2012/06/01

集まって住むという課題

 3年生の設計演習の講評会。例年通り、第1課題は『10人が集まって住む空間』。この課題も授業が誕生して最初からある鉄板の課題で、今年で8年目を迎える。そう考えると、やっぱり時がたつのは早いもんだと、改めて感じる。「光陰矢のごとし、光より速く」と真心ブラザースが唄ったのもうなづける、、、と、ひとり納得してしまう。うむ。
課題はタイトルから察すると、10人が住む集合住宅ということになるのだろうが、課題の中で一言も「集合住宅」と謳っていないところが実は最大のミソである(と僕は思っている。。。本当かな?まあ、出題者が言っているのだから間違いないだろう。。。)。

 課題へのアプローチからすると、10人の世帯構成、プライベート―コモン―パブリックの在り方、集合住宅のプログラムなどから考えていくのが定石なんだろう。しかし、本当はここで考えて欲しいのは、既存の集住のプログラム自体への疑問を持って欲しい、ということである。その抱いた疑義を問い直した、提案を実は期待している。

 まあ、例年そんなことをいいながら、結局はnLDKの呪縛からは解き放たれずに学生は右往左往してしまうんだけど。今年も、ほとんど、というか100%の人がそのnLDKの檻から出ることができなかった。もう、「さすがnLDK!」と言うしかない、という感じである。この議論をし出すと長くなり過ぎるので(しかも行きつく終着点もなさそうなので)、コメントをするのが難しいところだが、もうぶった切って言うと、別に集合住宅を設計しろ、と言ってないんだから(というか住宅をつくれ、とも一言も言ってない)、ので、もっと建築の根源的なところまで考えて欲しいなぁと思う。乱暴にザクッと言うと、「リビング要んのか?」「キッチン要んのか?」、はたまた「トイレや風呂は要んのか?」という感じである。先述の通り8年目の課題だが、年々そんな学生のパワーが減っていってるような気がするところが少し物足りないところではある。

 とはいえ学生は不眠不休でなんとか第1課題をやり遂げた。第2課題は2年ぶりに美術館。魅力的な提案を期待したいところ。と、いうか、もっと大胆にやっていい。あつくいって欲しい。
帰路に就きながら、ひとつ、ふと今日の学生の発表を聞いて思い当たることがあった。各々の学生が世帯構成の設定をしているのだが、今年の発表では何故か、住人をシングルマザー(やシングルファーザー)に設定している案が多かった。何故なんだろう?本当に多かったので不思議に思う。ドラマで流行ってるとか、それともそういう願望が若者にはあるのか。。。う~ん、分からないですね。考えると面白そうなんだけど。。。
と、微弱な混乱を抱えながら、帰宅する。こういう時は、もうピンク・フロイドにお出ましいただくしかないのである。ピンク・フロイドのアルバム『Atom Heart Mother~原子心母』を聴く。さらに少しばかり混沌とし、夜は更けていく。

2012/05/04

ひと休みの連休


連休中に、ついにダウン。
しかも、かなりダウン。
医者からは過労+胃腸炎の診断(だが、本当にそれだけなのか、と思ってしまうほど回復に時間と体力を要する。)。
やっとなんとか回復する。それにしても時間がかかった。普段の不摂生をしみじみ反省(いや本当に)。

と、いう訳で久しぶりにブログをUPできた次第です(実はこの前のブログも一緒にUPしてしまいました)。
常業務があまりに忙しく、まったく余暇を楽しむ余裕がありませんが、CDだけは新旧おり混ぜて順調に購入中。
最近ではやはり話題のジャック・ホワイトの新しいアルバムがいい感じではなかろうか。今年はヴェテラン勢の、しかもスタンダードのカヴァー・アルバムが続々とリリースされている。ポール・マッカートニーの『Kiss On The Bottom』(もちろんUK盤デラックスエディションを購入)は少々反則気味な感じもあるが、やはりいいものはいい。モノクロのアルバムジャケットが秀逸。絵が掛った部屋でポールが花束を抱えているのだけの、まあありきたりの写真なんだけど、よく見てみると。。。内部ジャケットにあるカラー写真を見ると、本当に細かいことなんですが「おっ」という新たな発見がある。
現在、コンバージョンで美術館の設計をしているが、「こういう、ささやかだけど何かを受け手に感じさせるようなもの(コト)をサラッと表現するのがいいんだよなぁ」と思わせるような説得力を勝手に独りで感じてしまった。
それにしても御歳70。いい渋みが出ていているよなぁ。
そしてトニー・ベネットのカヴァーもちょっと前に購入。こっちは何と、85歳。いや、恐るべし。まったく衰えなし。
誰かが「長生きも才能のひとつ」と言っていたが、まさにその通りと、再び納得。

ひとたび自分を振り返ると、40歳ちょっと。風邪でダウンしてる場合じゃないよな、と思いつつ湯豆腐で英気を養い、床につく。ありきたりですげ、健康第一ですね。いや本当に。

