2020/12/31

Look Back 2020 ゆく年来る年

さて人生史上初めて、関西で正月を迎えないということになった。

今年は本当に大変な1年だった。

個人的にはあまり良いニュースが無い中、1年の後半に、グッドデザイン賞受賞(「むさし野文学館」)と「むさしのエコreゾート」が開館&雑誌「新建築」掲載、というのは本当によかった。

みなさん、ありがとうございました。

前を向いて行きましょう!!

みなさん、よいお年を。新年は5日からスタートします。(TM)

2020/12/30

Look Back 2020 その2

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2020。今日は音楽編。

 今年もあまり新譜を手に入れることが少なく、もっぱら中古アナログレコードをボツボツとゲットしていたという次第。しかも新型ウィルスの影響でレコード屋も一時閉店していたので、その辺りも困ってしまった。

 ので、こちらもセレクトするのにかなり困った。

 ということだが、2020年のマイ・ベストを選んでみる。

 順番はこんな感じ。

 1位:『Is Love Enough? / Stone Foundation

 2位:『Notes On A Conditionlal Form/ The 1975

3位:『Tempo Sem Tempo/Joana Queiroz

4位:『Fetch the Bolt Cutters/Fiona Apple

 5位:『All Rise/ Gregory Porter

  今年はストーン・ファンデーションの新作を1位に。LP2枚組だが、全曲素晴らしい。特にポール・ウェラーをフューチャーした楽曲がいい。安定したスキルに裏打ちされた楽曲群は、まさにこの新型ウィルス後の時に包み込むような安らぎを与えてくれる。

 2位は、実は1位とかなり迷った。1975の超力作(タイトルも相変わらずすごい)。これもLP2枚組だが、まさに現在のロックの進化系の象徴といえるだろう。海外の音楽メディアではあまり評価が芳しくないが、今年を代表するロック・アルバムといえるだろう。

 3位は、厳密にいうと昨年末リリースのアルバムだが、ステイ・ホーム中にかなり聴いていたのでここに入れさせていただく。現代ブラジル音楽のクラリネット奏者による新作。多重録音による円環的、螺旋的な音楽は、まさに癒しそのもの。

 4位はフィオナ・アップルの傑作。海外音楽メディアで年間1位の嵐。今年はこれとテイラー・スウィフトの「フォークロア」といった感じだろう。これもLP2枚組だが、A1曲目冒頭から名盤の風情がバッチり。そこからの展開が凄まじい。聴くのにパワーが必要なアルバム。また、そこがいい。

 5位はグレゴリー・ポーターの新作に。変わらない、安定感。楽曲のクオリティ。現代ではこのオールドスクーラー・テイストのアーティストも少なくなってきた感があるが、この時だからこそ聴くべき音楽、という感じがする。

 さて、そんなこんなで2020年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2021年はどんな音楽に出会えるでしょうか!(TM)

2020/12/29

Look Back 2020 その1

 2020年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2020を振り返り。

 で、今日は映画編。

 映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。なので、今年は映画館が一時閉鎖になってしまい、本当に困った。いや、なので、今年のベストを選ぶのにも本当に困った。と、いいながら何やかんやで、今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。

1位『ヘビー・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』/ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ

2位『パブリック/図書館の奇跡』/エミリオ・エステべス

3位『テネット』/クリストファー・ノーラン

4位『サンダーロード』/ジム・カミングス

5位『スウィング・キッズ』/カン・ヒョンチョル

別枠『2人のローマ教皇』/フェルナンド・メイレレス

 1位は、いきなりマイナーな一品(ノルウェー&フィンランド合作)だが、『ヘヴィー・トリップ』に。テーマはヘビー・メタル(バンド)なのだが、これは、あまりにも現在版「ブルース・ブラザース」なところが、ハマってしまった。これは新年が明けて一発目に観た映画だったので(まだ新型ウィルスの影響はなかった)、これを抜く映画が結果としてなかったというところ。基本コメディだが、最後泣ける。コロナ後の現在、絶対観るべき、勇気を与えてくれる映画である。

 2位は『パブリック』。不勉強で知らなかったが、あのエミリオ・エステべスが良い感じに歳をとってて、精力的に映画をつくっている、というところに静かな感動。「I Can See Clearly Now」の楽曲とともに、ラストのあっと驚くシーンは涙もの。

 3位は『テネット』!この映画がコロナ一旦落ち着き後に上映されて、本当に感激の一言に尽きる。個人的にはクリストファー・ノーランが苦手なのだが、これは面白さ百万点!科学的な根拠レスな点などが批評されているが、そんなのは関係なく観て大いに楽しむべし(実際、劇場で観ながら何回か爆笑した(周りは笑ってなかったけど))。合掌!!

