2025/05/16

団地の残像

 関西方面に赴くことがあり、甲子園方面へ。ちょっと足を延ばして、海に近い浜甲団地に赴く。

 祖父母が暮らしていた地であり、母が結婚するまでずっと暮らしていた場になる。幼少期は、団地の中の公園で、従妹たちとよく遊んだ記憶が甦る。正月は、甲子園の家に親戚が集まるのが慣習だったので、まあまあ大きくなるまで少なくとも年に一度、訪れていた。祖父母がなくなってからは行く機会がなくなってしまったが、今回訪れて、大きく様変わりしていく様子が見て取れた。

 団地は順次解体されて、新しいマンションに開発されている。祖父母の住んでいた棟は既に解体されていたが、隣の棟はまだ残っていて、当時の様子が窺える場が少しだけ残っていた。ギリギリ間に合った、という感じか。既に一帯は工事の仮囲いに囲まれていて、もうすぐ全て取り壊されるようだ。でも、新しく開発されているマンション群が、それほど良いとは思えない、、、というのは勝手な想いなのかもしれないけど。

 団地を通り過ぎて、海辺の海岸まで歩いてみる。この辺りも変わってしまったよう(大きなプールがあったはずだが、既にない)だが、海の様子は昔のままだ。団地の残像を思い起こしながら、ノスタルジーに浸る。まあ、そんな時間が少しあってもいいよね。(TM)

2025/05/10

今年初野球(観戦の方)

 2025年のプロ野球も開幕し、我がバッファローズは、前評判を覆し、首位を走っている!いや、素晴らしい。このまま優勝へ!!、とはうまくいかないのは重々承知しているのだが、束の間の夢を楽しみたい。

 連休の最後に、子どもたちのリクエストもあり、西武球場(ちなみに、球場の(最初の)設計は、意外と知られていないが、建築家の池原義郎。外野席からすべての観客がアプローチしていく球場の施設構成がユニークで面白い。)へ、2025年になって初の野球観戦。あいにくの天気で、この季節にしてはかなり寒い感じだったが、やはり野球場は気持ちいい。

 埼玉西武ライオンズvs福岡ホークスだったが、ライオンズ先発の上田大河投手が乱調のため試合序盤でほぼ勝負が決まってしまった。ライオンズファンの子供たちは残念がっていたが、まあ、今後のライオンズにも(投手陣が強力なので)期待したい。元気にいきましょう。(TM)

2025/05/04

レプリカたちの夜

 相変わらず、移動が多い。移動中の電車で仕事ができない性質なので、寝るか、ビールか、本を読んでいる。

 移動途中の駅で手に取った、『レプリカたちの夜』(一條次郎著)を読了。非常に奇妙で、でも面白い(そして読みやすい)作品だった。小説の冒頭、主人公が、自身が勤務する工場(動物のレプリカ)を作る工場の設定)で、大きな白熊に遭遇する場面からはじまる。時代や場所の設定が抽象的に描かれているのだ、本物の動物がすべて絶滅した近未来が舞台であり、その白熊が本物なのか、レプリカなのか?ということを主人公がさぐっていく。しかし、そのうち、同じ工場で勤務している同僚や、最後には自分までも、本物なのか?レプリカなのか?分からなくなっていく、というストーリーである。

 この感じ、映画『ファイト・クラブ(デヴィッド・フィンチャー 監督)』を想い出した。段々、自分という存在が分からなくなっていく、という感覚。ふと、歳を取る
というのは、こういうことなのかも、と感じてしまった。

 小説は、映画『ファイト・クラブ』のように、最後の強烈なカタルシスはないので、逆にある意味リアリティがあって、もの哀しい。いや、でもなぁ。。。まあ、そうですね、元気にいきましょう。(TM)

2025/05/01

春の景

 日本は四季があるという季節感が素晴らしい、とはよく言われてきたことであるが、気候変動の影響からか、春と秋の中間期を楽しめる時期が、昔に比べてとても短くなってきていると感じる。

 それでも、春は気持ちいい。

 事務所から大学へ向かう道すがら、石神井川で、きれいな色彩が目に入る。黄色と紫色。川の中に植生している雑草だが、菜の花と紫花菜が織りなす景観は、ある意味美しい。いや、春っていいなぁ、と感じながら、ちょっと調べてみたら、この黄色い菜の花は帰化植物(セイヨウカラシナ)で、川の堤防をいためる程の悪しき影響力があるとのこと。。。まあ、しょうがない。。

 見た感じと、実際の在り様の相違を感じながら、短い春を楽しみたい。元気にいきましょう。(TM)