2024年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2024を振り返り。
で、まずは映画編。
映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。今年は夏から、いろいろとバタバタし過ぎで8月以降映画館にあまり足を運べなかった。
と、いう数少ない観た映画30作品の中から、という感じ。
さて、今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。
1位『エストニアの聖なるカンフーマスター』/ライナル・サルネット
2位『夜明けのすべて』/三宅唱
3位『ホールドオーバーズ』/アレクサンダー・ペイン
4位『チャレンジャーズ』/ルカ・グァダニーノ
5位『憐みの3章』/ヨルゴス・ランティモス
今年は、上位3作品は差がなく、実質全部1位!そんな中で、小さな規模の順に並べてみた次第。
『エストニアの聖なるカンフーマスター』は、非常に奇妙過ぎる映画で、「一体何なんだコレは?」という衝撃の連続で面白かった。カンフーと宗教(信仰)に何故かブラック・サバス(ヘビーメタル・バンドの)を掛け合わせたテーマで、SFのようでありながら、アクションあり、ドラマ的な成長譚もあり、そして最後は家族や愛の話に帰着して泣ける、という映画だった。そして絶えずバックにはブラック・サバスが鳴り響いていて(って書いてて意味不明)、最高なのである。最後のエンディングを観ながら、『恋する惑星』(監督:ウォン・カーウェイ)を想い出してしまったのは、多分、自分だけだろう。。。
『夜明けのすべて』は純粋に良い映画だった。妹尾まい子の同名小説の映画化。上白石萌音が最高に素晴らしい。大田区の馬込周辺が舞台になっており、東京下町の街の様子を非常に良い感じで切り取っている映像が非常に秀逸。限られた予算でも、傑作ができる、ということを証明している。
『ホールドオーバーズ』は何といっても、アレクサンダー・ペイン監督最新作。アレクサンダー・ペイン好きなんです。映画の舞台は70年代なのだが、現在の最新の技術を駆使して、70年代のテイスト(映像から音楽まで)を再構築する、という一見みただけでは分からないコダワリが詰まりまくっている作品。最後のオチもマジで泣ける。
『チャレンジャーズ』は、ルカ・グァダニーノの最新作。ルカ・グァダニーノも好きなんです。内容的には、ほぼ意味のないテニス・スポーツジャンルの作品なのだが、非常に特異な撮影技術(というかスタンス&センス)と勢いだけでグイグイと押し切る、という爽快な一品。ゼンデイヤの凄さがやっと分かったし、ジョシュ・オコナ―とマイク・ファイストと共鳴する3人の演技が最高で、圧巻のラスト。
『憐みの3章』はヨルゴス・ランティモス節復活の作品(ここのところアカデミー賞等を意識したような大作が続いていたのでイマイチ個人的には食いきれずだった)。今年は、アカデミー・ノミニーの『哀れなるものたち』も上映されたが、個人的には絶対こっち。個人的には決して好きな映画ではないのだが、とんでもない作品。多分、今年一番笑った(しかも、大苦笑いで)映画。。
後、『ロボット・ドリームス』、『ルックバック』のアニメ作品もよかった。残念ながら、観たかったけど、『メイ・ディセンバー』、『バーナデッド』『動物界』を見逃したので、また再上映の機会を待ちたいところ。
という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。
明日は音楽編、いきますよ。(TM)