 4位は『サンダーロード』。小さな作品だが、愛おしくも切ない負け犬ムービー。監督、脚本、編集、音楽、主演、をすべて一人でやっている。ブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」をモチーフにしているが、劇中ではその曲は一切鳴らないというところも渋くていい。

 5位は韓国映画で個人的には今年no.1の『スウィング・キッズ』(ということなので「パラサイト」より個人的には上)。最初の方は「ちょっと、失敗したかな。。」と思わされたが、途中からのドライヴ感がすごかった。カラックス・オマージュンのデヴィッド・ボウイのあの曲が鳴り響き疾走するシーンは鳥肌もの。最後の着地も救いが無い感じだが、能天気なハッピーエンドではない所がまた良い。

 この他、netflix映画は今年も良く、『2人のローマ教皇』が秀逸だった。バチカンの内部を巡る映像は、圧巻の一言。建築関係の者は絶対観るべし映画。上映は今年もやっていたが、基本的に昨年の映画という感もあったので枠外にさせていただく。

 という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。

 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2020/12/22

卒業設計審査会2020(年度)

 さて、武蔵野大学の卒業設計の公開審査会を開催。疲労のため体力は限界。ここは気合で乗り切るのみ。今年は新型ウィルスの影響で、卒業設計の審査会がオンラインでおこなわれることに。異例の事態で準備も大変だった。学科のスタッフのみなさんはおつかれさまでした。バックアップ体制を敷くため(司会進行の学科の田中正史先生にアクシデントが発生した場合、即ピンチヒッターできるように!)、キャンパスに出校してオンラインに臨む。

 事前に提出された作品をみて全審査委員の教員が投票をおこなう1次審査によりファイナリスト選定。10名の学生を選定し、最終審査で発表をおこなう。今年は、それを全てオンライン上で、ということになる。1300にスタートし学生の発表に続き、公開審査会に突入。今年も審査員の先生方、12名という大所帯で開催(しかも、Zoom&限定You Tube公開で!)するので、これがなかなか審査会の運営上の難易度を上げている。

 最初に投票をおこない議論に入る。今年の結果は10作品のうち得票が多い2作品と少ない2作品、その中間の6作品にはっきり分かれるかたちとなった。8作品に絞り、各作品に関して各審査委員が講評をしていく。例年通りではあるが議論が多岐に渡るため、なかなか議論が深まっていかなく若干時間切れ感も残しながら、作品の順位までを合議で決定することができずに最終の決選投票へ舵を切る。と、文章で書くと平坦な感じになるが、このあたりで既に夜の7時前。今年は2作品が群を抜いていたのでどちらかだな、と予想。後は混戦と思ったのだが、予想通りその2作品を軸にして順位が決まった。1位から4位(武蔵野大学は4位までが優秀賞)はある意味、順当といえば順当な結果となった。

 水谷研からは、6名(!)が最終審査会に臨み、ケンタ、リョウ、ナナコが次点ということで涙をのんだが、モモが見事1位(最優秀)を獲得。セイナが2位(優秀賞)、(この2作品は投票結果は大接戦だった)、ハヅキが3位と大健闘だった(3名は年度明けに、全国のコンクールに出展するので、健闘を祈るばかり)。重ねてになるが本当にお疲れさまでした。審査する側もどっぷりと疲れました。

 終わった後、例年は盛大に懇親会をおこなう訳だが、今年はそれもできないので、個人的には非常に消化不良な感じで終わることになる。まあ、状況が状況だけにそれは仕方ないところ。学生たちには、卒業設計は卒業後も自身の語り草になるので大切にして欲しい、というようなことと、まだ年明けも卒業研究(ゼミ)は続くので卒業まで引き続き「心を燃やせ」(鬼滅の刃、にかけて)をメッセージとして伝えて、長い一日が終わる。

 さて、いよいよ年度末も佳境に突入。(TM)

2020/12/03

「むさしのエコreゾート」掲載

 2つ前のブログで紹介をしましたが、設計デザイン監修で携わった、『むさしのエコreゾート』が雑誌「新建築」202012月号に掲載されました。

 改めて「新建築」を眺めながら、大きな設計組織の大きな建築作品がひしめく中でとり上げていただき感謝の念にたえません。

 施設は入場無料ですので、お近くにお越しの際はご覧ください。

  下に誌面にない建築写真いくつかピックアップしました。(TM)








