2015/05/31

下北沢小探訪

 下北沢へ建築家、大塚聡さん設計の住宅のオープンハウスの案内を頂いたので出かける。オープンハウスは極力伺いたいと思っているが、休日はなかなか時間が取れないので、なかなか出かけることができない。今回は何とか時間ができてよかった。3歳の娘が同行したので、お邪魔にならないように。限られた建坪の中、スキップ式に床が展開して住居内に広がりをうんでいるのが好印象。後、塗装色を白に限定していなく、着彩をしている点がポイントとのことで、実際に拝見できて参考になった。多分、今回の設計の主眼ではないと思うけど、建物の立ち姿(端的に言うと外観ということ)のバランスがいいと感じる。最近の建築は、特徴的な(ある意味とんがった)外観のものか、まったく外観に留意していない(ように見せているものも含む)もの、かの両極のような感じもするので、何となく落ち着く。
 敷地近くに、建築家今井兼次の自邸があり、通りすがらチラッと横目でみながら歩く。鬱蒼と茂った庭の樹木の陰から、少し特徴的な屋根が見える。この鬱蒼とした感じは非常に趣深い。下北沢もサブカルチャー的な街のイメージが強いが、少し歩くと閑静な場所で、ブラブラ歩くのにも気持ちがいい。ただ、娘は、持参したチョコとジュースにばかり夢中で、散歩(&住宅)はそれ程味わってなかった模様。まあ、人それぞれに楽しみ方があって、それでいいんだけどね。(TM)

2015/05/27

設計演習講評会

  最近、アラバマ・シェイクスの新作『Sound & Color』(セカンド・アルバムになります)にはまっている。まずは、冒頭1曲目の”Sound&Color”から2曲目の”Don’t Wanna Fight”の流れが最高で、”Don’t Wanna Fight”はまさにキラー・チューンといえるくらいのインパクトを持っている。ただ、それ以上にアルバム全体が持っている曲の群としての圧倒的な力が、個人的に好きな所。巷のレビューでは、ファーストの方がサザンソウルのルーツに近いので、好き嫌いが微妙に分かれている感があるが、僕個人的にはそのファーストの枠を突き抜けた多様(多彩)性と完熟度を評価したい。
  少し建築の話にスライドするが(そして、いつも同じことを言ってるような気がするが。。。すみません。。)、最近の建築は、コンセプトが明確で分かりやすく、プログラムや形態もそれに沿ってグイと引っ張っているようなもの、そしてそれにキャッチ―なコピーが附随しているようなものが評価されるようになって久しいような気がしている。別にそれが悪い訳ではなく、素晴らしいものもたくさんあるが、言いたいのは、そればっかりじゃ、つまんねぇんじゃねぇか(って何故か江戸弁)、と思いたくなる、ということである。コンセプト(と形態(或いはデザイン))の力強さばかりでなく、重層する多様な要素が混然一体となった時のその状態の魅力も評価したい所である(ちなみにアーツ前橋に関して、「ゆるやかな不統一の連続」というような表現をしてみた)。簡単に言うと、一見ではよく分からないこと(もちろん良い意味での)の面白さ、ということの方が、あるまとまった完成形を超えるという可能性もあるのではないか、ということである。これは、雑誌の誌面だけでは伝わらないだろうなぁ、と思うし、実際建築を観てみても分からないケースも多いだろう。空間を体感する人々の感性に委ねられるところでもあるが、大切なことだと感じている。
  そんなこともふまえて、武蔵野大学3年生の設計演習の第1課題の講評会(課題名は『働きながら住む10世帯の住まい』)。先週までの学生たちの進捗をみていると壊滅的な結果も不安視していたが、それなりにまとめてきたので、ひとまず一安心。ただ、全体的な傾向が、ここでもワンコンセプトだけで語りつくそうとしているように見えてしまい、案に奥行きがない感じは否めない。しかもキラー・チューンのような強烈な一撃もないので、残念だ。でも、講評会終了後の懇親会には学生が20名程も参加し大いに盛り上がった。このパワーを第2課題でもぶつけてほしいなぁ。
  さて、帰路につき、アラバマ・シェイクスを改めて聴きながら、長い一日が終わるのでありました。(TM)