2012/04/26

実測
















ブログの更新が滞っており申し訳ありません。
これからも度々滞ることもあると思いますが、辛抱強く見守っていただければ幸いです。
今日は久しぶりに武蔵境にて研究室の学生と実測調査。いや久しぶりの実測で少し新鮮。たまには研究室らしい活動をしなければ。。と改めて自戒する。。。次第です。
この実測の成果がどうなるかは、まだ何とも言えないのですが、成果報告できるようになったらまたお知らせします。

2012/03/25

久方振りの


大学時代の友人のイシダ君が我が家に来る。
イシダ君は建築の人ではなく、今は界面活性に関する研究をしている研究者である。この度、めでたく関西方面の大学に赴任することになり筑波の研究所を離れるため、関東を離れる前に一度飲もう、ということになった次第である。ついでに産まれて間もないうちの娘も見たい、ということで武蔵関までお出ましいただく。
いや本当に久しぶりで、お互いの結婚式以来じゃないか、ということで、まあ盛り上がるしかないわな、という感じ。多分会うのは7年ぶりくらいなんだが、話しはじめると学生時代にフラッシュバックする感じで、お互いマシンガントークの応酬。あっという間に6時間くらい過ぎ去ってしまった。
イシダ君も自身の研究では新しいことにチャレンジしていくエネルギーが満々で、話していて楽しい。こっちは今時の住宅デザインの話とか美術館設計とかの話をして、イシダ君からは界面活性の奥深い話を聞く。やはり、今流行りはナノなようで、ナノとマイクロの世界の距離間(比喩的な意味での)とか、その間に横たわる未知の世界。そして、原子以下の単位(ヴォリューム?)の可能性など、非常に興味深い話を聞かせてもらう。
どんな世界でもそうだが、やはり「たたかって」いる感がある人の話はおもしろい。改めて、「たたかって」いる意味の大切さを感じる。「たたかう」気持ちを止めたら、僕は建築を止める時なんだろうなぁ、とビールでほろ酔いになりながらひとりごちてみる。
イシダ君にはぜひ関西方面でも活躍を期待しています。

2012/03/21

年度のおわり


年度末になってきました。
学生も卒業をしていき、また1年が終わったんだなぁと感じる今日この頃。
大学では毎年学生の作品集(『Mu』という名前です)を制作しており、その中で教員も毎年1年の総括をすることになっている。自分の担当している授業を総括するのが普通な訳ですが、僕は場違いに随想を勝手に書かせていただく。卒業生は見れるチャンスがないと思いますので、全文を以下に掲載します。卒業生のみなさんは懐かしさとともに、どうぞ。

以下、転載です。

■2011年度 回顧・雑感
2011年度をふり返ってみて、どうだったかと考えてみる。2011年3月11日に東日本大震災が起こって丁度1年程が経過した。このタイミングで、どうしても震災のことに触れずにスル―してしまうのはフェアじゃないような気がしているこの気持ちを明確な文章として表現するのがむずかしい。漠然ともどかしい塊を抱えているような感覚なのである。昨年度も書いたが僕の実家が神戸にあるせいで95年の阪神・淡路大震災は他人事ではない。でも、当時僕は京都にいたためにダイレクトな被災は幸いにも免れる結果となった。ちょっと距離感がある感覚。東日本大震災に関しては、僕はまったくの部外者だし大きな距離感が厳然とある。僕には語る資格というものははっきり言って全くない。の、かもしれない。しかし、何かその漠然ともどかしい塊をどうにかしたいと思いながら2011年度を学生諸君と時間を共に過ごした。さて、学生諸君はどうだっただろうか?
卒業設計・論文の講評会でも、「もっと震災にアプローチした作品があってもおかしくないんじゃないか!」と若干アジッてみたりもした。空間造形4も実は同じ気持ちでいた。全く無責任に放言させてもらうと、課題にこたえるということが大前提ではあるが、2~3作品くらいは課題の枠組みなんかはぶっ飛ばして、そのメッセージを自分なりにぶつける案があってもいいんじゃないかと思った。僕が学生時代なら、おそらくそんな勝負をしているような気がする。いや本当に。今年度の水谷研のスローガンは不謹慎ながら敢えて『お祭りわっしょい!』にしたのも、そんな思いを学生のみんなに託しているからである。
そして今年度の僕の環境プロジェクト(イス環)の課題。『未曾有の出来事への遭遇。そして前に進むとき。僕たちはなにを思う。そんなときにこしかける椅子』。いみじくも渡邊浩幸先生が今年度で最後の指導となり7年の椅子をつくる授業に幕を下ろすことになる。ここにも震災の影響が見え隠れしながら、最後の椅子の課題としては重量感のある課題だったんじゃないだろうか。みんなにも何かを考えるきっかけとなってもらえれば本当に幸いである。
小説家の村上春樹氏がカタルーニャ国際賞を受賞した際のスピーチで、今回の震災のことについて触れ、我々は「非現実的な夢想家」でなくてはならないとコメントしている。「人はいつか死んで、消えていきます。しかしhumanityは残りいつまでも受け継がれていくものです。我々はまず、その力を信じるものでなくてはなりません」、と。
さて、最後に無理やりつなげてしまうが、今年の卒業生は偶然1年の時に空間表現論の授業を担当し、その時にU2のヴィデオを流して言ったことが、良く似ている、、、のである。そして2年後の空造4の課題は『U2のいえ』。そこにそこはかとないデジャヴュがある。U2の90年代最高の代表作『One』のテーマは、愛と人生と支えあうこと、である(と僕は解釈している)。
歌詞の一節はこうだ。“ひとつの 人生  でも同じじゃない  僕らは支えあう  お互いを  ひとつになって ”
「そして前に進むとき。僕たちはなにを思う。」そんなことを考えながら2012年に突入していく。お祭りわっしょい。