2020/11/24

場所の記憶@動物園にて

 もしかしたら以前にもこのブログで書いたかもしれないが、不在になっても、その場の記憶は残っている、ということを想い出す。3連休ではあるが、新型ウィルスのこともあり基本的にステイホームな訳だが、あまりに天気もいいので、家族で自転車に乗って井の頭動物園(自然公園)へ。

 2016年までゾウの「はな子」がいた場所は、亡くなった後も残されていて、この空白の空間がしみじみと人の心を打つわけである。吉祥寺美術館発行の『はな子のいる風景』という記録集があって、これを夜一杯やりながらポツリポツリと読んでいくのが、また感慨深いのである。(TM)

2020/11/15

環境啓発施設オープン

 武蔵野市の環境啓発施設「むさしのエコreゾート」が開館。プロジェクトもこの施設ができたことにより全体の完成をみることとなる。

 オープニング式典はこの新型ウィルスの影響もあり、小規模で開催されたが、アートディレクターの森本千絵さん(ロゴデザインや施設内のグラフィックデザインをてがけられる)の力強いミニレクチャーに元気づけられる(式典後に記念撮影をしていただく。ありがとうございました。)。

 非常に長い間プロジェクトに関わってきたということで、個人的にも感慨もひとしお。

 関係各位みなさま、開館おめでとうございます。今後の施設の活動の展開を期待するばかりである。(TM)



2020/11/04

トロールの森2020

 杉並区の善福寺公園で開催されている野外アート展『トロールの森2020』に大学研究室で作品を出展しています。 http://www.trollsinthepark.com/art/     作品名は「Obscured by Cloud」。公園内に出現した雲をモチーフにしたインスタレーションの作品です。作品内に埋め込まれたミラー板を通して、本当の空の雲が写り込んで見える仕掛けになっています。 会期は2019/11/3から23日まで開催しています。入場無料ですので、お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。 (TM)

2020/10/10

GOOD DESIGN AWARD 2020

 今年度のグッドデザイン賞の発表があり、「むさし野文学館」が受賞の運びとなる。

https://www.g-mark.org/award/describe/50996?token=jTIni7tmJ7

 最近良いニュースがまったくなかったので、自分としては本当に嬉しい限り。小さなリノベーション建築で、しかも住宅という用途ではないので、なかなか建築メディアで採り上げられない様子が窺えたが、日の目を見てよかった。審査委員の方々がしっかりと見ていただいている様子もうかがえ、感謝の念にたえません。

 小さな建築だが、研究室の学生と足掛け4年かけてのプロジェクトだったので、卒業生たちもこのニュースに喜んでいる。文学館、土屋忍先生はじめ、関係各位のみなさま、ありがとうございました。「むさし野文学館」の今後の活動展開も楽しみです。(TM)

2020/10/07

ライトハンドよ永遠に

 まったく個人的な話になるが、その人の存在を知ったのは、中学1年生の時(37年程前になるのか。。)に初めて自分の小遣いで買ったLPレコード、マイケル・ジャクソンの『スリラー』を聴いた時だった。スリラーの楽曲の中で、一際異彩を放つギターを響かせていた。その時は知らなかったが、程なくして、テクニックが史上最強のギターリストだということを知る。

 また個人的なトピックなのだが、大学時代に友人とバンドを組んでいて、一度そのギターリストの曲をカヴァーしようとしたところ、ギターのチャイ君が、「バッキングですら弾けない。。。」と唸っていて、結局カヴァーするのをあきらめた、ということも想い出した。

 そのギター・リストが亡くなった、というニュースが駆け抜けている。早弾きやライトハンド奏法といった技術的なことばかりが話題になりがちだが、最大の特徴は、抒情的ではない徹底的に無機質なその音にあると思う。だからこそ抽象性があり奥深い音楽ができあがっているのだ、と思う。

 「Hot For Teacher」を聴きながら、白ワインを飲み、偲ぶ。史上最強のロックバンドのフロントマンであり、唯一無二のギターリスト。

 その名も、エディ・ヴァンヘイレン。(TM)

2020/09/26

ダーティ50

私事で恐縮ですが、不肖、私めが50になりました。

家族はじめ、祝福をいただく。ありがとうございました。

いや、もう100の半分なのね、と感じ入りながら、この歳になってくると、嬉しいか?と聞かれれば、もう微妙な感じになってきてしまっているが、まあ、お祝いいただくのは、本当に嬉しいものですよね。

50になって何か変わったか、と聞かれることがあるが、残念ながら全然変わってない。多分。いろいろと考えさせられる。が、考えてもはじまらないこともたくさん!