2015/05/20

E・DESIGN賞(環境・設備デザイン賞)受賞

「アーツ前橋」が『第13回環境・設備デザイン賞』において、優秀賞を受賞しました(建築・設備統合デザイン部門)。
http://abee.or.jp/designaward/past/13/


建築会館にて授賞式。設計チームのイーエス・アソシエイツの佐藤英治さん、岩井光景デザインの岩井達弥さんと共に出席。コンバージョンのためほぼ露出にした設備デザインも評価を頂き光栄です。
ありがとうございました。(TM)

2015/05/19

ヤバい考

 家の足元のシランが咲きほこっている。どんどん気候も暖かく(と、いうか暑く)なってきた。
 シランで想い出したが、最近、「ヤバい」という言葉が気になる。若者は、非常に素晴らしいという表現に使うアレだ。この前、大学のキャンパス内に群で咲いているシランを観て、ある学生一団が、「あの紫の花、ヤバくない?!」と言っていたのを聴いて、爆笑を押さえるのに苦労した。
 「いえいえ全然、すごくないですよ~。普通ですよ~。」と言ってあげようと思ったが、そこはグッと我慢する。
 さて、明治大学の青井哲人先生にお招きいただき、明治の2年生の設計演習の講評会に参加。2年生最初の課題と言うことで、課題は個人住宅なのだが、みなさん一生懸命、課題に取り組んでいる様子が窺える。最初の課題なので、是非これからも設計を続けて欲しいという個人的な思いもあり、あまり批判はせずに、どうすればもっと良くなるかという視点で講評。約20名ということもあり、約5時間の講評はさすがに頭がしびれてくる。でも、みんな真面目に取り組んでいるので、「ヤバい」作品は残念ながらなかったかなぁ。第2課題も声を掛けていただいているので、次の課題も楽しみだ。
 さて、うちの(武蔵野大の)学生はどうだろうか。
 連休を終えて学生も落ち着いてきたのか、本格的に4年生のゼミもエンジンがかかってきた。今年度は研究室の活動も多岐に渡る(越後妻有、新宿クリエイターズフェスタ、トロールの森、など)ので大変なのだが、年度明け当初はまだまだスロースタート気味。その状況に危機感を感じたのか、学生相互で渇を入れ合ったらしく、ピリッとしてきた。頼もしい限りである。後は、後輩達(特に3年生)の奮起を願うばかりである。3年生は来週が設計演習の第1課題の講評会だ。今週までの進捗はかなりヤバい。いい意味での「ヤバい」ではありません。本当に文字通りヤバいです。ハイ。是非、がんばって欲しい。
 写真は4年生の研究室決起会でのワンショット。毎年度、恒例で各年度のスローガンを決めている。2015年度の水谷研のスローガンは、これだ。

言葉の意味が分かったレコードのように、もう終わったかと思い込んでいるあなたは
 はじまりのうたをうたう
 It’s A Rock ’n’ Roll Time !!

頑張っていきましょう。(TM)

2015/05/13

BELCA賞受賞

 「アーツ前橋」が『第24BELCA賞』を受賞しました(ベスト・リフォーム部門)。
 http://www.belca.or.jp/belca4.htm
 水天宮のロイヤル・パークホテルにて授賞式。審査委員の先生方から1作品毎に総評があり、非常に素晴らしい授賞式でした。
ありがとうございました。(TM)