2012/01/11

卒業設計2011


2011年度の卒業設計の講評会。
学生にとってはまさに4年間の集大成になる。学生は徹夜明けとかでもちろん大変なのだが、武蔵野大学の卒業設計は原則全員発表なので、審査する教員も大変だ。朝9時にスタートして最後の審査終了が夜の6時過ぎになる。10時間近くの長丁場。
今年も全作品の発表を聞くことができた。

が、「う~ん。。。」とうなってしまう。
例年同じような感想を書いているような気がするが、年々学生の作品のパワーがなくなってきているような気がする。
「なにがなんでも、これをやって(設計して)やる!」というメッセージ、というか、もっとザックリというと、想い&情熱というものが伝わってくる作品がみられなくなっている。例年は数作品、自分的にはちょっとアドレナリンが出てくる作品があるんだが、今年は、うん、1つもなかったかぁ。うむ、残念だ。
学生には常々言っているが、「周りから何を言われようとも、好きなことを建築として、思い切り完成させることが一番大事。」、ということだ。そんなチャンスは学生時代にしかないので、本当に大切にして欲しいと思う。確かに評価が気になるのは分かる。分かるよ。が、評価はあくまでも評価にしか過ぎないので、作品の本質から考えると本当はクソみたいなもんなんだよね。(って、そう言ってしまうと自己否定しているみたいですが。。。)
学生の最後に、自分のやりたいことを、孤独に悶々とやり遂げる、ということは、ある意味ではマスタベーションのような行為に感じるかもしれないが、後後になると、それが本当に大事ことになってくる、と思う。それは自分にとっての自分なりの課題のレベルを研ぎ澄ますことだと思うし、それがきちんとしていればその答えのクオリティは、はっきり言って瑣末なものだ。逆にいくら答えのクオリティが高くても、自分なりの課題をまたっく考えていないとその価値はゼロに等しい。
 それは後々に分かってくるんですよね。まあ、学生のみんなには、悔いのないように最後までやり遂げて欲しい。
 審査の結果、2月の最終審査会の決勝ラウンドに残る14作が決定。うちのゼミ生は5名が決勝ラウンドに駒を進める。予選の感じだと決勝ではかなり苦労するだろう。まあ、毎年のことなんだけど。最後の審査会は、ある意味お祭りなので、思い切りやって欲しい。
そう、
お祭り、わっしょい!

2012/01/07

新年会

 しばらくご無沙汰していましたが、年も改まったことですしぼちぼちこちらにも復帰したいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。

 年末から神戸の実家に帰省していましたが、休暇の最後は妹宅にて新年会でした。集まったのは大学時代のサークル仲間、薮ちゃん、バタヤン、祐ちゃん、妹夫婦と子供たち、私と娘。久しぶりにお目にかかる人もいて、でもブランクを感じさせないのは、皆が若さを保っているから?それともお付き合いが長くなったから?いずれにせよ、集まって楽しい時間を過ごせるのは嬉しいことです。余談ですが、集まったメンバーの誕生日が3人を除いて10月3,12,13,14,15,18日に集中しているのがちょっと楽しい会です。

 会は妹夫婦の家にて、薮ちゃんのご実家で養殖された大量の牡蠣を妹が料理してくれたものを囲んで。薮ちゃんのご実家の牡蠣がなかなかの役者で、話せば面白くて涙が出るぐらいに笑えるエピソードがあるのですが、長くなるので割愛します。もちろん牡蠣の味は最高です。ついでに、本日のメインディッシュになるはずだったすき焼肉が届かなかったハプニングがあったことも、備忘録として書いておきます。2年連続らしいです。来年もあるか!?

 お昼すぎに始まって、お開きになったのは21時前だったでしょうか。子供達のパワーにおされながらも、互いの近況やらを話していました。(こちらは健康の話は皆無でしたよ!) 皆さん各方面で頑張っていて、というか本当にチャレンジング&パワフルに生きていて素晴らしいです。言い方を代えれば自分の納得する生き方しかしない、頑固者?!ぞろいでしょうか。話を聞いていると清々しいです。
 中には「住人十色(テレビ番組)をみたよー。」と言ってくれた人がいて励みになりました。今年も頑張らねば!

 翌日は石山寺へお参り。蜆を買って帰ってきました。
 さて、東京での生活がスタートです。