ので、まあ、それはさておき、また更に精進いたします。(TM)



2020/09/17

夏の講評会

 まだ暑い日々が続く。ベランダの小さな向日葵もきれいに咲いている。そして、まったく余裕がなく、ブログを更新できていない自分に反省。
 夏季休暇を利用して、武蔵野大学の2年生の設計演習(「設計製図1」)の授業を対面形式もオンラインと並行して実施していたが、ついに講評会を開催。開催するまでは様々なハードルがあり本当に大変だったが、何とか無事に終了できた。オンライン対応の授業で感じたことは、対面によるコミュニケーションとのヴォリュームの圧倒的な差である。やはりオンラインでは伝わる(或いは伝えられる)要素が限定されており、お互いがかなり神経を使わないと本当に薄っぺらいやり取りになってしまう可能性がある、ということである。そして設計演習の授業においては、いはんやをや、である。後、模型がいかに大切かを痛感する。模型から獲得できる情報量の大きさを改めて実感できた。今回は提出を任意にしたが、必須にすれば良かったと思わずにいられない。

 しかし、何はともあれ、学生諸君は頑張って作品を仕上げ、講評会が終わった時は一様に充実感を漂わせていた。さて、すぐに後期に突入する。今後の展開に期待するばかりである。(TM)

2020/08/31

きびしい夏の行軍

 暑い日々がつづく。
 新型ウィルスの影響で前期半分を休講にしていた設計演習の授業が、対面形式が一部解禁になり、この夏季休暇中を利用して始まりだした。ので、さらにいろいろな事がバタバタとしだし、気づいたら8月はまったくブログを更新できなかった。
 8月の末に所用で名古屋方面に赴く。本当に久しぶりに東京圏外に出ることになる(そもそも電車に乗るのも久しぶりだ)。マスク着用等、いろいろと気を使いながらの行軍、という感じ。まだしばらくこんな状況が続いていくのだろう。
 メディアでは“新しい生活様式”、というようなことが盛んに叫ばれているが、あまり魅力的なことが待っているとは思えない今日この頃。微妙にゆらいでいる世界を何となく感じながら、前進あるのみである。(TM)

2020/07/16

コロナ(・ビールのこと)でちょっと

  梅雨で雨模様がつづき、このところ感染者の数が東京は過去最高を出している模様。なかなか収束する気配がみえない。本当に長期戦になりそうだ。東京都知事選も特に何もなく終わり、まあ、予想通りと言えばそれまでなのだが、これからの東京のあり方も考えさせられる。
 ある意味どうでもいい話だが、この新型ウィルスの一連のニュースの中で、コロナビールが、名称から風評被害を受けている、というトピックが一時聞かれたが、ネットで(今更ながら)確認してみると、売り上げが上がっている、という側面もあるようだ。これは、ネット(SNS)などで、ある意図をもって上がった事が、その逆の効果を生む(或いは生んでしまう)、ということの一例のようである。複雑な時代だな、と感じてしまう。それにしても、このコロナの一連の対応といい、ネット上の意見(国民の意見と置き換えてもいいのかは若干疑問)に、流され(&ブレ)続ける政府の動きは、また不安にさせる。国民の意見を聞いていればそれで良い、という時代も終わったのかもしれない(かといって香港のように超強権的なのもあり得ないし)。
 そんなことを思いながら、大好きなコロナビールを嗜むのであります。(TM)

2020/07/01

散歩のふたり

 梅雨で雨模様がつづき、7月に入る。新型ウィルスの状況は、東京は芳しくなく、感染者も増えている模様。
 最近は自宅と事務所の動きは徒歩になっているため(距離にして片道4km弱程)、まあまあの運動量になっていて、また、この暑さと相まって、体重は落ちてきている。もう、不健康なんだか、健康なんだか、分からない?という感じだ。
 そんな行中で、何と、カモの親子(二匹で)が道を歩いているのを発見!住宅地の真っ只中なので、どこからやって来たのだろう(善福寺公園までは中々あるぞ、という距離感)、と思いながら、無事に帰れることを祈るばかり。しかし、当人たちはそんな心配を他所に悠然とあるいているのでありました。(TM)

2020/06/22

開幕

 いよいよ、プロ野球が開幕。
 無観客でのスタートになったが、やはり、野球は無いよりは有る方がいい。我がバファローズは、またしても開幕戦を落とす。かれこれ10年程、開幕戦で勝ててないらしい。これはパ・リーグ記録らしい。いやはや。
 日曜は武蔵野大学のオープンキャンパス。今回は諸々オンライン対応なのだが、ネット環境に不安があるため、大学にて学科説明のライブ配信をおこなうことにする。久しぶりにキャンパスに入ると、緑が生い茂っている。自然は関係なく時を刻んでいるのであります。(TM)

