2024/05/26

ぺペ・トルメント・アスカラ―ル

 少し前の話になってしまった。

 全くの個人的な物差しだが、私的に天才だと思っているミュージシャンが3人いる。プリンス、アル・ヤンコビック、そして菊地成孔。

 その菊地成孔率いる、ペペ・トルメント・アスカラ―ルが、突如としてライブを開催。結成20周年の記念公演ということらしいが、まだ健在なのが嬉しい限り。会場は、何と、東京芸術劇場プレイハウス。いや、この取り合わせは、観に行かないという選択肢はないだろう。

 チケットをとるタイミングが遅かったためか、席は、バルコニー席の最前列(端っこ)。演劇ユースの劇場な訳で、丁度、下手サイドスポットの真下だったためか、コーラスの音が少し聴こえづらい感があったが、まあ、それもオツなものである。

 菊地成孔の他のユニットは観たことがあったが、ペペは初めて。いや、素晴らしい。高い技術に裏打ちされた甘美な楽曲に、まさに恍惚としてしまう。このジャンルレスな音は、豊潤で、他にはない唯一無二な存在。合掌。

 終演後、芸術劇場前の広場を通って帰路につく。この広場のことを最近、建築家仲間との考察対象になっているのだが、またそれは別な話。元気にいきましょう。(TM)

2024/05/23

その不確かな壁

 村上春樹著の『街とその不確かな壁』を読了。かなり時間をかけてしまった。全体が3章構成なのだが、2章を読み終えたあたり(3章が非常に短いので、物語はほとんどの部分が終わってしまっているあたり)から、「あ~、終わってしまう、、、」と思い、1日数ページで我慢したり、しばらく寝かせたりするなど、セルフ牛歩作戦(!)に出る試みをして、読み切るまでの時間を惜しんでいた。

 いや、正直、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を高校生の時にオンタイムだった身にとっては、この作品の持つ意味は、とても大きい。(念のため記すと、『街とその不確かな壁』は、ある意味、約 40 年前に書かれた『世界の終わりと ハードボイルド・ワンダーランド』の続編(パラレルな別編?!)と言っていい作品であり、村上春樹の集大成的な作品(と言えると思う)。)約40年の歳月を超えて、ということなので、こっちも40才とってるので、まあ、そう考えると、本当に、時の大切さを噛みしめざるを得ない。読み終わった後、若干呆然としてしまい、何故かWilcoの『ヤンキー・ホテル・フォックストロット』のアルバムを引っ張り出してきて聴きながら余韻に浸る。

 ということで(どういうことだ?)、今年度の大学でのイスをつくる授業の課題は、この『街とその不確かな壁』を読んで、デザイン&制作をおこなう課題とした。学生は、「ゲゲっ!!」というで感じではあったが、まあ、まずは頑張って普段は読まない(であろう)長編小説に取り組んでもらいたい。

 話しは変わり、最近、テレビ東京系で放送されているドラマ「滅相もない」にハマって、Tverで観ている。設定が、「突如、まちなかに大きな孔が出現して、それにまつわる云々、、、」な話(しかも1話読み切りのオムニバス形式)である訳なのだが、非常に舞台演劇的な演出が、超面白い。ふと、この孔に入る感覚が、村上春樹小説の、不確かな壁を通り抜ける感覚と、似ているのでは、と思ってしまう。まあ、他愛もない直感なのだが、いろいろなことヒョンなことからつながっていく、今日この頃です。はい。(TM)

2024/05/05

球場の空気感

 子どもの日に、家族で西武球場へ野球観戦。

 久しぶりに外野席に陣取ってみた。前、外野席で観戦した時は、人工芝の傾斜地だったのが、改修されて座席形式の客席に様変わりしていた。客席のかたちが変わるだけで、本当に雰囲気が変わるものだなぁ、と改めて実感。

 西武球場の他の球場にない特徴は、外野、センターバックスクリーン裏から入場して、各客席に坂を登りながらアプローチしていく動線ということなのだが(ちなみに、池原義郎氏設計ということは、あまり知られていないトピック)、外野席だとそのルートが辿れない(いきなり客席に辿り着けるので) というのが、心持少し残念なのだが、まあこれはこれでアリかな、という感じ。

後、外野席は応援がすさまじいので、ライオンズの攻撃中は立って観戦せねばいけなく、なかなかゆっくりビール飲んで、、という訳にはいかないので、立ち飲み状態(!)で観戦、という次第。まあ、子供たちは楽しんでいたので、よかった。

ライオンズのドラ1、武内投手が評判通りの快投。これは、新人王獲るな!という感じだった。この季節は、気候もいいので観戦には絶好のコンディション。ちなみに、我がバファローズは、いきなり開幕からつまずいているが、まあ、元気にいきましょう(TM)

2024/05/01

邂逅の神戸

 神戸に数日滞在する。少し時間ができたので、小学校時代の友人に会うことになる。

 アンコウ、タナ、マエッコ、の3人。みんな立派に社会で活躍中だが、あまりの久しぶりの出会いに感激する。

 アンコウとは電話で時々話すのでそれ程時間が経ってない感覚だったが、それでも10年振りくらい。タナとも10年振り。マエッコとは、35年振り(!)(しかも前に会ったときは浪人時代の予備校で一瞬の再会だったので、ちゃんと会話するのはほぼ45年振りくらい!!)

 この時間差がありながら、会うと自然と会話が弾んでしまうのは、とても不思議で奇跡的な感じだが、子どもの頃の記憶や体験は、瞬間的に取り戻せるのだなぁ、と改めて驚嘆してしまう自分がいる。いや、素晴らしい時間でした。3人とも、ありがとう!

 帰ってきて、小川美潮の『窓』を聴く。丁度、今の心情に寄り添ってくれる、名曲だ。

 そして、時は、あまりにも早く流れる。

 元気にいきましょう。(TM)