるイソちゃんに会うことができた。3年振りくらいになるかな。

 折角、ということで福岡の天神にある、「河庄」(設計:吉村順三)が今月いっぱいで解体
(再開発)されて閉業されるということなので、最後の勇姿をこの目におさめよう、ということで赴く。

 老朽化した建築がなくなっていくのは避けられない事ではあるが、やはり一つの時代が終わっていくのは、そこはかとない寂しさを感じさせる。

 食事をした後、2階の座敷部をお店の方に拝見させていただきながら、今までのお店の歴史等の話を聞く。それぞれの建築に文化がある、合掌。(TM

2025/02/26

北九州市美術館

 西日本方面に来たので、北九州市立美術館(設計:磯崎新)に赴く。やっと、観ることができた!、というのが実感。

 これまで、福岡方面に来るたびに幾度となく観に行こうとしたのが、いつも美術館の展示替えのタイミングとバッティングしてしまい、今回ついに初訪問となった。丁度、磯崎新の展示をしており、初期の磯崎作品の世界観にどっぷりと浸ることができた。

 建築自体は、初期磯崎建築の傑作の最右翼と言っていいだろう。非常に骨太に丁寧につくられている。個人的には、これと双璧なのが、群馬県近美なのだが、年表をみていて、北九州市美と群馬近美が同じ年に竣工(!)(1974年)という事実に改めて気づき(すみません、有名な事実かもですが、今更気づいた次第。。。)、静かに戦慄する。「すげーな。当時の事務所は(多忙の極みで)戦場状態だっただろうなぁ。」と勝手に妄想。

 群馬はズラシていく設計者の意思が感じられるが、北九州は、ある意味正当に(例えば、基本的には構成はシンメトリーだし)ドンと構えて、モダニズムの総決算を表現している、ように感じる。街の中心から、かなり離れているので、その環境が、孤高感を増大させている。いや、いい建築を体感すると元気がでる。(TM



2025/02/25

卒業設計レビュー@福山

 福山大学に、卒業設計の審査会に招待され、赴く。福山大学には、大学時代の研究室の後輩である、佐藤圭一先生が在籍されているので、審査会に声掛けいただいた次第である。

 卒業設計も大学によって趣きが異なり、今となっては、「せんだい日本一」等の全国共通のイベントが存在する訳だが、ある意味地域性というものは、そこまで画一的なものにはなっていないことを実感。

 今回みせていただいた学生の案には、瀬戸内の島々や海をテーマにした作品が多く、新鮮な視点でみることができた。後は講評の場でも話させていただいたが、非常に現実的な提案が多かったので、「もっと視点をずらせていっても、大丈夫ですよ!そいういう発想の展開も、実際の設計でも大切なので!!」というようなコメントをさせていただく。

 終わった後、学生も交えての懇親会もあり、このあたり同じ研究室出身の同じような空気感を感じられた。佐藤先生、ありがとうございました。

 今日発表した学生さんたちの今後の活躍を期待しています。(TM

2025/02/24

B.B.会改め、怠け者たちの会

 年度末の様々な所用や行事で、完全にやられている。例年ながら、体力も限界。。。と、いう訳で、ブログがまた滞った次第。すんません。もやは、ただの言い訳です。。。

 少し落ち着きを取り戻してきたので、溜まりに溜まったトピックをランダムにUPします。しばらく、毎日ドロップする所存です。。。(できるか?不安ではありますが。。。)

 所用で関西に赴き、久しぶりに大学時代の同級生と邂逅。僕らが在籍していた時代の京大は、最初の1・2回生の教養課程は、工学部のいろいろな学科の学生でクラスに振り分けられていた。ので、建築の人だけでなく、様々な専門分野の友人ができる仕組みになっていた(そう考えるといい時代だったなぁ。)。ある意味、同じ時代を闘い抜いた(そんな大した話ではなく、例えばテスト対策とか、、、、という感じで)間柄なので、今現在も仲がいい。

 今回は、ぴぴ田、ぴぴ山、きのぴた、ザクとひと時を過ごす。会うなり、一気に時間が30数年くらい遡ることができ、学生時代のように杯を交わす。みんな、科学者、クリエイター、トレーダー、医者の世界で活躍していているが、会うと学生時代に引き戻されて、アホな話で華が咲く。

 この会、我々は「B.B.会」と名付けているが、これは映画『ブルース・ブラザース』を踊りまくりながら皆で観る、という事を、学生時代ずっとやってきたという事に由来するのだが、近年は『ブルース・ブラザース』を観ることもなく怠けているだけなので、勝手に「怠け者たちの会」と位置づけている。

 この年になってくると、一体、後、何回会えるのだろうか?的な話にもなり、お互いの健闘を称え合う。そして、「次回こそ、『ブルース・ブラザース』を観よう!」と誓い合いながら帰路に就くのである。おそらく、次回も『ブルース・ブラザース』への道は遠いだろう。そこが、「怠け者たち」の為せる業、なのである。(TM

2025/01/24

インランド・エンパイヤ―の彼方へ


映画監督のデヴィッド・リンチがこの世を去った。

本当に一つの時代が終わった、のだと感じる。

あの世界観をもう観れないのかと思うと、寂しさが募るばかり。

『ロスト・ハイウェイ』のように、閉じない円環をリンチの魂が漂いながら受け継がれてゆくことを願う。
合掌。(TM)

