2021/10/06

“推し”の世界感

 若干季節外れの暑さが続いているが、新内閣が発足した。あまり前政権から変わり映えしない結果は、まあ予想通りという感じだが、逆にこれで、総選挙が楽しみになってきた。さて、誰(どこ)を推すのか、ということだが、、

ということで、最近、「推し」という言葉に触れることが多くなった。宇佐美りん著の小説の『推し、燃ゆ』(芥川賞受賞)がきっかけだろう。現在、武蔵野大学の文学部と協働でオープンキャンパスの企画を進めているが、その企画のタイトルが「推し本」(文学部らしく)ということだ(ちなみに、推し本の一覧を文学部の学生から見せてもらったが、『推し、燃ゆ』は入っていなかった)。

また、先日、プロジェクトの授業で、授業TA4年生と1年生向けの小課題を考えていたのだが、結局最後は「あなたの推しアイテム制作」という課題にすることに落ち着いた(また、この小課題もこのブログで触れるかもしれませんのでお楽しみを!)。世の中、「推し」という言葉があふれているみたいだ。

さて、そんな感じの中、積読状態だった、『推し、燃ゆ』(宇佐美りん著)に(ものすご~く遅ればせながらではあるが)手を伸ばし、読了。確かに、新しい文学の雰囲気を感じる。が、不思議な小説だ。若い筆者だが、小説としての構成や文章表現は、もう円熟といっていいような気がした(専門家でもないので、あくまで感覚で、だが)。ただ、正直にいうと、物足りなさも感じる。ある意味、非の打ちどころのない小説だと言ってもいい、と思うが、何かひっかかりがなくて、す~っと読めてしまう、というところが個人的には食い切れない所があるのである。あくまで、個人的な感想。でも、建築でも、こういう感覚あると思う。いや、難しい。

 ある学生に、「先生の‘推し’は何ですか?」と質問されたが、「ノーコメント」ということにして、是非、このブログから読み取って欲しい、と伝えた。さて、‘推し’もふまえて、元気にいきましょう。(TM)