2020/04/28

ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク

 新型ウィルスの状況は変わらず。
 ずっと室内で作業をする訳なので、ただでさえラジオ人間なのだが、更にラジオ漬けの日々が続いている。どの番組も一様にして、この状況をふまえて、という放送のようだ。そんななか、Inter FMの深夜に放送されている、『Daisy Holiday!』がすごいことになっている。MCは音楽家の細野晴臣!普段の放送は、ゲストを迎えたりして、かなりユルユルとやっている(いい意味で言ってますよ)のだが、先々週から、こういう状況もふまえて、細野さんのワンマンDJ。スタッフもなしの作り込み、ということで「Stay Home」というテーマを銘打って、もう音楽の洪水である。約30分の番組で10曲くらいのオンエア。そして、どれも素晴らしい楽曲チョイス。この前の放送もザ・バンドの曲以外知らない曲の嵐で、テンションはあがるばかり。いや、素晴らしい。
 放送を聞いた翌日、ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を久々に棚から出してきて聴く。言わずとしれた超名盤。だが、すごく奇妙なアルバムでもあることは確か。当時のサイケデリック全盛の時代における、ある意味反楽天的なこのルーツ的なアプローチ。だが、独特のリズム隊(ドラム&ベース)の音作りの斬新さ。そして、その歌詞の難解さ(不思議さ?)は本当に独特だ(特に最も有名なA面最後の「ザ・ウェイト」の歌詞解釈を巡ってはさまざまな論争(?)あり)。ジャケットはボブ・ディランの子供の落書きのような絵、というのも、その不思議さを助長している。A3曲目「In A Station」が個人的に好きだが、細野さんもこれをかけていて、個人的には静かにアガる。やはりこの不思議な感じだが名盤というところが奥深い、のである。(TM)