新年度になる。所用で、石の作品を観る機会を得た折の写真が出てきた。実際に手で触れて触れることのできる作品もあるという、展示ソフトとしては、非常にめずらしい取り組みに感心した記憶が甦る。いろいろな石の姿に触れながら、石の奥深さを感じる。
石というと、なぜか、つげ義春の漫画、「無能の人」シリーズの「石を売る」話を思い出す。職を無くした男が、川べりに小屋を建て、そこで河岸に落ちている石を集めて売る商売をする、という話なのだが、もちろん、石は売れる訳なく、、、、という非常に静かで若干不気味な哀愁が漂う作品だ。
石は太古から、そこに存在する訳で、だから、人々は石に惹かれるのかもしれない。不安定な今の時代だからこそ(ウクライナのニュースをみながら)、石に触れて、いろいろ考えてみてもいいのかもしれない、と感じてみる。