2015/05/08

現地調査@妻有

 新潟の妻有地方も雪融けを始め、雪の状態も落ち着いた、とのことで、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2015」の作品出展準備のため現地調査に赴く。
 写真を見ると、出展場所が分かっちゃいますよね?!
 今回は出展敷地の状況を改めて検証ということもあり、研究室の4年のチャンエリとサワディの2名が同行。敷地の視察とともに、城山も1時間半程散策。里山アートと銘打ち、さまざまな常設のアート作品が山の中に点在している様子を見て回る。場所の状況も把握ができて、作品のイメージも具体的になってきた。
 夕方に十日町に移動し、2期生(卒業生)のベン(新潟魚沼在住)が仕事終りに駆けつけてくれる。十日町の居酒屋でおいしい日本酒とともに一献。さて、いよいよ妻有モードに入ってきた。また進捗は学生のブログでもお伝えします。そして夏は是非、芸術祭にお越しください。(TM)

2015/05/03

取材@唐ヶ谷

 3年ほど前にリノベーションの設計をおこなった住宅、『唐ヶ谷のいえ』が、雑誌の取材を受けることになり立ち会いに赴く。実は我が親の住宅。と、いうことで、実家が取材されるというのは、自宅が取材されるということよりも、はるかに奇妙な感覚だ、ということを実感する(でも、その感覚は何故なんだろう?)。
 たった1部屋だけのリノベーションで、しかも既存は普通のハウスメーカーの住宅。既存の仕様もごくごく普通で、規模は本当にミニマムな訳だが、設計としては大きく出て、建築や都市にとどまらず環境全体にまで手を伸ばせるようなことも考えてみた。まあ、本当に低予算の中、しかもワンルームでできる範囲で、ということではありますが。
 建築の可能性ということをどんなスケールでも考えることは大切なことだと、取材を受けて改めて考えさせられます。建築は、だからこそ面白い。(TM)

2015/05/01

カヴァーに想う

 最近、カヴァーもののアルバムを立て続けに購入し、何となくヘヴィー・ローテーションで聴いている。カヴァーものは、つまらないのもたくさんあるけど、いいものはいいなぁ、とつくづく感じる。カヴァーの良い面は曲を再構築している、という、そのコンセプトから手法までを含めたテイストを楽しめる所であり、そう考えるとある意味、有名な楽曲のカヴァーの方が面白いのかもしれない、と思ってみる。有名という所が、みんなが知っているということにつながり、ハードルが高くなっている所もあるが、その壁を突き抜けたところでいい形で再構築できている作品は、オリジナルを超えた面白さがあると思う。そのあたり、建築にもつながることかもしれないなぁ、と思ってみたりする。 さて、ビリー・ホリデイが生誕100周年ということで、ビリー・ホリデイのカヴァー・プロジェクトがいくつかあると思うのだけど、カサンドラ・ウィルソン(『Coming Forth By Day』)とホセ・ジェームス(『Yesterday I Had The Blues』)の盤を購入。ホセ・ジェームスは最高に素晴らしい。ここ2作品程、個人的にはちょっとはまらなかったので嬉しい限り。正当ジャズに取り組んだ作品が意外と良いなぁと思うが、気のせいかな。後、70年代ポップス(ロック?)を中心にセレクトした、ダイアナ・クラールの盤『Wallflower』もいい。少し静かなテイストでまとめられているのが物足りなさを感じるかもしれないが、静かに仕上げることによりひきたつ側面をかなり意識しているのではまいか、と思う。プロデュースはデヴィッド・フォスター。最後にボブ・ディランの盤(『Shadows In The Night』)が最高。あまり表だってクレジットされていないが、フランク・シナトラが唄っていたトラディショナル・ナンバーをカヴァーしたもの。あまりに多様にカヴァーされ尽くされてきた楽曲を渋く選曲し、それを更にディランがカヴァーすることにより、新の魅力を「アンカヴァー」するという意図があるらしい。まさに、そのあたりカヴァーの真髄なのではないか、と感じさせられる。ちなみにLP盤はブルー・ノートのレーベルデザインをそのまま踏襲(コピー)していて、ある意味ウィットに富んでいる。
 再度、改めてだが、こういう試行(或いは思考)って、建築のリノベーション(やコンバージョン)と通じるものがあるなぁ。(TM)