2024/12/31

Look Back 2023 その2

 昨日に引き続き、全く個人的なマイ・ベスト2024。今日は音楽編。

 今年もあまり新譜を手に入れることが少なく、もっぱら中古アナログレコードをボツボツとゲットしていたという次第。ので、セレクトするのにかなり迷ったのだが、2024年のマイ・ベストを選んでみる。

 順番はこんな感じ。

 別枠:『The Holdovers/ O.S.T.

 1位:『No Name/ Jack White

2位:『12 Hugs/ 羊文学

3位:『Find Your Flame/ Nubiyan Twist

 4位:『Defiance Part2/ Ian Hunter

 5位:『soraya/ soraya

 まずは、映画『ホールドオーバーズ』のサントラ。サントラなので別枠に。映画の舞台が70年代なので、その時代に合わせた楽曲が並ぶが、当時の音楽だけではなく2000年代以降の70年代テイストの曲も絶妙に配されていて、素晴らしい。クリスマス・アルバムとしてもいける。国内はデータ配信とアナログLPでの販売という両極の特異な販促の在り方(自分がゲットした当時)で、もちろんアナログ・レコード2枚組を入手。何故かCDでは販売スルー、というのも一興だった。楽曲群も素晴らしく、年末までにかけてかなりの頻度で聴いていた。

 1位は、ジャック・ホワイトの新譜。マジで、ロック!という作品。そして新しいということを実現できている。まさに、「ロックは死なない」を最先鋒で戦っている姿は涙なくしては語れない。

 2位は羊文学の新譜。邦楽を基本的にはあまり聴かないのだが、子どもたちが『呪術廻戦』を観ているのを横で観ていて、曲がよかったので、アルバムまで買ってしまった。ギター・ロックがほぼ死滅してきた昨今、こんな音楽が日本の人気アーティストが生みだしているのは素晴らしいと思う。

 3位はヌヴィアン・ツイストの新譜。UK出身の9人組アフロジャズ・バンド。ソウル、ジャズ、エレクトリック、ダンス、等の要素が混然一体となった万華鏡のような傑作。ナイル・ロジャースも1曲参加していて純粋に楽しめるアルバム。

 4位は、何とイアン・ハンター先生の新作に。イアン・ハンター御大、まだ、バリバリの現役である。御年85歳!!ギター・ロックを真正面からやっている姿勢に脱帽。

 5位も日本のアーティストの作品に。壷阪健登(p)、石川紅奈(b)のユニットのファースト・アルバム。何となく、日本のクラシック・ポップとジャズの融合という感じの良作。今後の展開も楽しみだ。

 そんなこんなで2024年もたくさんのいい音楽に出会えた。さて、2025年はどんな音楽に出会えるでしょうか!

よいお年を!(TM)



2024/12/30

Look Back 2024 その1

 2024年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2024を振り返り。

 で、まずは映画編。

 映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。今年は夏から、いろいろとバタバタし過ぎで8月以降映画館にあまり足を運べなかった。

 と、いう数少ない観た映画30作品の中から、という感じ。

 さて、今年のマイ・ベスト5はこんな感じ。

1位『エストニアの聖なるカンフーマスター』/ライナル・サルネット

2位『夜明けのすべて』/三宅唱

3位『ホールドオーバーズ』/アレクサンダー・ペイン

4位『チャレンジャーズ』/ルカ・グァダニーノ

5位『憐みの3章』/ヨルゴス・ランティモス

 今年は、上位3作品は差がなく、実質全部1位!そんな中で、小さな規模の順に並べてみた次第。

 『エストニアの聖なるカンフーマスター』は、非常に奇妙過ぎる映画で、「一体何なんだコレは?」という衝撃の連続で面白かった。カンフーと宗教(信仰)に何故かブラック・サバス(ヘビーメタル・バンドの)を掛け合わせたテーマで、SFのようでありながら、アクションあり、ドラマ的な成長譚もあり、そして最後は家族や愛の話に帰着して泣ける、という映画だった。そして絶えずバックにはブラック・サバスが鳴り響いていて(って書いてて意味不明)、最高なのである。最後のエンディングを観ながら、『恋する惑星』(監督:ウォン・カーウェイ)を想い出してしまったのは、多分、自分だけだろう。。。

