2024/05/05

球場の空気感

 子どもの日に、家族で西武球場へ野球観戦。

 久しぶりに外野席に陣取ってみた。前、外野席で観戦した時は、人工芝の傾斜地だったのが、改修されて座席形式の客席に様変わりしていた。客席のかたちが変わるだけで、本当に雰囲気が変わるものだなぁ、と改めて実感。

 西武球場の他の球場にない特徴は、外野、センターバックスクリーン裏から入場して、各客席に坂を登りながらアプローチしていく動線ということなのだが(ちなみに、池原義郎氏設計ということは、あまり知られていないトピック)、外野席だとそのルートが辿れない(いきなり客席に辿り着けるので) というのが、心持少し残念なのだが、まあこれはこれでアリかな、という感じ。

後、外野席は応援がすさまじいので、ライオンズの攻撃中は立って観戦せねばいけなく、なかなかゆっくりビール飲んで、、という訳にはいかないので、立ち飲み状態(!)で観戦、という次第。まあ、子供たちは楽しんでいたので、よかった。

ライオンズのドラ1、武内投手が評判通りの快投。これは、新人王獲るな!という感じだった。この季節は、気候もいいので観戦には絶好のコンディション。ちなみに、我がバファローズは、いきなり開幕からつまずいているが、まあ、元気にいきましょう(TM)

2024/05/01

邂逅の神戸

 神戸に数日滞在する。少し時間ができたので、小学校時代の友人に会うことになる。

 アンコウ、タナ、マエッコ、の3人。みんな立派に社会で活躍中だが、あまりの久しぶりの出会いに感激する。

 アンコウとは電話で時々話すのでそれ程時間が経ってない感覚だったが、それでも10年振りくらい。タナとも10年振り。マエッコとは、35年振り(!)(しかも前に会ったときは浪人時代の予備校で一瞬の再会だったので、ちゃんと会話するのはほぼ45年振りくらい!!)

 この時間差がありながら、会うと自然と会話が弾んでしまうのは、とても不思議で奇跡的な感じだが、子どもの頃の記憶や体験は、瞬間的に取り戻せるのだなぁ、と改めて驚嘆してしまう自分がいる。いや、素晴らしい時間でした。3人とも、ありがとう!

 帰ってきて、小川美潮の『窓』を聴く。丁度、今の心情に寄り添ってくれる、名曲だ。

 そして、時は、あまりにも早く流れる。

 元気にいきましょう。(TM)

2024/04/30

ブラーとボーダー

 自宅のダイニング・スペースの横に小さな棚があり、その時の気分でレコードを立てかけている。新年度ということで、気持ちも新たにという気分も込めて、新たにセットする。今回は、ブラーのファースト・アルバムと南佳孝の『South of the Border』。

ブラーのファーストは、あまり評価されていないが、このアルバムで既にブラーの音楽性は確率されている。南佳孝のアルバムは、ヒット曲がある訳ではないが、名盤。坂本龍一がプロデュースに参加していて、ジャケットは池田満寿夫のリトグラフの作品で非常に秀逸(ちなみに、この原画を昨年、長野県立美術館を見学した際に展覧会で見れて、静かに喜んだのが記憶に新しい。)。

さて、気持ちも新たにいきましょう。(TM)

2024/04/29

新年度と谷村美術館

 新年度が始まり、あっと言う間に4月が終わろうとしている。

 年度末から年度初めにかけて、親も年老いてきたため、いろいろなことをキャンセルして対応にバタバタとする。個人的に、かなり消耗した次第。基本的にSNSを全くやらないので、このブログが更新されないと心配されるのだが、自分は元気でおります。はい。

 少し落ち着いてきたので、年度末の写真データを整理してみする。2月の後半に新潟方面に赴く際があり、谷村美術館(設計:村野藤吾)にいった時の写真が出てきて、改めて思い出す。すっと観たいと思っていたのだが、なかなか機会がなく行けなかった訳だが、いや。これは大傑作だ。“死ぬまでにみなければいけない建築”だな。