2020/06/20

スカイラーキング

 謎の新型ウィルスが猛威を振るい始め、ステイホームの状況に入った時期から、特に書くことがないことから、ブログが(個人的な)名盤シリーズになっていた。状況も変わってきたため、今回でこのシリーズも一旦終わりにしようと思う。
 この一連の騒動も、人々はすっかりと忘れていくのかもしれない。カミュの「ペスト」でも、そのような流れが描かれている。しかし個人的には、この時期のことを忘れることはないだろう。なかなか困難な心境になり、事務所からトボトボ帰りながら携帯でラジオを聴き、そこから流れてくる『We Are The World(by U.S.A. For Africa)を耳にしたとき、歩きながら、思いがけず号泣したことは忘れないと思う。
 この一連の騒動が終わった後のことをしっかりと考えないといけない、と思いながらも、あまり整理できていないこともある。まあ、それでもしょうがない、と割り切ることにする。まさに、Walk Onである。
 最後に、XTCの超名盤『スカイラーキング』を。素晴らしい音楽の玉手箱だ。個人的にはマイルズ・デイビスの『クールの誕生』(ジャズのうるさ方の人々には賛否両方あるようだが、個人的にはマイルズのベスト!)のロック盤と位置付けている。
 ポップであり、ロックであり、最高、である。合掌。(TM)

2020/06/15

ビー・グッド

新型ウィルスの状況は(自分の身の回りでは)それ程変わらず。
だが世間では、街中に人々があふれ出し始めている模様。
いろろな生活モードが変わりつつある、と感じる。
長い間ブログを更新できないでいた。
個人的な事情もあり、非常にゆとりがなくなっている。心が折れそうなこともあった。まだ立ち直れていないところもあるが、前を向くしかない。

グレゴリー・ポーターの2nd『ビー・グッド』を聴く。力強い音楽が助けになる。(TM)

2020/05/14

エデン

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 だが、緊急事態宣言が39県で解除される。もちろん東京は含まれないので、基本的にはGWは明けたが、今までと状況は変わらない。(ちなみに、緊急事態宣言が解除されたらこのブログの名盤シリーズ(勝手にやってるだけですが。。)は収束しようかな。)
 改めて、自分のこれまで居住してきた場を思い起こしてみると、兵庫県→京都→東京(千葉と隣接した所)→茨城→東京→大阪→兵庫→東京、という感じなので、どこにいてもあまり変わらなかったなぁ(茨城は特定警戒に含まれているので)、と思ってみたりする。あまり意味ないのだけど。
 ちょっと静かに、エブリシング・バット・ザ・ガールを聴くことにする。デビュー作の『エデン』。個人的には90年代の珠玉の名盤。棚に積読状態だった「未必のマクベス」(早瀬耕著)をパラパラ読んで知るが、最初の方にこのエブリシング・バット・ザ・ガールの話がでてきて、若干シンクロ感を覚える。今となってはネオ・アコースティックの代表的な存在と位置付けられているが、大ブレイクする(エレクトリックになってクラブシーンにうって出る)前のこのアルバムが最高傑作だと思う。シンプル、かつ優美なのである。(TM)

2020/05/10

洪水

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 この状況でのGWも終わりになる。
 非常事態宣言は継続している。コラムニストの小田嶋隆氏のネット上のコラムで、ブルース・スプリングスティーンの歌を引用していた。1973年のデビュー作、『アズベリー・パークからの挨拶』収録の曲「For You」の歌詞の中に、「おい、人生ってのはひとつの長い非常事態だぞ」という一節がある(小田嶋隆氏 『ア・ピース・オブ警句』より引用)、ということである。
 まさに、そうなのかもしれない。いよいよテレワークに限界を(いろんな意味で)感じつつあるが、まあ、常に非常事態だと思うと、全体的に心に余裕が欲しいと切に願いながら、前に進むしかない。
 そこで、GW最後には、ハービー・ハンコック御大のお出ましである。あまり有名ではないかもしれないが、ハービー・ハンコックの作品で(自分が聴いた範囲では)一番好きな盤が『洪水』(まさに、非常事態感が。。。)。日本のライブ公演の盤(中野サンプラザと渋谷公会堂で収録)で2枚組のボリューム。特に1枚目A面、「処女航海」から「アクチュアル・プルーフ」への構成は怒涛のような流れで、シビれる。まさに洪水のような音楽。素晴らしい。(TM)

