もちろん建築も観る訳だが、その主なラインナップは、植村直己冒険館、但馬国府国分寺館(以上設計:栗生明)、豊岡文化会館(設計:増田友也)、安野光雅館、木の殿堂、姫路文学館(以上設計:安藤忠雄)、書写の里美術工芸館(設計:宮脇壇)、という感じ。
中でも予想以上に良かったのは、木の殿堂。丁度、季節的に雪の中をかき分けて施設にアプローチしなくてはならない折ということもあり、その実体験も効いている。後は雑誌で見ていたよりも(これは、確か自分が学生時代後期に竣工した建築)かなりスケールが大きくて、そこが新鮮な驚きだった。だいたい、想像していたよりも実物が小さいということが多いので個人的には興味深い。木という素材感を、これでもかという圧倒的なかたちで表現している空間が清清しい感も生む。こういういわば宮殿然とした建築が、最近はなかなか建つことが難しくなってきたので、いいかたちで利用されていくのを望むばかりである。(TM)