 観光シーズンでもないので、来館者は他に誰もいない。建築を堪能するには至福の時間だ。施設の方に、「他に来館者がいなければ、声をかけてもらえれば、照明を落として自然光だけの状態にもできますよ。」とおっしゃっていただいたので、照明を落としたバージョンも堪能する。建築空間単体だけで感動する経験というのは、それ程ない訳だが、ここはその稀少な体験ができる。そして元気がもらえるのである。合掌。

 新年度も元気にいきますよ!(TM)

2024/03/15

卒業設計審査会(MUレビュー)2024

 遅ればせながら、1月遅れのUPになりますが、武蔵野大学の卒業設計の審査会を開催。

 今年度から卒業設計の審査のやり方を大きく変えた。一大変革と言ってもいいだろう。まずは、1月に開催の学内審査を各学生に対してじっくりと講評をおこなうことで、充実度を高めた。

 そして、今回から学内審査に加えて、大きな企画を立ち上げた。

 建築設計界で活躍する建築家を審査員として招聘し、「武蔵野大学卒業設計レビュー MU Review 2024」と銘打った公開審査会を併せて開催した。ちなみに、審査員は原田麻魚(MOUNT FUJIARCHITECTS STUDIO)、大島芳彦(ブルースタジオ)、藤野高志(生物建築舎)、高野洋平(MARUarchitecture)の各氏という顔ぶれで、モデレーターを水谷が務めた訳である。我ながら、その辺の卒業設計審査プログラムより充実した陣営となっているのではないか、と自我自裁(誰も褒めてくれないし(笑))。

 企画から準備までほぼ一人きり(いや、助手のコンちゃんが、手伝ってくれた。ありがとう!)でやりきったので、個人的には、この準備があまりに大変で、ひっくり返りそうだった。

 審査会自体は盛り上がり、審査員の方々も熱心に審査いただき、一安心。まずは、動き出せた成果は大きいと思う。今後、学内の卒業設計、設計演習(設計製図)が盛り上がって欲しい、ということと、学生の今度の糧となることを切に願うばかりである。(TM)

2024/03/14

卒業と、雑感と

 武蔵野大学の水谷研18期生のゼミ生10名が卒業。

 今年から、コロナの影響もなくなり、学位記の授与を対面でおこなえるかたちで、卒業式は開催の運びに。式後、卒業生が企画した小パーティが学内で開催されたが、コロナ世代はこのような企画に慣れていないのか、教員たちよりも先に卒業生たちがドンドン会場から帰っていくので(!)、いつ終わったのか分からない会になってしまっていた。いや~、そういう時代になったのかな、と先生方と苦笑しながら学生の門出を祝う。

 コロナに戦争に地震に、もう本当に大変な時代だと思う。4月からの新しい世界での活躍を期待したい。そして、式後のガイダンスで卒業生に話したが、革命を起こしてほしい。

 今年の水谷研のキャッチフレーズ(毎年勝手に小生が定めている次第。。。)は、かつてジャズ・ミュージシャンの菊地成孔氏がTBSラジオでやっていた時の口上と、ある小説のメッセージとリル・ヨッティをモチーフにしている。それでは、卒業生へのはなむけに。

欺かれぬ者は彷徨う

ネットの届かぬ所で、革命の音が鳴っている

Let’s Start Here!(TM




2024/02/07

椅子の講評会2023(年度)

 ブログの更新が、また滞ってしまいました。すみません。

 年度末でさまざまな事柄が目白押しだったので、また振り返りも含めて、随時UPしていく所存であります。よろしくお願いします。

 さて、例年そうなのだが、年度末なので様々な授業の講評会、発表会、審査会がおこなわれる。武蔵野大学で椅子をつくる授業をやっていて、その講評会を開催。今年度もゲスト講評者を招いての講評会を何とか無事に開催の運びとなる。木工作家の渡邊浩幸さん、映像ディレクターの土居京子さん、現代舞踏家の相原朋枝さんに参加頂き、それぞれの多様な視点から講評を頂く。僕以外はみなさん建築とは違った分野の方々なので、その講評も個人的にはとても楽しい。