2020/05/07

ドゥーワップス・アンド・フーリガンズ

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 このGW中も、実は大学の授業は開講しているので、落ち着いている気分ではない。元々オリンピック対応の学年歴(前期を早く終わらせて、五輪に備える)が組まれていたため、このGW中は休みがない。そして、オンラインの授業や会議が進行する訳である。オンラインは便利なようでいて、何となく、超アナログ人間としては、ついて行けてない。いや、ついて行こうとする、モチベーションが。。。いや、そういう話はやめておこう。
 この状況が収束したら、世界的に環境は激変している、という論調を盛んに目にするようになった。個人的には、あまり具体的なビジョンがえがけていないが、いい方向に変わってくれることを願うばかり。うむ、あまりに抽象的だな。
 こういう時は、ブルーノ・マーズを聴く。ファーストの『ドゥーワップス・アンド・フーリガンズ』。あまりにメジャーすぎる、のだが、やはり名盤だ。何が名盤たらしめているかというと、一言でいえば、何度でもレコードを回したくなる、ということに尽きる。さまざまな名盤があるが、一度聴くと疲れてしまうものもあり、そう考えるとなかなか稀有な1枚。そのあたりはマイケル・ジャクソンとも通じるところがあり、と感じる。現代のスーパースターの楽曲でこの状況をつつみ込むのである。(TM)

2020/05/04

プレッツェル・ロジック

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 ステイ・ホームのGW。まあ、こういう時期があってもいいのだろう。ソーシャル・ディスタンスという言葉をよく目にするようになった。一瞬、なぜ、そんなに何でもかんでも横文字表記になるのか?、と思いながらも、この距離というのは、空間のスケール(寸法)に密接にかかわると思うので、ちょっと考えてみたくなる。
 そこで、ちょっと前に、女優(タレント?)の壇蜜さんのコメントをネットニュースを見て静かな衝撃を受けたのを思い出した。最近結婚をした本人が、別居生活を送ってる(お互い肯定的に)というB級芸能ニュースのような感じだったが、その記事の中で、「今、一番欲しいものは?」という質問があり、それに対する壇蜜さんの答えが、「さすまた」というものだった。しかも「ピンク色の」ということだった。
 “ピンクのさすまた”である。いや、素晴らしすぎる。その情景を想像するだけで、何て、ユーモアとアイロニーがあって、そしてアートである。ついでに、ソーシャル・ディスタンスには最適だと、(個人的には)感じ入ってしまった。おそるべし。
 そういう時には、静かにスティーリー・ダンを聴くのである。個人的にはファースト・アルバムは超名盤だと思うが、ここは3rdアルバムの『プレッツェル・ロジック』を。静かに流れる時を堪能すべし。A1曲目は「リキの電話番号」。“ピンクのさすまた”が手元にあってもいいかもしれない。(TM)

2020/05/01

紫の炎

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 若干、都内の感染者数が減ってきている気配もあるが、GWに突入していく。
 オンラインで大学の授業も始めだしたが、まだ試行錯誤が多い。設計演習の対応も非常勤講師の先生方と調整しながら考えている。まあ、すべて新しい経験と思えば、それはそれで、やり甲斐はある。
 本棚に積まれていた、チャールズ・ブコウスキー著の『勝手に生きろ!』を読了。学生は達はこの状況で就職活動が大変だと思うが、この本を読むと勇気づけられるかもしれない。
 GW前哨戦ということもあり、プレイするアルバムは、ディープ・パープル(!)の『紫の炎』(原題「Burn」)。A1曲目 Burn」、これこそ爆音で。まさにこのモヤモヤとした時に聴くべし。あまりにメジャー過ぎるかもしれないが、名曲だ。すべてを吹き飛ばす。デヴィッド・カバーデルのヴォーカルに合掌。(TM)

2020/04/28

ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 ずっと室内で作業をする訳なので、ただでさえラジオ人間なのだが、更にラジオ漬けの日々が続いている。どの番組も一様にして、この状況をふまえて、という放送のようだ。そんななか、Inter FMの深夜に放送されている、『Daisy Holiday!』がすごいことになっている。MCは音楽家の細野晴臣!普段の放送は、ゲストを迎えたりして、かなりユルユルとやっている(いい意味で言ってますよ)のだが、先々週から、こういう状況もふまえて、細野さんのワンマンDJ。スタッフもなしの作り込み、ということで「Stay Home」というテーマを銘打って、もう音楽の洪水である。約30分の番組で10曲くらいのオンエア。そして、どれも素晴らしい楽曲チョイス。この前の放送もザ・バンドの曲以外知らない曲の嵐で、テンションはあがるばかり。いや、素晴らしい。
 放送を聞いた翌日、ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を久々に棚から出してきて聴く。言わずとしれた超名盤。だが、すごく奇妙なアルバムでもあることは確か。当時のサイケデリック全盛の時代における、ある意味反楽天的なこのルーツ的なアプローチ。だが、独特のリズム隊(ドラム&ベース)の音作りの斬新さ。そして、その歌詞の難解さ(不思議さ?)は本当に独特だ(特に最も有名なA面最後の「ザ・ウェイト」の歌詞解釈を巡ってはさまざまな論争(?)あり)。ジャケットはボブ・ディランの子供の落書きのような絵、というのも、その不思議さを助長している。A3曲目「In A Station」が個人的に好きだが、細野さんもこれをかけていて、個人的には静かにアガる。やはりこの不思議な感じだが名盤というところが奥深い、のである。(TM)

