2025年もいよいよラストです。と、いうわけで例年、誰に頼まれる訳でもなく勝手にやってますが、全く個人的なマイ・ベスト2025を振り返り。
で、まずは映画編。
映画はまず映画館のスクリーンで観るべし、という主義。今年は夏休み明けから、いろいろとバタバタし過ぎで9月以降映画館にあまり足を運べなかった。と、いう数少ない観た映画33作品の中から、という感じ。
2位『テレビの中に入りたい』/ジェーン・シェーンブルン
3位『ワン・バトル・アフター・アナザー』/ポールトーマス・アンダーソン
4位『ルノワール』/早川千絵
5位『おんどりの鳴く前に』/パウル・ネゴエスク
5位『さよならはスローボールで』/カーソン・ランド
5位『ミーツ・ザ・ワールド』/松居大悟
(5作品に絞れず、5位を3作品に)
非常に個人的な話になるが(このブログでも散々書いているが(笑))、今年は年の始めの方に観た、『名もなき者』(ジェームズ・マンゴールド)がぶっ刺さり、大学の様々な課題をボブ・ディランにしまくり、学生たちを困惑させ続けた1年だった。と、いう経緯があるからという訳ではないのだが、今回はアカデミー賞関連のメジャー作品は、ひとまずまず昨年の作品として、選外にした。ので、『教皇選挙』、『サブスタンス』、『ブルータリスト』、『リアル・ペイン』、『シンシン』、『アノーラ』、『ロボット・ドリームス』等は、入れずに、上のような感じに。
『罪人たち』は、今年観た中で一番の激アツだった映画。簡単に言うと、前半『ブルース・ブラザース』で後半『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(タランティーノ)という、文字にすると非常に奇妙過ぎることになってしまうのだが、映画の面白さを存分に味わえる傑作。そして、何より、音楽が素晴しい。そして、物語が終わった後の最後のシーンに、とある生ける伝説のあのミュージシャンが登場するのが嬉しい衝撃。観ていて思わず、「オォッ!」と静かにスクリーンに向かって発していた。合掌。
『テレビの中に入りたい』はとても不思議な映画だった。表現するのが難しい。物語全体がジェンダー・アイデンティティの葛藤がメタファーとして描かれている(多分)。基本的に登場人物の青春期が描かれているが、映画の展開が長い年月(いわば老後)まで描き切っているところがこの作品の白眉だと思う。最後のクライマックスは全く救いがないところが、逆に観る者に勇気を与えている、感じがする。若い人がどう感じるか非常に興味があったので、学生に激推ししてしまった(多分、観てないと思うけど(笑))。観終わった後に、何を描いていたかを語りたくなる作品。イコール、名作だと思う。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、おそらく世間的には今年No.1の映画。我が敬愛するポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の作品の中で史上最も分かりやすい映画、と言っていいだろう。そして大作感もあり、もう完璧である。そして、ジョニー・グリーンウッドが奏でるサントラと挿入歌のセレクトは最高の音楽体感もできる。IMAXでもう一度観たい作品。
『ルノワール』は、個人的には今年一番の邦画。何といっても主演の鈴木唯が演じる少女の姿が素晴らしかった。80年代が舞台になっており、その空気感の描き方も秀逸。何となく観る者に、何かを思い出させるような映画でありながら、最後のシーンで幻想的なヴィジョンにフッとジャンプする小さな劇的なファンタジー感が心を揺さぶる。
『おんどりの鳴く前に』はルーマニア映画。コーエン兄弟風のオフビートな日常が、ガラッとバイオレントな展開に持ち込み、観る者をグイグイ引き込んでいく。そして圧巻のラストが観る者を(ノワールなユーモアとともに)腑に落ちさせる。
『さよならはスローボールで』は、これまでもか、というくらいオフビートでスローな草野球映画。ほぼ何も起こらないのだが、それでも観る者を惹きつける描き方は他にない作風があり、もう唸るしかなく静かな衝撃を受けた。
『ミーツ・ザ・ワールド』もよかった。こういうエモい感じで、魅せていくのはかなり難易度が高いのではないかと(個人的には)思うのだが、そこは圧巻の杉咲花の演技が全てを回収していく。いや、素晴らしい。
後、子どもたちに付き添って、アニメ大作もいくつか(『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』など)観たのだが、『チェンソーマン レゼ篇』が素晴らしくて驚いた。そして、『落下の王国』のリバイバル上映(これも改めて観て、すごい作品と実感)にものすごい人出でビックリした。残念ながら、観たかったけど、『孤独のハイウェイ』、『みんなおしゃべり』、『無名の人生』を見逃したので、また再上映の機会を待ちたいところ。
という感じで、来年もいい映画に巡り合いたいですね。
明日は音楽編、いきますよ。(TM)