 しかし、今年度、この講評会への学生の出席者が少なく愕然とする(これまで20年近くやってきて休む学生はいなかったので、まさか!という事態だが、3割以上の学生が参加しなかった。上級生である3年生は半分以上が欠席する事態に。)。若い世代に何かが起こっているなぁ、と感じながらも、気を取り直して講評会に臨む。事前の授業内での作品講評では、史上最弱の出来の悪さ、というイメージを持っていたのだが、欠席者が多かったことが逆に幸いして、例年と同じレベルの感じではなかっただろうか。ゲスト・クリティークの講師の方々も、いい感じで講評いただいているように見受けたので、一安心といったところ。

 例年、いろいろと学生が考えてくれるような課題の提示をしているが、このシリーズもそろそろ限界のような気がしてきていて、次年度以降の課題の在り方と、更には授業の在り方も要検討、といった感じである。ただ、この授業の醍醐味は、じっくりと考えて愚直に制作していく、ということであり、そういう姿勢で臨まないと、作品における本質的なパワーは生まれないような気がする。それがデザインを考えていく上でとても大切なことだと思う。当たり前のはなしなのだが、効率ばかり目指していては、底が浅くて、たかが知れているのである。学生諸君には、そこに気づいて、殻を破って欲しいと思う。

 さて、次年度以降に、期待するばかりである。しっかりと頑張った学生には充実感を持ってくれれば嬉しい限り。さて、怒涛の年度末が続いていくのです。はい。(TM)

課題:  コロナの後に

妖怪の孫が遺す妖術から解き放つ

そんな時に座るイス」

【課題概要】

20233月末、岸田政権の新年度予算成立により、過去最大の114兆円の予算が成立した。政権は性急に防衛予算の拡大に進んでいることが、窺い知れる。(そして、このお金はどこから出てくるのか、、、というと、僕たちの血税が、、、ということになってくるだろう。。。)思想家・文学者である、内田樹氏が自身のHPにUPした文章を読んで、下記のような趣旨を汲み取った。

 岸田首相(政権)に、独自の日本の将来についてのビジョンはあるのか?

 日本の安全保障戦略を、今の(昔も含めてもいいけど)政府は考えているか?

 F35戦闘機をなぜ爆買いするのか?トマホークは本当に必要なのか?(そもそも、これらは、アメリカでは、すでに時代遅れの兵器ではないのか?)

 そのために増税することが許されるのか?

 更に、インボイス制度で、また国民に負担がかかっていないか?

 同じく、マイナンバー制度も、同じく負担がかかっていないか?

 それらを横目に「政治はこれからもまったく変わらない」と思うのは、ショボくないのか?

 そして、この、ろくでもない国の不完全なシステムの穴を、自己利益を増やそうとしている人は許されるのか?(現に、オリンピックで、電通独占状態だった訳だし。。。)逆に、この状況をあきらめて、このシステムの外に、逃げだすのは恥ではないのか?システムの中に踏みとどまってシステムを良い方向に改善する選択肢は、もう今の若者(皆さんのことです)には存在しないのか?

(以上、出題者の抜粋及び意訳)

 大変なことになってきている感が満々だが、国民(僕たちも含めて)は、残念ながら無関心である。だって、実際、選挙にも全然行かないし。

 20233月に、映画『妖怪の孫』(企画:河村光庸、監督:内山雄人、企画プロデューサー:古賀茂明)が全国公開された。

 まずは、これを観て、実際に何が起こっていて、今の政権がどこに向かおうとしているのかを、考えてみることから始めよう。

 そして、“妖怪の孫”の呪縛から、解き放たれる術を考えて欲しい。

 作品を考えるにあたって、今の状況の具体的な問題点を指摘して欲しい。もちろん複数でも構わない。それを起点に、作品を考えて欲しい。

 斬新で、メッセージ性のある、魅力的な作品を期待しています。

                       (水谷 俊博)