2020/04/25

ザ・ポール・ウィナーズ

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 ずっと、カミュの『ペスト』のことが気になっている。中学生の頃読んだ気がしていたが、本棚を探したところ無かったので読んでないのかもしれない。高橋源一郎のNHKラジオの番組『空飛ぶ教室』で紹介されていたので、概略をつまんだだけだが、人間は本当にどうしていいか分からないような状況になったとき、本質的なことを考えるようになる、ということなのだと理解した。もちろん、まっとうな人間であれば、ということである。今の現在、そのまっとうな人々はどのくらいいるのだろうか?、いや、自分も含めて、ということを考えてしまう。
 深く考える時間を与えられているのだ、と、今現在の状態を捉えると、意外と気持ちが落ち着くかも、と思ってみたりする。
 そんな感じで、ポール・ウィナーズのアルバムを聴く。ギターのバーニー・ケッセルがメインのアルバムのような体裁だが、何といってもレイ・ブラウンのベースが最高にいい。ドラムはシェリー・マン。これ見よがしなソロや、余計なモノがなくて、あまりに謙虚な名盤。村上春樹がエッセイ『ポートレイト・イン・ジャズ』で「人間性の自然な延長の先に、その音楽はある」と評している。まさに、その通りとうなずくばかり。(TM)

2020/04/22

リーン・オン・ミー

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 自分が聞いているラジオ番組では、映画監督の大林亘彦監督と、歌手のビル・ウィザースの追悼特集をよく耳にする。
 嵐のような雨が降ったり、快晴のポカポカ陽気になったり天気の動きが激しい。庭のチューリップが満開だ。自然にとっては、ウィルスも関係なく時が流れているようだ。手元にあった、『プレイバック』(レイモンド・チャンドラー著(村上春樹訳の方です))読了。「タフでなければ生きてゆけない。優しきなければ生きている資格がない。」(生島治郎訳のアレンジ)の有名なフレーズがある(個人的にはこれが清水俊二訳と勘違いしていた)。まさに、今のピッタリかもと、少し思ってみたりする。村上訳では違った表現になっていて、少し不思議な感じがする(ちなみに、清水俊二、矢作俊彦の訳も微妙に異なる)。
 

 ビル・ウィザースのベスト盤を聴き、ホセ・ジェームスのビル・ウィザース・トリビュート盤を聴く(いずれもCD)。どれも名曲だ。(TM)

2020/04/20

サイコキラー'77

新型ウィルスの状況は変わらず。
個人的な変化はというと自宅にいる時間が長くなったので、久しぶりに本を読む時間ができてきた。世間ではカミュの『ペスト』の売れ行きがすごいらしい。そのニュースを横目で眺めながら、昨年からずっと本棚に積まれていた『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著)を読了。カズオ・イシグロの作品としては、個人的には珍しく読み進めるのに苦労した。が、骨太の作品だ。作中の霧(竜が世界中吐き出すという設定)の存在が、この時期なので、何となくコロナに対する人々の記憶のメタファーと感じてしまう。
流れる音楽は『サイコキラー77』(現代は『Talking Heads :77』)。トーキング・ヘッズのアルバムの中で個人的には最高名盤(まあ、ここは色んな意見があると思いますが。)。ゆるやかでいて、そして異彩を感じられる。(TM)

2020/04/16

「突撃隣りのスゴい家」

こんな状況だが、
「石神井台の家」が、本日、TV番組で放送の予定です

BSテレビ東京
「突撃!隣のスゴい家」
2020416日(木)2100
ちなみに写真は収録時の1コマ。(TM)