 『夜明けのすべて』は純粋に良い映画だった。妹尾まい子の同名小説の映画化。上白石萌音が最高に素晴らしい。大田区の馬込周辺が舞台になっており、東京下町の街の様子を非常に良い感じで切り取っている映像が非常に秀逸。限られた予算でも、傑作ができる、ということを証明している。

 『ホールドオーバーズ』は何といっても、アレクサンダー・ペイン監督最新作。アレクサンダー・ペイン好きなんです。映画の舞台は70年代なのだが、現在の最新の技術を駆使して、70年代のテイスト(映像から音楽まで)を再構築する、という一見みただけでは分からないコダワリが詰まりまくっている作品。最後のオチもマジで泣ける。

 『チャレンジャーズ』は、ルカ・グァダニーノの最新作。ルカ・グァダニーノも好きなんです。内容的には、ほぼ意味のないテニス・スポーツジャンルの作品なのだが、非常に特異な撮影技術(というかスタンス&センス)と勢いだけでグイグイと押し切る、という爽快な一品。ゼンデイヤの凄さがやっと分かったし、ジョシュ・オコナ―とマイク・ファイストと共鳴する3人の演技が最高で、圧巻のラスト。

 『憐みの3章』はヨルゴス・ランティモス節復活の作品(ここのところアカデミー賞等を意識したような大作が続いていたのでイマイチ個人的には食いきれずだった)。今年は、アカデミー・ノミニーの『哀れなるものたち』も上映されたが、個人的には絶対こっち。個人的には決して好きな映画ではないのだが、とんでもない作品。多分、今年一番笑った(しかも、大苦笑いで)映画。。

 後、『ロボット・ドリームス』、『ルックバック』のアニメ作品もよかった。残念ながら、観たかったけど、『メイ・ディセンバー』、『バーナデッド』『動物界』を見逃したので、また再上映の機会を待ちたいところ。

 という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。

 明日は音楽編、いきますよ。(TM)

2024/12/24

クリスマスと美学

 自宅のダイニング・スペースの横の小さな棚に、その時の気分でレコードを立てかけている。

 クリスマス、ということで、今回は、『Do They Know It’s Christmas?』(の12インチEP)と、後、何となくニュー・オーダーの『権力の美学』。

 ニュー・オーダーのセカンド。超名盤。多分、自分のオール・タイム・ベスト・アルバムを選べと言われたら、30枚の中に入るかもしれない。

 そして、この季節はクリスマス・ソングで巷は溢れかえっているが、やはりこれでしょう(まあ、ワム!も良いけど)。このバンド・エイドのチャリティ盤がリリースされるニュースは、当時衝撃だった。自分は中2の頃で、PVをテレビにかぶりついて観ていた記憶がある。そして、この後、『We Are The World』へとつながっていく。時は流れているが、飢餓や世界の経済格差は、当時から変わってない気がする。そんな思いも抱きながら、メリー・クリスマス。元気にいきましょう。(TM)

2024/12/23

松谷武判

 先週のはなし。有明方面に赴くことがあり、その経路で少し時間ができたので、オペラシティ・アートギャラリーで開催されていた、『松谷武判』展を観に行く。

 具体(美術協会)の第2世代として活躍したアーティストで、接着剤(60年代当時は新しく開発された素材だった!)を使った立体作品が有名。今回の展覧会は、過去最大規模の回顧展である。で、回顧展と銘打たれているので、不勉強ながら存じ上げなかったが、現在もバリバリの現役で、作品創作を盛んに続けているという事実に衝撃!プロフィールを拝見すると、御年87歳!いや、素晴らしい。

 展示作品の質量とも充実しているのだが、創作過程を記録した映像展示があり、それを鑑賞した後でもう一度作品を見直していくと、その圧倒的な存在意義が感じられる。接着剤を送風機で地道に乾かして、その上から鉛筆(黒鉛)で更に切々と塗り込めながら仕上げた作品群。圧倒的アナログのエネルギーに感動する。年末のバタバタ感も吹き飛ばしてもらいながら、「「疲れた。。」とか言ってられへんなぁ。」と痛切に感じる。そうです、元気にいきましょう。(TM)

2024/12/22

コロッサル・ユース

 年末になり、本当に慌ただしくなってきた。が、どんなに忙しくても、少し時間があればレコード探索に赴くのであります(!)。

 で、ずっと欲しかったアルバムをついに発見!!

