ちょっと時間が経ってしまったが、マーヴィン・ゲイの『ユー・アー・ザ・マン』がリリースされる。このアルバムは、一旦1972年に制作されたが、先行シングルが今一つヒットしなかったため、諸々の都合によりお蔵入りになってしまっていた、言わば隠れ伝説の盤。モータウン創立60周年を記念して、このタイミグでの発売になった模様である。アルバム全体の感じは非常に素晴らしく、お蔵入りにするような出来ではないと感じるのだが、まあ、政治的な思惑もあったのかもしれない。楽曲の出来だけでなく、非常に社会的なメッセージ性もあり、どうしようもない現在(例えば、年金問題デモに対して「税金泥棒」とレッテルを貼るかつてのIT長者(逮捕歴あるが、金持ちなので現在もSNSオピニオンリーダー的に幅を効かせている)に付和雷同的に同調するSNSユーザー(一般ピープル。まあ、我々も含まれている訳ですね。はい。。。)が社会の流れをつくってしまっているこの時代)にこそ、聴くべき音楽だ!と、感じる。いや、本当に。
さて、これを機にと、このアルバムが制作される前年にリリースされた、歴史的名盤『 What’s Going On 』を引っ張り出してきて聴きなおしてみる(ちなみに、こっちはアナログ盤)。久しぶりに聴いてみた。いや、これは、、、改めて過ぎるが、すさまじいアルバムだ。特にA面の最後の方、『God Is Love』から『Mercy Mercy Me』につながるあたりは言いようのない感動が沸々と沸いてきて、まさに恍惚としてしまう。さすがにこのアルバムの後は、ハードルが高くなるわなぁ、と改めて納得。日が暮れるのが遅くなったこの時期に、この2枚を並べ聴く夜は、また趣深い。(TM)