2017/11/17

ドラコニアの地平展

外出のついでに、世田谷文学館で開催の『澁澤龍彦ドラコニアの地平』展へ。丁度、アーツ前橋で『ヒツクリコ ガツクリコ-言葉のうまれる場所-』展を観たばかりなので、言葉(文学)をテーマにした展覧会を、またしても堪能。
 個人的には、澁澤龍彦は学生時代にいくつか作品を読み、かれこれ25年くらい前にイタリアでの生活へ渡欧した際は、『ヨーロッパの乳房』を片手に、辺鄙な地域にあるヴァロック建築やアート巡りの旅をしたのを思い出す。今と違い情報もほとんどなかったので、澁澤龍彦の本に掲載されている写真を、ツーリストセンターや街ゆく人々に見せ、そこまでの経路を懸命に聞きまわっていたなぁ。
 今回の展示は濃密なものでややカオティックな様相を呈しているが、キュレーターの愛を感じられるもので、その余剰さが澁澤龍彦らしくていいのかもしれないなぁ、と思う。やはり、文学、そして言葉というものの奥は深い。(TM)