 『コロッサル・ユース』!!!、とは言っても、ペドロ・コスタの、あの難解な傑作映画の話ではない。

 ヤング・マーブル・ジャイアンツ。ウェールズ出身のポスト・パンク・バンドの1980年の作品。カート・コヴァ―ンが影響を大きき受けたアルバムとして、後に再評価されている、ある意味伝説の盤。

 いや、改めて、アナログ・レコードで聴くと、素晴らしさ倍増。

 この傑作をうみだしながら、バンドはこの1枚しかリリースしていない、という史実も、その悲哀も全てをとりこみながらの趣きがある。

 年末のバタバタ感を、音楽で安らぎを与え、元気にいきましょう!(TM)

2024/12/14

20年ぶりの同窓会

 武蔵野大学環境学科住環境専攻(現、建築デザイン学科)1期生の卒業生が主催で、卒業してから20年ぶりの同窓会が開催される。そして、その場に、お招きにあずかる。

 本当に20年振りに会う卒業生もいて、楽しいひと時を過ごす。1期生は、まだ女子大の時期だったので、(当たり前だが)全員女性。今、振り返っても、非常にパワフルな学年だったな。自分も若かったので、一緒になって必死にがんばっていた記憶が甦る。

 水谷研のメンバーも、9人が集まってくれた。みんな元気そうで、うれしいかぎり。1期生みなさん、ありがとうございました。(TM)

2024/12/11

都心の劇場とピアノ

 最近、劇場を調べてみる機会があり、改めて、ポツポツと、比較的規模の大きくない劇場をリサーチしている。

 都心に出向いた際に、大手町にある日経ホールに出向く。600席規模の、基本的には企業セミナー対応をした、ホール。なので、メモ用の小テーブルが内蔵された客席があり、非常に機能的(なので、あまり劇場としての色気はない)なのだが、音楽ユースにも十分に対応をしているようで、矢野顕子のコンサートがおこなわれていたりする。そのアンバランスさが、面白い。

 このブログでも以前、“勝手にマイ天才ミュージシャン”について触れたことがあるが、矢野顕子さんのことを忘れていました。天才ですね。自身の楽曲はもちろんのこと、他の人の曲も、矢野顕子が唄うと、矢野顕子の曲になってしまう。そこが、本当にすごい。

 元気にいきましょう。(TM

2024/12/08

講義:空間とデザイン

 少し前、先月のはなし。武蔵野大学の3年生の授業で「空間とデザイン」というのがあり、盟友の建築家、増谷高根さんに担当いただいていた。この度、授業開始から10年目を迎え、最後の授業となる。

 思い返すと、10年前には、有明キャンパスがメイン・キャンパスだったので、10年の歳月はやはり時間の深みを感じる。増谷先生、長期間に渡り、おつかれさまでした。

 最終講義の後、上石神井の居酒屋で、その10年を思い出しながら、おつかれさまの杯を交わす。だいたい、二人で飲むと、取り留めない話で閉店まで過ごすのだが、今回も例にもれず、最後の方は、スペインのバルセロナの街の話とか、血圧の話とか、ニュー・オーダー(ロックバンドの)の話とか、しているうちにあっという間に終電の時間。

 一つの時代が終わりを迎え、おやじどもは帰路につくのでありました。(TM

2024/12/05

ロボット

 最近、劇場を調べてみる機会があり、改めて、ポツポツと、比較的規模の大きくない劇場をリサーチしている。

世田谷方面に出向いた際に、シアター・トラムに出向く。『ロボット』という公演が上映中。ノゾエ征爾(「1万人のゴールド・シアター」の人だ!)演出。カレル・チャペックの原作としてあまりにも有名な戯曲。100年前につくられた話だが、AIがどんどんと成長している現在を、まさに表現している話、といえるのではないか。

現実の世界をみても、効率ばかりを追い求め、何だか、息苦しい世の中になってきている、と感じるのは気のせいかな?「不毛こそ、人類が達成した、究極の成果。」いや、名言だな。元気にいきましょう。(TM)

2024/12/02

真ん中の指

 いよいよ、12月に入った。

 まさに、師走。これから、年内のラストスパート。

 なのではあるが、そんな慌ただしい時期の最中、まことに痛恨なことに負傷。それ程ひどくないと思っていたのだが、痛みが引かないので念のためクリニックに診察に行ったら、何と骨折していた(!)。いやはや。

 利き手ではない一本の指なのだが、当たり前のことではあるが、使えないと、何かと不便である。こういう時ほど、焦りは禁物である。ゆったりと、元気にいきましょう。(TM)