2025/01/21

ホーソーンと斜め屋敷、ついでに十角館

 正月休みは、のんびりしたく、ミステリー小説をたくさんかき集めて楽しんだ。思った以上には読書タイムを取れなかったが、アンソニー・ホロヴィッツの最新作『死はすぐそばに』を読む。このシリーズにハマってしまい、出版されたら即買いで楽しんでいる。テーマは毎作クリスティ的で王道なのだが、作品ごとに小説としての枠組み自体に趣向が凝らされており、そこが面白い。今作は、主人公が事件に直接関わらない(!)、というある意味禁じ手を発動なのだが、それでも読むサイドを引き込んでいくので、唸るしかない。作中で、主人公が、密室事件に際し、歴史上ののミステリー小説に言及するシーンがあり、そこで何と、島田荘司の名作『斜め屋敷の犯罪』が採り上げられていてビックリ。

という訳で、読み終わった後、『斜め屋敷の犯罪』を読む。そして、『斜め屋敷の犯罪』を読んだら、綾辻行人の『十角館の殺人』が読みたくなり、と無限ループの様相を呈してくる。。。

そうしていたら、『十角館の殺人』が正月に丁度ドラマ配信されていた。これ、映像化すると、犯人がすぐにバレてしまうので、どう表現したのかな?と思い、1話目の冒頭をTverでのぞいてみたが、ちょっとテイストが自分には合わなかったので、断念。

 という感じで、何やかんやと、ミステリー小説を楽しんだ年始めでありました。元気にいきますよ。(TM)

2025/01/17

0117、30年の歳月、そして野球

 1995年117日。阪神・淡路大震災から30年。

神戸出身の身ととしては、あっという間の30年とも言えるし、長い年月だったという感もある。震災当時は京都にいたので、自分は被災は免れたが、丁度前日が実家で法事があったため、夜まで神戸の実家に泊まるか、京都の下宿に帰るかを迷い、結局京都を選択した、という経緯があったのを思い出す。両親は被災したが、幸い無事だった。ただ、普通の生活を取り戻すまで、かなり大変だった様子がうかがえた。震災直後は京都から神戸にたどり着くのも半日がかりで、交通が壊滅的状況になっているなか、火事で民家が燃えているのを横目に、不通になった線路の上を歩いて実家まで物資を届けた。それからもう30年か。

その年の夏に、自分がイタリア・トリノに建築修行に旅立つことになるのだが、今考えると、よく両親が送り出してくれたなぁ、と感謝の念にたえない。

 そして、そこから少しだけ時計の針を進めてみる。                        

19951021日。日本シリーズに仰木彬監督(当時)率いるオリックス・ブルーウェーブが、野村克也監督(当時)率いるヤクルトスワローズと対決した。1995年。そう、117日に阪神・淡路大震災が起きた年に、神戸をフランチャイズに持つブルーウェーブがパ・リーグを制覇して臨んだシリーズだった。神戸市民の期待を一心に集めるばかりでもなく、日本中の応援を受けての決戦だった。しかし、結果は14敗の完敗。完全に野村ID野球に抑え込まれるかたちでブルーウェーブは敗退した。最後の試合が終わった後、イチローはコメントした。「このような不甲斐ない試合をしながら、完全に負けてしまいました。でも、こんな僕たちのプレーを、ブーイングもせずにスタンドで応援してくれる神戸のファンをもてて、僕たちは誇りに思います。」神戸市民全員が涙した瞬間である。もちろん僕も泣いた。

それから30年が経ち、2025116日、イチローが野球殿堂入りを果たした。授賞式でイチローは、当時の震災に関して触れ、「これからも、自分なりに進んでいく姿が、誰かのきっかけになったり、支えになったり、そんなふうになれたらいいな。」とコメントを残した。いや、とても、グッとくるところである。

そして、95年の話には続きがある。19961024日。前年度日本シリーズで敗れた神戸ブルーウェーブは、再度パ・リーグを制して日本シリーズに登場。長嶋茂雄監督(当時)率いる巨人相手に41敗で勝ち、前年の雪辱を晴らし念願の日本一に輝く。グリーンスタジアム神戸で仰木監督とイチローは宙に舞った。

「レッツ・ロック・アゲイン」。(TM)



2025/01/05

ひとり三社巡り

 東京に帰ってきて、改めて神社詣でに出かけてみる。

 あえて大きな神社は避け(非常に混みまくっているので)、自宅近所の小さな祠のような場も含めて、密やかに三社巡り。

 稲荷神社、金力神社、と巡り、最後に石神井池の畔の水神社とへと、テクテクと歩いて詣でる。まったく人がいないので、ゆったりとした気分で、よい1年となるように祈願する。

 さて、元気に参りましょう。(TM)

2025/01/01

初詣@下畑

 明けまして、おめでとうございます。

 本年もよろしくお願いします。

 コロナの影響もだいぶ遠ざかったので本当に久しぶりに、実家の神戸で正月を過ごす。

 本当に久しぶりだな。

 初詣は、実家から本当に近くに、下畑大歳神社があることを偶然!発見。天高稲荷神社と乙姫大明神が祀られているようで、社殿が2つある、というかなり特殊な神社建築の形式(だと思われる)。

こんなに近くにあるのに、初めて訪れた。

いや、自分の出身地の、謎を垣間見た感じがして、少し幸せ。

立地上、おそらくほとんどよそ者が(絶対に)訪れない場所だと思う。けど、境内は意外と程よくきれいで、地元の方々が見守っている様子もうかがえる。本当に静かに新年のお参りができました。

今年も元気にいきましょう。(TM)