2025/03/05

設計演習講評(2024)

 既に昨年の話なのだが、授業の写真を整理していたら、武蔵野大学3年後期の設計演習(授業名、「設計製図4」)の写真がでてきたので少し振り返る(かなりタイミング遅くなってしまいすみません!)。

 武蔵野大学3年生、設計演習2024年度最終課題の講評会。武蔵野大学は4年生に設計演習の授業がないので、これが授業としてはラストの設計課題となり、後は卒業設計を残すのみとなる。

 3年生後期は僕も含めて5名の建築家(小池啓介(Thirdparty)、御手洗龍、アリソン理恵(ARA)、瀬戸健似(+NEW OFFICE)の各氏と、私め水谷)によるスタジオ制(各建築家により異なる課題を出して、少人数のスタジオのようなかたちでおこなわれる設計演習)での設計演習のかたちをとっており、他のスタジオの課題が見られるのはこの講評会だけなので、教員としても楽しみである。昨年度のこの授業の履修者が15名しかいないという前代未聞の状況だったのだが、今年度は40名ちょっとの履修があり、盛り上がりを取り戻したので、本当に良かった。

 水谷スタジオの2024年度課題は(ここ数年とそれ程変化なく)『武蔵野市現代美術館』。敷地はかつてバウスシアターが存在していたサイト。水谷スタジオの今年度の履修者7名も課題に奮闘した。

・アーティスト工房の新たなあり方に着目して、創作活動自体も魅せる美術館

・敷地全体を特徴的なジグザグの壁で構成し動線空間を軸に、展示空間を結ぶ美術館

・屋根レベルに大きなオープンスペースを設け断面的につながる美術館

・小さな諸室を敷地全体に分散配置にして、それらを路地上上の空間で巡っていく美術館

・レベル差が多様な展示空間を回遊動線を辿りながら、断面的にも関係づけた美術館

・展示エリアと共用部をパラレルに配し、相互をさまざまな開口でつなげる美術館

・ゆったりとR状を描く平面のプロムナードを中心にさまざまな機能がつながる美術館

と、いう具合にそれぞれに魅力的な提案を完成させた。

 講評会も、今年度は盛り上がったように感じる。やはり、履修者が多いと、お互いに学生も切磋琢磨し合うので、作品のクオリティが上がっていく。

 授業が終わった後、久しぶりに、学生も参加するかたちでの対面で懇親会も開催。いよいよコロナ前の状態に戻ってきたな!、と実感。

 さて、学生諸君には、この成果を是非、卒業設計につなげて欲しい。元気にいきましょう。 (TM)