2019/10/19

できた場所の向こうに

 周辺は大きな被害はなかったが、すさまじい台風が過ぎ去っていった。古い我が家は、所々雨漏りしてきて、ラグビー日本代表がスコットランドに歴史的勝利をあげるのを横目でみながら、雨漏り後の対応に腐心する。
 雨がだいぶひいてきた頃合いに外へ出かけてみる。
 そこには、ささやかな、雨跡の、場所というか領域のようなものができていた。
 不思議な感覚だ。
 子どもはそれを眺めて何を思っているのだろうか。(TM)

2019/10/15

思いもよらないこと

 あまりこのブログで時事問題を書くのは個人的には控えたいのだが、ここ最近の社会の状況で、本当に思いもしないことが溢れすぎていて、若干、混乱とやるせなさが押し寄せている。原発訴訟無罪敗訴にはじまり、関電トップ不正金品授受(これ誰も逮捕されないのか?)、表現の不自由展(愛知トリエンナーレ)補助金不交付、郵政保険不正に関するNHK報道への圧力問題、と続々と目を疑うようなニュースが続発。しかも全てが直接ではないにしても、国(政府)が絡んでいる。後、もう書く気もしないが、「人口対応で『虐殺』発言」を某政党党首がするという、もう言語道断の状況の連鎖が続いている。この国は大丈夫なのか?
 気持ちを落ち着かせるために、目黒の庭園美術館に赴く。昔の人は気骨があったのだなと思わされる。さまざまなことに思いめぐらし、自省しつつ、庭園に佇む。(TM)

2019/10/10

ここは東京か

 我が家の小さな庭に鎮座するトウネズミモチ(雑木なので、生命力が非常にたくましい)がどうしようもなく育ってきたので、毎年恒例の剪定をお願いする。
 枝を落としていってもらったら、何とクワガタがポトッと落ちてきた。息子がつかまえて、早速、虫かごにいれてみる。それにしてもクワガタとは!
 数年前は近くの公園でカブトムシを見つけたし(本ブログ2015716日分参照)、いやはや、ここは本当に東京23区なのか、と思わされる。まあ、都心に比べたらイナカ(環境が良いということ!)なのですが。
 最近、庭に木を植える家も減ってきたので、意外と我が家の雑木が鳥たちや虫たちの憩いの場として機能しているのかもしれない。。。と勝手に夢想するのでありました。(TM)

2019/10/05

鳩の撃退法

 また、だが、音楽・映画に引き続き、この夏読んだ小説の話を少し。佐藤正午著の『鳩の撃退法』を改めて読み直す。この本はまず文章が上手い(自分はまったくの文学門外漢ですが、感覚で)ということと、ストーリーが面白い、という点は勿論だが、最大の魅力は、現実(リアル)と虚構(フィクション)の境界線が、読んでいると微妙に(というところが最大のミソなのだが)ズレてくる、というところだと思っている。それを小説というフィクションでやっている、というところが更に面白さを増している。これは、小説の醍醐味だと改めて感じさせられた。
 これを読み返しながら、この春公開された、イ・チャンドン監督の映画『バーニング』を思い出す。これは村上春樹の小説(短編)『納屋を焼く』を原作としたものだが、劇中の主人公が小説家の卵という設定である。そして、この映画もこの小説がもつ、リアルとフィクションの境界線がポイントになっている映画だと感じている(映画自体がかなり解釈がオープンな(ある意味難解な)映画なので、これもまた一つの解釈だと感じてはいるが)。
 そんなことを考えながら、なぜかウィリアム・ギブソンの『ニュー・ロマンサー』を読みたくなってきた今日この頃。(TM)

2019/10/03

ワンス・アポン・ア・タイム(昔々の・・)

 前のブログの音楽に引き続き、この夏観た、映画を少し。
 クエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピット出演の映画、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がやはりすごい。
 なにがすごいかというと、
60年代最終盤の時代の(街やファッションや人々の雰囲気等々の)空気感(&昔ながらの映画撮影方法による質感)を思う存分体感できる(その舞台の再現性がすさまじい)。
タランティーノの映画としては珍しく残り30分くらいまで(映画の尺はタランティーノらしく今回も160分程の長尺)ほぼ何も起伏が起こらない、けど、ずっとワクワクドキドキする演出。
ブラッド・ピットがここ十数年くらいの出演作の中で圧倒的にカッコいい(ディカプリオやマーゴット・ロビー、他豪華なキャストの演技も素晴らしい)感じ。
 というところか。
 特に、ブラッド・ピットが夜のハリウッドの街を車で疾走するシーンは(特にドラマ性はなく何てことないシーンだけど)見ていて鳥肌がたち思わず泣けて来る程。これは映画館で観るしかない映画。この時期(69~70年)に自分が丁度生まれたんだなぁ(日本だけど)、と思うととても不思議な感覚になる。そして、現在にこの映画がつくられた意味を考えさせられる。ラブ&ピース、永遠なれ。(TM)

2019/10/01

CASAS

 夏も終わりだなぁ、という感じ。
 この夏一番聴いたのがRubel(フ―ベル)というアーティストの『CASAS』(カーザス)というアルバム。めずらしく、LPの日本盤が出たので、すっとレコードプレーヤーにかけていた。本国ブラジルでは非常に高い評価だが、なかなか日本では手に入らなかった(アマゾンでは手に入らず)。ここ2、3年特に感じるが、最早、アナログ盤やCDといった物理的なメディアは、流通がおぼつかない感じがある。いやはや。
 秋の夜長にもいいかもしれないと思い、またターンテーブルにかけるのであります。(TM)