西日本方面に来たので、北九州市立美術館(設計:磯崎新)に赴く。やっと、観ることができた!、というのが実感。
これまで、福岡方面に来るたびに幾度となく観に行こうとしたのが、いつも美術館の展示替えのタイミングとバッティングしてしまい、今回ついに初訪問となった。丁度、磯崎新の展示をしており、初期の磯崎作品の世界観にどっぷりと浸ることができた。
建築自体は、初期磯崎建築の傑作の最右翼と言っていいだろう。非常に骨太に丁寧につくられている。個人的には、これと双璧なのが、群馬県近美なのだが、年表をみていて、北九州市美と群馬近美が同じ年に竣工(!)(1974年)という事実に改めて気づき(すみません、有名な事実かもですが、今更気づいた次第。。。)、静かに戦慄する。「すげーな。当時の事務所は(多忙の極みで)戦場状態だっただろうなぁ。」と勝手に妄想。
群馬はズラシていく設計者の意思が感じられるが、北九州は、ある意味正当に(例えば、基本的には構成はシンメトリーだし)ドンと構えて、モダニズムの総決算を表現している、ように感じる。街の中心から、かなり離れているので、その環境が、孤高感を増大させている。いや、いい建築を体感すると元気がでる。(TM)