まったく私事ながら、村上春樹の著作は翻訳も含めてほとんどのものを所有しているので、本の表紙の絵を原画等で観られるのは、なかなか至福の時でありました。ひとつひとつのイラスト作品を観ていきながら、自分が読んだ時代のことが、こちらにフツフツと沸き上がってくる、という不思議な感覚。そう意味でも、文学というものがさまざまな方向性とレンジで、我々に影響を及ぼしているという一端を、まさに個人的に感じることができた訳である。
さて、展示の内容とはまったく関係ないが、それにしても、ものすごい来場者の数(密度)なのにビックリした。美術館が非常に小さな施設なので、そこそこの人数が入るとかなりの密集具合。以前、来館した時は、ほとんど人がいなくて、のんびりと施設を巡ることができたが、あまりの人出の多さに入口で「帰ろうかな、、、」と思った程。果たして、これは村上春樹効果なのか?いや、すごいですね。改めて、東京の懐の深さを感じさせられました。(TM)