2018/10/25

特論@所沢

 大学院の授業で、実際の建築を観るというプログラムを4回シリーズでおこなっている。ランダムに学生に4つの建築をセレクトしてもらい、その4作品を軸に建築(現代建築)の設計手法を斬っていくという、ある意味かなり乱暴な趣向で展開している。しかし、意外な共通項がみえてきたりと、その意外性が実は真髄にアプローチしていけるのではないか、という妄想を若干抱きながら、今回は所沢聖地霊園(設計:池原義郎)へ。かねがね一度観てみたい建築筆頭だったが、なかなか時間が取れずにやっと念願が叶った、という感じ。それにしても、素晴らしい建築だ。久しぶりに建築をみてアドレナリンが上がる感覚を覚える。素材とディテールの調和が見せる圧倒的な空間の姿は、設計の手法論や、構造・環境といったテクノロジーや、つくることのプロセス現自体への分析など、現在さまざまなかたちで取り組みがなされているのもを超えて(というか、そんなのどうでもいいよ!と思わせる程)、建築がつくる空間のよさを厳然と我々に提示しているなぁ、と思ってしまう。当たり前のことだが、実際に建築をみてみないと本当の意味で分からないことを改めて実感。ちなみに、後の3建築は、五島美術館(これも渋いチョイス)、アテネフランセ、川口市めぐりの森、というラインナップ。さて、どんな考察結果となるか、学生諸君に期待である。(TM)