2020/04/14

スーパーフライ

 相変わらずの状況が続く。
 業務上もオンライン云々をするしかなく、本日は会議でも投入された。活用しているというか、それにコントロールされている気分になってきて、何となく居心地が悪い。
 もうこんな時は、御大カーティス・メイフィールドを聴くしかない。名盤中の名盤、『スーパーフライ』のお出まし。A面3曲目は、「フレディース・デッド」、そしてB面最後は「スーパーフライ」。コロナをすみやかにあらい流して欲しいと願いながら。(TM)

2020/04/09

ヘヴィー・ウェザー

新年度だが、何もできない状況が続く。
新型コロナの影響は予測がつかない。緊急事態宣言も出た。そんな中、大学の授業は、オンライン活用で今日からスタート。
ブログも書くことがないのだが、こういう時は良い音楽を聴くしかないかな、と思いつつ、という感じで。
しばらく、こんな感じが続くと思います。
ウェザー・レポートの『ヘヴィー・ウェザー』を聴く。
ショーター、ジャコ、そして、それらのすさまじい個性をまとめるザヴィヌル、のアンサンブル。素晴らしい。
A1曲目は、「バードランド」。爆音で聴くべし。コロナを吹っ飛ばして欲しい。(TM)

2020/03/23

年度の終わりと、卒業とか、雑感と

 武蔵野大学の水谷研14期生のゼミ生12名全員が卒業。新型コロナの影響で卒業式は中止(&謝恩会も中止)になったが、学位記を取りに来た卒業生たちが研究室に集まってくる。
 そうしたら、ゼミ生からサプライズで、本当に素敵なプレゼントをいただく。これで1年の疲れも吹っ飛びますね。ありがとうございます。学生諸君は改めて、おめでとう。4月からの新しい世界での活躍を期待したい。




 年度末のまとめの一環だが、大学では年度毎に学生の作品集を制作しており、今年度も巻頭あいさつのテキストを書くことになった。ちょっとフライング気味ですが、2019年度を振り返るということで、全文を以下に掲載させていただきます。
 さて、コロナの影響でそうなるか全く状況が読めないが、いよいよ来年度へ向けて始動しだす。(TM)

■2019年度学科作品集はじめに
 2019年度(今年度)の『卒業設計・卒業制作・卒業論文集 』も無事に完成しましたのでここにお届けします。工学部建築デザイン学科の作品集としては第2号になり、無事に発行できたことに感謝するとともに、学生諸君にも「おめでとう」という言葉を贈りたいと思います。
 と、この文章を書いているこの瞬間に、ラジオから世界最大の音楽祭典であるグラミー賞の受賞の様子が刻々とあがってきました。結果はご存知の通り、ビリー・アイリッシュの主要4部門独占、ということになりました。(と、ここで、どうせこの文章は誰も読まないだろうから、いっそのことビリー・アイリッシュ論を延々と書こうか、と頭をよぎりましたが、自制することにします。。。はい。)
 さて、受賞の際に、共同して作品をつくりあげてきた兄のフィニアス・オコネル(彼もすごい才能の持ち主です)のコメントが大絶賛でした。それは、「僕たちはベッド・ルームで曲を今でもつくっています。ベッド・ベッドルームで曲をつくっている子供たち、君たちも夢が叶うよ!」(以上、概略)と、いうものでした。まさに、今の(これからの)時代を表象しているコメントで、時代が変わることを感じさせられます。
 ビリー・アイリッシュの特徴は、その楽曲の素晴らしさもさることながら、すべての自分の表現を自分自身でおこなっていることにあります。まさにDIY(自分(たち)自身でやること)です。曲づくりや録音を自分のベッド・ルームでおこないアルバムを制作する他、自らのファッション(グラミーにも体のラインが出ないダボダボの服で登場したことがニュースになっていました(通常、女性アーティストはそのフェミニンな魅力を強調するファッションが慣例なため))、アルバム・ジャケットやツアー・グッズのデザイン、楽曲PVの制作、巨大なフォロワーを抱える自身のSNSの管理などを含め、あらゆる方面から自身のプレゼンテーションに関して徹底的に自分でおこなっています。言い換えれば、自分をコントロールするようなマネージャーや既成の枠に嵌めようとするレコード会社を拒絶し、挑戦している、ということです。なので、常に新しいサウンド(&イメージ)を発表し続けています。
 そして、彼女はまだ18歳です。学生諸君の誰よりも若いです。
 ビリー・アイリッシュが発するメッセージは、「地に足をつけ」ながら「オリジナルであること」、であると個人的には感じています。この卒業研究は、まさにみなさんの試金石です。さて、みなさん、18歳には負けてられないぞ!次はみなさんの出番です。そして、50歳の自分もいい建築創りつづけるぞ。。。と肝に命じながら、卒業生みなさんの今後のご活躍を期待しています。(TM)